車検に通らない傷・凹みの基準は?部位別に合否の分かれ目を整理
更新日:2026/08/31 | 公開日:2026/08/30
車検の予約を入れたあとで、バンパーの擦り傷やドアの凹みが急に気になり出す。このまま持ち込んで落ちたら、また日程を組み直すことになる。そう考えると落ち着かないものです。
やっかいなのは、境目が見えにくいことです。かなり目立つ凹みでも何も言われないことがあり、小さな割れで引っかかることもあります。ネットで調べても「通る」「通らない」の両方が出てきて、自分の車がどちらなのか分かりません。
板金塗装を扱っている立場から、車検で実際に見られている項目と、部位ごとにどこが分かれ目になるのかを整理します。判断が現場に委ねられている部分は、そう書きます。言い切れないところを言い切らないほうが、結果として役に立つはずです。
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傷や凹みそのものを見る検査項目はない
車検(継続検査)は、その車が保安基準に適合しているかを確認する手続きです。外観のきれいさを採点する場ではありません。
ですから、塗装が剥げている、板がへこんでいる、修理の跡が見える、といった状態だけで不合格になることは基本的にありません。「傷があると車検に落ちる」という言い方は、この点で少しずれています。
では何が引っかかるのか。傷や凹みが、別の検査項目に影響しているときです。入口は大きく3つに分けられます。
1. とがった部分や、外れそうな部分ができている
2. 灯火類(ライト・ランプ)の光や取り付けに影響している
3. 部品の位置や車体の寸法が変わっている
見られているのは傷そのものではなく、傷の結果どうなったかです。同じ大きさのキズでも、この3つに当たるかどうかで結論が変わります。
そして、ここが分かりにくさの正体でもありますが、最終的な判断は検査場と検査員によります。タイヤの溝のように数値で線が引かれている項目は明確ですが、「とがっているか」「外れそうか」は目で見て判定される部分が残ります。事前に「この状態なら確実に通ります」と言い切れる領域ではありません。
以下、部位ごとに何が見られるのかを整理します。
バンパー:分かれ目は「とがっているか」「外れそうか」

日常でぶつけやすく、相談も一番多い部位です。
擦り傷・線傷だけなら検査項目にならない
塗装の範囲でとどまっているキズ、白く擦れた跡、線状のキズは、それ自体が検査項目になりません。色が違う、下地が見えている、といった状態も同じ扱いです。
割れ・欠けは、形と固定の状態で見られる
割れている場合は、割れていること自体ではなく次の点が見られます。
- 破断面や角が外に向かって立っていないか(とがった部分の扱い)
- めくれ上がって、引っかかる形になっていないか
- 固定が外れて垂れていないか、手で押すとガタつかないか
つまり、割れていても内側に収まっていて動かなければ指摘されないことがあり、逆に小さな欠けでも角が立っていれば見られることがあります。この境目の考え方はバンパーの割れと車検の合否で詳しく扱っています。
大きく凹んで位置がずれた場合
凹みでバンパーが押し込まれ、ヘッドライトやナンバープレートを押していると、そちらの取り付け状態の話になります。バンパーの凹みが単独で問題になるより、周りへの影響として現れる形です。
とがった部分の判定は、荷室や架装のある車ではさらに広く見られます。考え方の実例は軽貨物車の突起物の判定基準にまとめました。乗用車でも判定の筋道は同じです。
修理費の見当をつけたい場合は、部位と損傷ごとの修理料金の目安を先に見ておくと、直すかどうかの判断がしやすくなります。
ボンネット・ドア・フェンダー:板がへこんでいるだけでは対象にならない
外板と呼ばれる、車体に取り付けられているパネルです。ここも凹みや擦り傷そのものは検査項目になりません。見られるのは、その先に起きていることです。
縁が裂けて鋭くなっている
強くぶつけて板が裂け、切り口が外に出ている場合はとがった部分として見られます。フェンダーの端やドアの下端で起きやすい形です。
閉まりきらない・開閉に引っかかりがある
ボンネットやドアが変形して、ロックがかかりきらない状態は走行中に開くおそれにつながります。閉まるけれど手応えが重い、という段階でも一度見てもらう価値があります。
サビが進んで板に穴が空いている
キズを放置して下地から錆びると、板が薄くなって最終的に穴が空きます。位置によっては、そこから排気ガスや水が室内側へ入る経路になります。凹みや傷を「車検には関係ないから」と何年も置いておくと、この段階に近づきます。
フェンダーとタイヤの位置関係が変わった
フェンダーが大きく変形してタイヤの上を覆う範囲が減ると、タイヤのはみ出しの判定に関わってきます。見た目の変形より、こちらのほうが結論に直結します。
ヘッドライト・テールランプ:傷が「光」に影響すると別の話になる

灯火類は、外から見える傷が検査項目に直接つながる数少ない部位です。ここは他の部位と扱いが違うので、分けて押さえておくと迷いません。
| 状態 | 見られるところ |
|---|---|
| レンズが割れている・欠けている | 光が漏れていないか、内部に水が入っていないか |
| テールランプが割れて中の電球が見える | 赤く光るべき部分が白く見えていないか |
| レンズが黄ばんで白くくもっている | 前を照らす明るさが足りているか |
| 取り付け部が折れてぐらつく | 向きが変わっていないか、脱落のおそれがないか |
| テープや接着剤でふさいでいる | 恒久的な修理として扱えるか |
黄ばみやくもりは、傷というより経年の変化ですが、光量に効いてくる部分です。磨いて透明度を戻せる段階と、内側から劣化していて磨いても戻りにくい段階があります。切り分け方はヘッドライトの黄ばみの原因と再生方法で解説しています。
なお、割れた部分をテープでふさいだ状態の扱いは、後の「応急処置で車検に出すとどうなるか」の項で触れます。灯火類の場合は、ふさいだことで光の色や漏れ方まで変わる点が他の部位と違います。
フロントガラス:位置と大きさで扱いが変わる
飛び石による小さな欠けや、そこから伸びたひびも相談の多い症状です。ガラスは、運転者の視野を妨げるかどうかという観点で見られます。
同じ大きさの欠けでも、視野の中心に近い位置なら見られやすく、隅のほうなら扱いが変わります。ワイパーが拭き取る範囲の内側かどうかも判断に関わります。数値で一律に線を引ける項目ではないため、実車を見てもらうのが確実です。
樹脂を注入して進行を止める補修で対応できる場合もありますが、補修跡がどう判断されるかは状況によります。ガラスの補修や交換は専用の設備と資材が必要な作業です。対応の可否と、その状態で検査に臨めるかどうかの見立ては、依頼先に確認しておくと安心です。
タイヤ・ホイール・下回り:ボディとは別の基準で見られる
足回りと下回りは、これまでの部位と違って、状態そのものが検査項目に入ってくる部分を含みます。
タイヤ
溝の残りは検査項目です。スリップサイン(溝の底にある印)が出ていれば交換が必要になります。側面の深いキズ、ゴムのひび割れ、内部のコードが見えている状態も見られます。縁石で強くこすったあとは、側面をのぞき込んで確認しておくとよいでしょう。
ホイール
ガリ傷そのものは検査項目ではありません。ただし、リムが変形して空気が抜ける、ひびが入っている、といった状態は別です。放置してよいかどうかの目安はホイールのガリ傷をどこまで直すべきかを参考にしてください。
下回り
段差や縁石で下を打った場合、排気系にへこみや穴ができていると排気漏れの話になります。部品がぶら下がって垂れている状態も、脱落のおそれとして見られます。走り出したときに音が変わったなら、下から見てもらう合図です。
タイヤ・ホイール・排気系は、タイヤ専門店や整備工場が扱う領域です。ボディのキズや凹みとは受け皿が分かれるので、両方に心当たりがあるときは、それぞれの窓口で見てもらう形になります。
応急処置で車検に出すとどうなるか
割れたバンパーをテープで留める、外れかけた部品をタイラップで縛る、といった処置で車検を通そうとする方は少なくありません。ここは考え方を整理しておく価値があります。
とがった部分や脱落のおそれを一時的に抑える効果はあります。ただし、粘着テープは熱と雨で緩むため、恒久的な修理として扱われるとは限りません。「仮の処置だと見て分かる状態」は、指摘の対象になりやすくなります。
そのうえで、応急処置には別の役割があります。修理の日程が組めるまでの間、症状を悪化させずに走るための手当てです。車検を通すための手段と、悪化を止めるための手当ては、目的が違います。分けて考えると判断を誤りません。
車検までの残り日数で、直すかどうかを決める
ここまでの内容を、実際の判断手順にまとめます。
1. 3つの入口に当たるかを見る
とがっているか、灯火類に影響しているか、位置や寸法が変わっているか。この3点に心当たりがなければ、そのキズは車検とは切り離して考えられます。
2. 当たるなら、車検の前に直す
指摘を受けてから直すと、修理と再検査で日程が二重に必要になります。先に直しておけば1回で済みます。
3. 当たらないなら、車検とは別の理由で判断する
サビの進行、下取りや売却時の査定、単純に気になるかどうか。急ぐ理由がなければ、車検の予約とは無関係に決められます。
4. 直すと決めたら、日数を逆算する
塗装には乾燥の工程があるため、作業時間だけで終わりません。部品の取り寄せが必要かどうかでも変わります。当日中に終わる範囲と数日かかる範囲の切り分けは、即日で直せる傷・凹みの判断基準にまとめています。
池内自動車では、キズ・ヘコミの修理を最短当日で承っています。車検の予約日が決まっているなら、写真を送って修理にかかる日数と金額を確かめるところから始めるのが早い進め方です。
よくある質問

Q. 小さな擦り傷が何本もありますが、車検に落ちますか
塗装の範囲にとどまっているキズは、本数が多くても検査項目になりません。ただしキズの底から錆びていく起点になるため、車検とは別に修理を検討する価値はあります。
Q. バンパーが割れています。外して車検に出せますか
バンパーを取り外した状態は、車体の寸法や周辺部品の保護に関わるため、そのまま持ち込めるとは限りません。判断は検査を受ける場所によって変わります。外すより、割れの形と固定の状態を見てもらったほうが確実です。
Q. 車検の前に直すのと、通してから直すのはどちらがよいですか
3つの入口に当たるなら前に直します。当たらないなら、どちらでも構いません。順番より、キズを何ヶ月も置いたままにしないことのほうが効いてきます。
Q. 検査で指摘されたら、その場で直せますか
軽い調整で済むものは対応できる場合がありますが、板金や塗装が必要な損傷はその場では終わりません。再検査の期限内に修理を入れる段取りになります。この手間を避けるために、前もって見てもらう意味があります。
Q. 凹んだままにしておくと、次の車検で問題になりますか
凹み自体は変わりませんが、塗装が割れている箇所からサビが進みます。2年放置すると、修理の範囲が広がって費用も上がりやすくなります。凹みの深さより、塗装が切れているかどうかを見てください。
Q. 車検の記録に修理したことは残りますか
車検は保安基準への適合を確認するものなので、修理の履歴を記載する欄はありません。中古車の売買で使われる修復歴とは別の枠組みです。
池内自動車の板金塗装について

池内自動車は板金塗装を専門にしている修理チェーンです。全国35店舗で、年間39,000台以上の修理を扱っています。
修理内容ごとに料金をあらかじめ決めており、バンパーのすり傷(10cm以内)なら3,300円〜(税込)から承っています。塗装が剥がれて下地が見えているえぐれ傷は別料金です。パテと塗装はいずれも乾燥設備(ヒーター等)で焼き付けています。塗る色はテスト板に試し塗りをして乾かし、実車と見比べてから本塗りに入る工程を標準としています。
仕上がりを限界まで追い込むために時間と費用を積み上げるのではなく、しっかり直った状態に必要な工程だけを踏みます。過剰にやらない代わりに、早く、安く、最短当日で車をお返しできます。全店年中無休で、夜20時まで受け付けています。
見積もりは写真を送るだけで、60秒程度で完了します。原則10分以内に回答し、超えた場合は1,000円割引します。損傷の程度によっては写真だけで判断できない場合もあるため、その際は実車の確認をご案内します。
なお池内自動車は、ボディの板金塗装に専門を絞り、設備と人をそこに集中させています。ボディのキズ・ヘコミ・塗装のことでしたら、まずご相談ください。
まとめ
車検で見られているのは傷そのものではなく、傷の結果として何が起きているかです。とがった部分ができていないか、灯火類の光に影響していないか、部品の位置や寸法が変わっていないか。この3点に心当たりがなければ、擦り傷や凹みが理由で落ちることは基本的にありません。
心当たりがある場合は、車検の前に直しておくほうが日程が1回で済みます。判断が分かれやすいのはバンパーの割れ方と、ガラスの欠けの位置です。どちらも実車を見ないと見立てができないので、自己判断で「通るはず」と決めないほうが安全です。
そして、車検に関係しないキズも放置すれば錆びていきます。次の車検までの2年で修理の範囲が広がるくらいなら、気づいた時点で直したほうが負担は小さくなります。
あ、キズ直そ。写真を送るだけ、60秒でお見積もりします。
読んだ内容で迷ったら、
写真を1枚送ってみてください。
傷の程度は写真を見れば判断できます。入力は60秒、回答は原則10分以内。
修理は最短当日で仕上がります。ご来店での見積もりも無料です。
※バンパーのすり傷(10cm以内)3,300円〜(税込)/20cm以内 6,000円〜(税込)
日守翔吾
大手中古車販売店で7年ほど経験を積んだ後、板金塗装に従事。工場長の経験を経て、2022年に株式会社イケウチに入社。豊富な経験を持ち、板金塗装を中心とした自動車修理業界に精通している。これまでに10,000台以上の車両修理を監修し、お客様からの信頼も厚い。
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