車の下回り・フロアパネルの錆はどこを見る?点検の手順と処置の選び方

更新日:2026/08/31 | 公開日:2026/08/31

板金塗装全般

車の下回り・フロアパネルの錆はどこを見る?点検の手順と処置の選び方

車検の見積もりに「下回りに錆あり」と書かれていた。タイヤ交換のついでに車の下を覗いたら、床の裏側が茶色くなっていた。ボディのキズと違って、下回りの錆は自分で見つけるきっかけがほとんどありません。

やっかいなのは、見つけたあとの判断です。表面が茶色いだけなのか、鉄が薄くなっているのか。今すぐ手を打つべきなのか、しばらく様子を見ていいのか。見た目だけでは線を引けません。

板金塗装を扱っている立場から、下回りとフロアパネルのどこを見ればいいのか、錆がどう進むのか、段階ごとにどんな処置が選べるのかを順番に整理します。今日その場でできる確認方法から書いていきます。

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下回りとフロアパネルは、目に入らない場所にある

フロアパネルは、室内の床そのものです。上には防音材とカーペットが敷かれ、下は地面を向いています。つまり上からも下からも隠れていて、日常の中で目に入る機会がありません。

下回りで錆が出やすい場所は、おおよそ次の通りです。

部位どこにあるか錆びやすい理由
フロアパネル室内の床の裏側平らで水が抜けにくく、泥が乗ったまま乾きにくい
サイドシルドアの下、車の側面の一番下泥はねが当たり続ける。乗り降りでも汚れる
タイヤハウスの内側タイヤを囲っている部分タイヤが跳ね上げた水・砂・融雪剤が直撃する
ジャッキアップポイントサイドシルの下端にある四角い切り欠き形状で水が溜まりやすく、作業で塗膜が欠けやすい
リアフェンダーの内側後輪の上あたり二重構造で内側に泥が残る
マフラー・遮熱板の周り車体の中央から後方熱で塗膜が痛みやすく、点検の目が届きにくい

錆びるのは「水と土が残る場所」

錆は、鉄が水と酸素に触れ続けることで進みます。走行中に濡れるだけなら乾きますが、泥や砂が乗ったままだと、その下に水分が残り続けます。塩分が混じると進みが速くなります。

雪の多い地域では路面の融雪剤で錆びる仕組みと洗い方が、海の近くでは風で運ばれる塩害による錆の対策が、それぞれ効いてきます。原因の側はこの2本で詳しく扱っています。

飛び石で塗膜が切れた箇所も入口になります。下回りは走行中ずっと小石が当たる場所なので、塗膜には小さな傷が無数につきます。

フロアパネルは車の構造を受け持っている

外板のキズと下回りの錆で扱いが違うのは、フロアパネルが車の形と強度を支えている部品だからです。中古車の流通では骨格として扱われる部位で、修理すると修復歴の対象になる場合があります。

同じ「錆」でも、ボンネットやフェンダーのような外板ならフェンダーの錆修理のように部品単位で考えられます。床は取り外して交換するという発想が使えないぶん、早いうちに手を打つ意味が大きくなります。

点検のタイミングは年2回と、擦ったあと

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見えない場所なので、思い出したときに見るという運用では続きません。時期を決めてしまうほうが確実です。

冬明けと、梅雨明け

雪の降る地域なら、融雪剤を踏まなくなる3月から4月が1回目です。冬のあいだに付いた塩分を落としきれているかを見る時期にあたります。雨の多い季節が終わったあとにもう1回見ておくと、1年に2回の間隔になります。

海沿いに駐車している場合は、季節に関係なく塩分が付き続けます。この場合は洗車の日に合わせて、3か月に1回ほど覗いておくと変化に気づきやすくなります。

タイヤ交換・オイル交換・車検で車が上がっているとき

車がリフトで上がっている状態は、下回りを見る機会としてもっとも条件が良いです。作業をお願いしている整備工場に「下回りの様子を写真で撮ってもらえますか」と頼んでおくと、自分では届かない位置まで残せます。

このとき、錆の有無だけでなく「どこが、どのくらいの範囲か」を聞いておきます。次に見たときと比べる材料になります。

下を擦った・乗り上げたあと

塗膜が切れた場所は錆の入口になります。段差やコインパーキングのフラップ、駐車場の縁石は、下回りの塗装をまとめて削ります。

縁石で擦った下回りの傷の直し方フラップで擦った下回りの傷では、擦った直後の対応を扱っています。乗り上げてしまった場合の確認項目は縁石に乗り上げたあとの点検項目にまとめています。

擦った直後は「音がしただけで済んだ」と感じることが多いのですが、塗装が削れていれば数か月後に茶色く変わってきます。擦った日から半年後に一度見る、と決めておくと取りこぼしが減ります。

自分で見るときの5つの手順

下回りの点検で危ないのは、無理に体を入れることです。次の手順は、車の下に潜らず、ジャッキアップもせずにできる範囲に絞っています。

1. 明るく平らな場所に停める

日中の屋外か、照明のある平らな場所を選びます。傾いた場所では車が動くおそれがあります。エンジンを切り、パーキングブレーキをかけます。マフラー周りは走行直後は熱いので、しばらく置いてから触ります。

2. ハンドルを左右いっぱいに切る

タイヤを切ると、タイヤハウスの内側が大きく開きます。ここは水と砂が最も当たる場所で、錆が出るときは早い時期に姿を見せます。左右それぞれで切って、両側とも見ます。

3. スマホを差し入れて撮る

顔を入れずに、スマホだけを車体の下へ差し入れてフラッシュで撮ります。サイドシルの下端に沿って前から後ろへ、数枚に分けて撮ると全体が残ります。動画で流し撮りしてから、あとで止めて見る方法も使えます。

4. 室内側から床を確認する

フロアマットを外し、足元とシートの下を見ます。カーペットの表面が湿っている、押すと沈む感じがある、といった状態は床側から水が回っているサインです。後席の足元と、荷室の床下(スペアタイヤの収納部)も同じように見ます。

荷室の床下は水が溜まりやすい場所です。上げてみて内側が濡れていたら、雨の日に水が入る経路がある可能性があります。

5. 写真に日付を残す

撮った写真は消さずに残します。錆は少しずつ広がるので、半年前の写真と並べると進んだかどうかが判断できます。記憶だけで比べると「こんなものだった気がする」で終わってしまいます。

なお、ジャッキやブロックで車を持ち上げて下に入るのは避けてください。整備用のリフトがある場所で見てもらうほうが、安全でよく見えます。

錆の進み方は4段階。どこまで来ているかで処置が変わる

錆で穴が開いたタイヤハウス

錆は「ある・ない」ではなく、進み方の段階で考えます。段階が分かれば、選べる処置も絞れます。

段階見え方触る・叩くとどうか処置の方向
1. 表面錆薄く茶色い。うっすら粉をふいたように見える指でこすると茶色い粉が取れる。鉄はしっかりしている洗って落とし、塗膜が切れていれば塗り直す
2. 塗膜のふくれ塗装が小さく浮いて盛り上がる。周囲がざらつく押すとパリッと割れる。下に赤い粉がある浮いた塗膜を落として下地から作り直す
3. 層状の剥離かさぶたのように層で浮く。範囲が広がる叩くと鈍い音。めくると鉄が薄くなっている錆びた鉄を切り取り、板金で作り直す範囲になる
4. 穴あき光が透ける。指で押すと抜ける触ると崩れる。周囲も同じ状態が多いパネルの部分交換を含む修理。範囲の見極めが必要

段階1と2は、範囲が狭ければ費用も日数も小さく収まります。段階3から先は、錆びた鉄を残せないので、切って作り直す作業に変わります。ここで費用の桁が変わります。

叩いた音で見当をつける

判断に迷ったときは、指の関節で軽く叩いてみます。健全な鉄板はコンコンと高い音が返ってきます。錆が層になって鉄が薄くなっている場所は、ボコッ、ゴツッという鈍い音に変わります。

音が変わる範囲を指でたどると、見えている茶色よりも広い範囲で進んでいることが分かる場合があります。錆は塗膜の下を横に走るので、表面の色だけでは範囲が読めません。

放置したときに起きること

修理の範囲が広がる

段階1で塗り直せば済んだ場所が、段階3では切り取って板金する作業になります。同じ場所の錆でも、作業内容が別のものに入れ替わるので、費用の差は数倍単位になります。

床は面積が広いぶん、範囲が横に伸びやすい部位です。傷から錆が広がる仕組みは傷から錆が広がる仕組みでも扱っていますが、下回りは水と泥が残り続ける条件が揃っているので、進みが早くなりがちです。

車検で指摘を受ける範囲がある

錆そのものが直ちに不適合になるわけではありません。ただし穴が開いて強度に関わる状態や、ブレーキ・燃料の配管まわりの錆は、指摘の対象になります。判断は検査を受ける場所で変わるため、指摘されたら内容と場所を具体的に聞いておきます。

修復歴の扱いにつながる場合がある

フロアパネルは骨格として扱われる部位なので、切り取って作り直す規模の修理をすると、売却時に修復歴として表示される場合があります。段階2までで収めておけば、この話にはなりません。将来の売却を考えているなら、早い段階で手を打つ意味がここにもあります。

処置の選択肢は3つ。順番がある

1. まず洗って落とす

段階1なら、洗って乾かすだけで進みを遅らせられます。下回り洗車のあるガソリンスタンドや洗車機を使い、タイヤハウスの内側まで水をかけます。冬に融雪剤を踏んだあとは、走行後にできるだけ早く流すのが効きます。

洗ったあとに水が残ると逆効果になるので、乾く天気の日を選びます。洗車機の下回り洗浄だけでは砂が残ることもあるため、可能なら手で当てられる範囲は水をかけておきます。

2. 錆びた塗膜を落として塗り直す

段階2、つまり塗装が浮いてきている状態では、洗っても止まりません。浮いた塗膜と錆を落とし、下地を作ってから塗り直す作業になります。ここまでが板金塗装で扱う範囲です。

塗装そのものが、鉄を水と酸素から隔てる膜です。だからこそ、切れた膜を作り直すことが錆への備えになります。池内自動車ではパテと塗装をいずれも乾燥設備(ヒーター等)で焼き付け、塗る色はテスト板に試し塗りをして実車と見比べてから本塗りに入ります。

3. 防錆塗装・アンダーコートは「まだ錆びていない場所」を守る処置

下回り全体に厚い膜を作る施工は、防錆塗装、アンダーコート、シャシーブラックなどと呼ばれます。呼び方だけでなく、使う材料も工程の深さも施工する店によって幅があります。

大切なのは順番です。錆びている上から厚い膜をかぶせると、水分と錆を中に閉じ込めることになり、外から進み具合が見えなくなります。錆を落としてから塗るのか、上から重ねるだけなのかで、意味がまったく変わります。

依頼を検討するときは、①下地の錆をどこまで落とすのか ②既存の錆がある場所はどう扱うのか ③どのくらいの期間で塗り直しが必要になるのか、の3点を聞いておくと比較できます。作業の範囲は依頼先ごとに違うので、施工内容を先に確認しておくと安心です。

新車や、まだ錆が出ていない車では、予防として選ぶ価値があります。すでに段階2や3まで進んでいる場所がある場合は、そこを直す作業が先に来ます。

穴が開いている場合

段階4は、鉄が残っていない状態です。板でふさぐ、パテで埋めるといった方法は、強度が戻らないまま見えなくなるだけなので勧められません。錆びた範囲を切り取り、パネルを作り直すか部分交換する判断になります。

範囲がどこまで及んでいるかは、外から見えている穴の大きさでは分かりません。実車を上げて確認する必要があります。

池内自動車での対応について

池内自動車はボディの板金塗装に専門を絞っている修理チェーンです。全国35店舗で、年間39,000台以上の修理を扱っています。全店が年中無休で、夜20時まで営業しています。

下回りの錆は、上に挙げた段階のどこにいるかで作業内容が変わります。塗膜が切れている、浮いている、という段階であれば板金塗装で扱える範囲です。切り取りを伴う規模になるかどうかは、状態を見てからのご案内になります。

錆びた塗膜を落として下地を作り、塗り直すところまでは修理の一環として行います。 一方で、下回り全体に厚い膜をかける専門の施工は扱っていません。予防としてその施工を検討している場合は、上に挙げた3点を施工している業者に確認してみてください。

料金は修理内容ごとにあらかじめ決めています。ドア・フェンダー等の鉄板パーツのすり傷は10cm以内で25,000円〜(税込)、バンパー等の樹脂パーツのすり傷は10cm以内で3,300円〜(税込)が目安です。部位ごとの金額は料金表で確認できます。鉄板パネルを2枚以上まとめて修理する場合はセット割引があり、他社の正式な見積書をお持ちいただいた場合は相見積もり割引が使えます。

見積もりは写真を送るだけの60秒無料見積もりから出せます。回答は原則10分以内で、10分を超えた場合は1,000円割引します。下回りは撮りにくい場所なので、上の手順で撮った写真をそのまま送っていただければ判断の材料になります。写真だけで読み切れない場合は、実車の確認をご案内します。

修理工賃(部品代を除く作業費用)が税込50,000円以上になる場合、無料の引き取り・納車と、代車の無料貸し出しのどちらか一方をご利用いただけます。実際の仕上がりは修理事例で公開しています。キズ・ヘコミの修理は最短当日で対応しています。

仕上げをどこまでも追い込むための工程を足すのではなく、しっかり直った状態を早く安くお渡しするのが池内自動車の考え方です。

よくある質問

Q. 下回り全体が茶色いのですが、すべて錆ですか

砂や泥、マフラー周りの熱で変色した部分も茶色く見えます。指でこすって茶色い粉が付き、下の面がざらついていれば錆です。汚れなら拭くと下から黒や灰色の塗装面が出てきます。

Q. 防錆塗装をしておけば、もう錆びませんか

膜には寿命があり、走行で小石が当たれば切れます。塗ったあとも点検は続けます。すでに錆がある場所に上から重ねた場合は、中で進んでいても外から見えなくなるため、下地の処理をどうしたかが重要になります。

Q. 車検で「下回りに錆」と言われました。すぐ直すべきですか

まず、どの部位でどのくらいの範囲か、穴が開いているかを聞いてください。表面錆で塗膜が残っている段階なら、洗って様子を見る選択もあります。塗装が浮いている、叩くと鈍い音がする場合は、早く手を打つほど作業が小さく収まります。

Q. 写真だけで下回りの見積もりはできますか

撮れている範囲であれば、目安をお伝えできます。下回りは影になって写りにくいので、フラッシュを使い、少し離れた位置と近づけた位置の2枚を撮っていただけると読み取りやすくなります。範囲が写真から判断できない場合は、実車の確認をご案内します。

Q. 中古で買った車の下回りは、いつ見ればよいですか

納車後の早い時期に一度見て、写真を残しておくことをおすすめします。前の使われ方(雪国か、海沿いか)が分からないため、基準になる1枚があると次の変化に気づけます。

Q. サスペンションやブレーキの部品にも錆が出ています

足回りや配管の部品は、走行や制動に直接関わる部分です。整備を扱っている工場で状態を見てもらってください。池内自動車はボディの板金塗装に専門を絞り、設備と人をそこへ集中させています。

まとめ:今日できるのは写真を1枚残すこと

下回りとフロアパネルの錆は、見る機会がないまま進みます。防ぐ側の話(洗車、融雪剤、塩分)は先に挙げた2本に譲り、この記事では見つけ方と処置の順番を整理しました。

今日できることは、ハンドルを切ってタイヤハウスの内側を撮り、フロアマットを上げて足元を触ることです。日付の入った写真が1枚あれば、半年後に進んだかどうかが分かります。

そのうえで、塗装が浮いている、叩くと鈍い音がする、という状態が見つかったら、その写真を送ってください。段階が分かれば、洗うだけでよいのか、塗り直しが必要なのか、切り取る規模なのかを絞れます。

あ、キズ直そ。写真を送るだけ、60秒でお見積もりします。

読んだ内容で迷ったら、
写真を1枚送ってみてください。

傷の程度は写真を見れば判断できます。入力は60秒、回答は原則10分以内
修理は最短当日で仕上がります。ご来店での見積もりも無料です。

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※バンパーのすり傷(10cm以内)3,300円〜(税込)/20cm以内 6,000円〜(税込)

監修者情報
株式会社イケウチ 技術部長 日守翔吾
株式会社イケウチ 技術部長
日守翔吾

大手中古車販売店で7年ほど経験を積んだ後、板金塗装に従事。工場長の経験を経て、2022年に株式会社イケウチに入社。豊富な経験を持ち、板金塗装を中心とした自動車修理業界に精通している。これまでに10,000台以上の車両修理を監修し、お客様からの信頼も厚い。

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