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板金塗装に使われるパテとは


ぶつけてしまったら板金塗装へ



車をぶつけてしまった場合、修理をすることがほとんどでしょう。ぶつけてしまったままでは、へこんでしまっていたり、傷がついたままになっているからです。大きくぶつけた時には、ドアが開かなくなったり窓に問題が出てしまうこともあるでしょう。こうした状態で運転することは大変危険です。走行中に大きな問題を起こしてしまうこともありますので、素早く修理しなければいけません。実際にぶつけたところは、交換するか板金塗装で対応することになるでしょう。バンパーなどであれば、交換してしまうことのほうが早いこともありますが、ボディはそうはいきません。へこんでしまうと自然に直ったりすることはないため、板金をおこない塗装して修復することになります。この場合の板金とは、形を整える作業のことを指し、へこんだ部分を叩きだす方法のことです。ハンマーなどを使うこともありますし、専用の器具を使い引き出してくることも必要です。

へこんだ場所を引っ張りだすためには、ワッシャーなどを溶接して器具を取り付けられるようにして、徐々に元に戻していく作業まで行い修復していくことになります。その際、裏側からたたき出しても塗装は割れてしまうでしょう。もともと、塗装とは樹脂の膜ですので衝撃によって割れてしまいます。引っ張る場合にも、溶接するためには電気を通さなければならないため、塗装面をはがしてから作業します。もちろん、熱でも破壊されてしまうため、修復が終わり次第塗装をして完成させることになります。そのため、板金と塗装はセットとされ板金塗装と呼ばれているといえるでしょう。



パテを使う重要性



実際に塗装をする前には色々な問題が発生します。どんなにきれいに叩きだしたとしても、金属は変形してしまうということです。型を当てて叩きだしても、真っ平らになることはありません。叩かれれば金属はのびますし、熱をかければ膨張します。熱が冷めれば収縮することになるため、これを利用してゆがみを直していきますが完全には直すことができません。亀裂が入ってしまっている場合には、溶接して補修もしますがこの場合にはさらに凸凹な面が出来上がります。そうなると、いくらきれいに塗装しても修復したことが見た目でわかってしまうでしょう。そこで、表面をパテで平滑な面に修復します。自動車修理に使われるパテにはいろいろな種類があります。樹脂でできているもので、塗装も元をただせば接着剤であるようにパテも接着剤の一種です。ですが、接着力よりも充填性に重きを置かれているため接着力は高くありません。そこで、接着面を粗目の状態にしてプライマーなどの下地材を塗布し、パテを盛っていくことになります。ここで問題なのは樹脂には溶剤が含まれているということです。

2種混合のものでも1種のものでも、塗装と同じように固まらないように溶剤を入れてあるため、これが揮発して固まっていきます。つまり、体積は揮発した分だけ減るということです。体積が変化しますので、あまりに1カ所に使うとひび割れを起こしてしまうことにもなります。収縮してしまうことを考えると、あとで研磨するとしてもきれいな面を作るためには、できるだけ薄く塗るということが鉄則であるといえるでしょう。

いろいろな種類があるというのも、この厚みにも関係してくる問題です。強度を出すため繊維を入れているものもありますし、主剤と硬化剤を分けて使うエポキシ樹脂などもあります。肉痩せしにくいように作られているものもあるため、どんなところにどれぐらい使うのかによって分けていかなければいけません。



板金の腕でパテは最小限になる



板金では、パテを盛りつけた後に必ず削る作業と下塗り塗料を吹くなどの調整をしていきます。パテ研ぎと呼ばれる作業ですが、これにより平滑な面を作り出す工程です。肉痩せをするということを前提に計算しているということもありますが、パテと既存面のつなぎ目に段差があれば、修繕したことがわかってしまいます。これでは平滑な面が出来上がっているとは言えないため、研磨して一体化させる作業です。そのため、荒削りの段階から仕上げに至るまで、細かに変更しながら削りだしていくことになります。板金も技術が必要ですが、このパテ研ぎで失敗してしまえば元も子もありません。非常に丁寧におこなっていかなければならず、腕が試される部分といえるでしょう。逆に言えば、プロであれば本当にわからないような状態にまで削り上げて仕上げることができるということです。

板金塗装ということで考えれば、パテは仕上げの領域の仕事といえます。引っ張って叩きだしていく作業が中心であり、絞りがうまくいけばパテは最小限で済ますことが可能です。パテが収縮するという材料としての宿命を抱えている以上、できるだけ少なくするということが技術的にも重要になってくる部分といえるでしょう。

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