車のオールペン(全塗装)とは? 基礎知識やメリット・デメリットなどを解説
更新日:2024/11/26 | 公開日:2024/11/26
オールペンとは、車のオールペイント(全塗装)のことを指します。長年乗った愛車の色を一新したり、車体に付いた傷を目立たなくしたりするなど、オールペンを行う理由はさまざまです。オールペンを行うためには、車や塗料に関する専門知識・経験が必要です。業者選びを誤ると、ひどい仕上がりになって後悔するケースもあるため注意しましょう。
車の修繕目的にオールペンを検討している方は、本記事を通してオールペンの基本的な知識やメリット・デメリットなどを理解しておきましょう。
オールペンとは?
オールペンとは、車の全塗装(オールペイント)のことです。一般的に、オールペンは愛車の外装を美しくし、より長く維持するために行います。オールペンには、主に以下の3つの種類があります。
簡易オールペン
簡易オールペンとは、車のミラーやバンパーなどのパーツを外さずに塗装を行う簡易的な方法です。
車体全体を塗装する際にマスキングテープを使用して、塗装が他の部分に付かないように処置を行います。パーツを取り外す費用や時間を省き、安く早く塗装を行いたい方におすすめの方法です。
しかし、パーツを外さないため、パーツの付け根などの細かい部分には、クリーニングや塗装が行き届かない可能性があるので注意が必要です。予算よりも仕上がりを重視する方は、他の塗装方法を検討すると満足できる仕上がりになるでしょう。
一般的なオールペン
一般的なオールペンでは、外しやすいパーツは取り外してから、部分的にマスキングテープを使って塗装を行います。そのため簡易オールペンと比較すると、細かい部分まできれいな仕上がりに期待できます。
しかし、費用は簡易オールペンより高くなるため、予算に合わせて検討すると良いでしょう。
完全オールペン
完全オールペンは、車のパーツをほぼ全て取り外して塗装を行う方法です。
より美しい外装の仕上がりを求める方や、シートなどの内装パーツの取り外しを希望する方はこの方法を選びましょう。
他の2つの方法に比べると、作業に時間がかかる上、費用は高額になります。そのため、納期や予算の兼ね合いを確認しておく必要があります。
オールペンのメリットとは?
オールペンを行うメリットには、具体的にどのようなものがあるのでしょうか。ここでは、具体的なメリットを3つ紹介します。
車の外観をリフレッシュできる
オールペンを行うメリットの一つは、車の外装をリフレッシュできることです。
長年愛車に乗り続けると、塗装が色あせたり細かい傷が付いたりなどの経年変化が起こります。しかし、オールペンを行えば車を買い換えなくても新車に乗り換えたような感覚を味わえ、車の見た目も気持ちもリフレッシュできます。
また、塗装の色にこだわれば世界に一台のオリジナルカラーの車を作ることも可能です。オールペンを行うことで、愛車をより美しい状態で長く楽しめるでしょう。
車体の保護効果が期待できる
車体の保護効果が期待できることもオールペンのメリットの一つです。
車庫の場所や車に乗る頻度、元の塗装の強さなど、車が傷む原因はさまざまです。例えば車庫が外にあり、長年車が野ざらしの状態になっている場合は、大切に乗っていても劣化が進みやすくなるでしょう。万が一車の塗装が剝がれたり傷んだりした場合、放置しているとさらに劣化が進む原因になってしまいます。
オールペンを行うと車の劣化部分を新しい塗装でカバーできるので、車体の保護効果も期待できます。結果、愛車により長く乗り続けられるでしょう。
中古車の価値を上げられる可能性がある
オールペンを行うと、中古車の価値を上げられる可能性もあります。
ヴィンテージカーなど人気の中古車の場合、新車発売当時の外装に近い塗装を施すレストアオールペイントと呼ばれるオールペンの種類があります。質の高い塗装で発売当時の色が再現できていると、中古車としての価値が上がり、査定額がアップする可能性は高くなるでしょう。中古車の価値を上げるためにオールペンを行いたい場合は、中古車のディーラーに事前に確認を取ってから塗装を検討することをおすすめします。
ただし、状態の良い高年式車をオールペンすると、逆に価値が下がってしまう可能性があります。また、車体を特殊な色や柄に塗装すると買い手が付きにくく、マイナスの査定になりやすいので注意しましょう。
オールペンのデメリットとは?
オールペンにはさまざまなメリットがありますが、デメリットもいくつか存在します。ここでは、オールペンのデメリットを紹介します。
コストが高額
オールペンのデメリットの一つは、コストが高額になりやすいことです。
オールペンの作業工程では、パーツを取り外したり古い塗装を剥がしたりします。車種や外すパーツの数、塗装の種類、求める仕上がりの状態などでも異なりますが、一般的には数十万円から100万円以上のコストがかかるケースも少なくありません。そのため、事前に専門業者に見積もりを依頼し、予算を把握してから依頼するようにしましょう。
耐久性に劣るリスクがある
新車の塗装と比べると、オールペンの塗装は一般的に耐久性が低く、早く劣化する傾向にあります。そのため、時間が経つにつれて色あせが目立ちやすくなります。特に低価格で品質の低い塗料を使用した場合、3年程度で劣化が目立ってくることもあるようです。
業者によって仕上がりが異なる
オールペンは業者によっても仕上がりが異なります。業者の選定を誤ると、オールペンの価格に見合わないひどい仕上がりになってしまうケースもあるため注意が必要です。色むらや塗装剥がれなど、愛車にトラブルを起こさないためにも、コストに見合った高品質なサービスを提供してくれる業者にオールペンの依頼をしましょう。
オールペンでよくある失敗例
前述のように、オールペンを行う業者にきちんとした専門知識や経験が少ないと、深刻な失敗につながってしまうことがあります。ここでは、オールペンで起きやすい失敗例を3つ見ていきましょう。
塗料の品質が悪い
オールペンを依頼した業者が品質の悪い塗料を使用していると、色むらや塗装剥がれ、塗料に気泡が混ざるなどの失敗が起きやすくなります。結果、オールペンを行っても数年で塗装が剥がれ、さらなるメンテナンスが必要となるケースもあるでしょう。事前に、業者の使っている塗料や作業工程の詳細を確認しておくことが大切です。
業者とのコミュニケーション不足
業者との事前打ち合わせが十分に行えていない場合も、期待したものと異なる仕上がりになるケースが起こりやすくなります。
例えば、車を白く塗装したい場合、業者との色の確認が不十分だと、クリーム色に近い白やパールが入った白になることもあります。色の概念は人の感覚によって異なるため、事前に色見本などで細かく確認しましょう。
また、塗布する素材により塗料の色の出方が変わる場合もあります。そのため、実際に車体に塗布した際の色の見え方を確認しておくのも失敗を防ぐ方法です。
車体に細かい傷が付いてしまった
オールペンの塗装作業には、研磨して艶出しをする工程があります。この際、使用する研磨紙を間違えると、逆に車体に微細な傷が付く原因になります。
細かな傷があると塗料を均一に塗布しにくくなるため、見た目や品質が損なわれるリスクにつながるでしょう。業者が研磨に慣れていない場合に起こりやすい失敗なため、オールペンの経験が豊富な業者かを見極めてから依頼することが大切です。
オールペンを行うタイミングと費用相場
オールペンは、車の塗装が劣化してきたときや車検のときなどにまとめて行うケースが多いです。一般的なオールペンの費用相場は以下の表の通りです。ただし、車種や塗料の種類などによって費用が変動するケースがあります。
車種例 | クラス | 平均的な費用 |
ミラ、ライフ、アルトなど | 軽自動車S | 17〜32万円 |
ワゴンR、モコ、ムーブなど | 軽自動車M | 19〜35万円 |
N-BOX、タント、スペーシアなど | 軽自動車L | 20〜39万円 |
マーチ、スイフト、ヴィッツなど | S | 22〜37万円 |
シビック、キューブ、カローラなど | M | 24〜40万円 |
プリウス、カローラフィルダーなど | L | 28〜42万円 |
インプレッサワゴン、アイシスなど | LL | 30〜45万円 |
アコード、クラウンなど | 3L | 40〜50万円 |
2024年6月現在の価格
専門業者に依頼する際のポイント
オールペンには専門知識が必要な細かい作業が多いため、専門業者に依頼する際は実績のある業者を選ぶようにしましょう。見積もりの際に不明な点があれば積極的に質問し、疑問を解消しておくことも大切です。クオリティー重視の業者を選ぶことで、仕上がりが美しく長持ちしやすくなるでしょう。
また、塗装する色の詳細や施工スケジュール、費用、工程を丁寧に教えてくれる業者を選ぶのもこつの一つです。「安いから」「何となく」などの理由ではなく、他の利用者の口コミやレビューなども参考にして、総合的に業者選びを行いましょう。
オールペンは信頼できる専門業者へ依頼しよう
オールペンは、車の外装をリフレッシュして長く愛用するための効果的な方法です。ただし、費用やリスクを考慮した上で慎重に業者の選定を行いましょう。サービスと費用の両方から信頼できる専門業者にオールペンを依頼すれば、より高品質な仕上がりが期待でき、長期的な満足感を得やすくなります。
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