雹害(ひょう害)による車の修理はどうする? 板金塗装で修理する方法を紹介
更新日:2025/01/28 | 公開日:2025/01/28
雹(ひょう)によって車がダメージを受けることを、雹害(ひょう害)と呼びます。雹による被害範囲は予測しにくく、車全体が被害に遭う可能性が高いです。
雹害による修理は、具体的にどのような方法を用いるのでしょうか。この記事では、雹害で車に受けた損傷を板金塗装で修理する方法を紹介します。
雹害(ひょう害)とは? 車への影響と損傷の特徴
雹害とは、雹が降ったときの被害のことです。雹による車への影響と、損傷の特徴を紹介します。
雹害とは?
雹害は降ってきた雹によって、車や作物が被害に遭うことです。
雹かどうかは氷の粒の大きさによって決まり、直径が5mm以上であれば、直径が5mm以下の場合はあられと定義づけられています。
雹は雷と共に積乱雲が発生する際にできます。一般的に発生しやすいのは、5〜6月や、10月頃です。地上が高温多湿な状況で上空に冷たい空気が流れると、空気が冷えて水ができます。水がさらに上空の冷たい空気に冷やされて氷の粒になることで、雹が発生するのです。
雹害は寒い地域で発生しそうなイメージですが、埼玉や群馬、千葉、茨城などの関東地方でも多数発生しています。
雹害による車への影響と損傷の特徴</h3>
雹によって、建物や作物以外に、車も被害に遭います。雹が直径5mmの場合、時速36km以上の勢いで落下し、また雹の大きさが直径50mmにもなれば、時速は115km以上にもなります。大きな氷が時速100km以上のスピードで落下してくるのはかなりの威力があり、被害も大きくなる可能性が高いでしょう。
直径5mmでも時速36km以上の速度になる氷の粒が大量に降ると、屋根のない場所に駐車している車や走行中の車は、ルーフやボンネット、ボディーに傷やへこみが大量にできる可能性があります。
雹害による車への影響として、大量にえくぼのようなへこみや傷ができやすい傾向にあります。損傷範囲も広範囲に及ぶことが特徴で、塗装面への擦り傷や割れ、窓ガラスのひび割れなどが発生するケースも多いです。
雹害車とは?
一般的に、空から雹が降ったことによって被害に遭った車を「雹害車」と呼びます。多くの雹害車は、ルーフやボンネットに損傷を受けていることが多いです。
障害物にぶつかってできるへこみや傷と比べて、雹害車の場合は被害範囲が広いことに加え、被害箇所も多いという特徴があります。雹によるへこみや傷の数が多いため、全て修復するとコストがかかる可能性が高いです。
そのため中古の雹害車の中には、目立つ箇所のみを修理して低価格で販売しているものもあります。
雹害(ひょう害)修理の方法と選択肢

実際に車が雹害に遭ってしまった際の修理方法や、考えられる選択肢を紹介します。
板金塗装
雹害に遭った際の選択肢として、板金塗装が考えられるでしょう。板金塗装は一般的な修理方法で、傷ができた箇所を直接加工し、再塗装を行います。
へこんだ箇所は塗装を剥がし、パテ入れをしてへこみを埋め、埋めた箇所ごとに再塗装して仕上げる方法を取るのが一般的です。
板金塗装の場合、対応可能な範囲が広いことが多いため、被害範囲が広い雹害でも比較的きれいに仕上がるでしょう。
広範囲のへこみや傷にも対応可能な上、損傷部分にひび割れや剥がれが起きているケースでも修理しやすいです。
パーツ交換
パーツ交換も雹害を受けた車の修理方法として考えられます。パーツ交換では文字通り、雹によって受けたへこみや傷が付いたルーフやボンネットなどを新品と交換します。
雹が原因のへこみは数が多く広範囲に及ぶことが多いため、一つひとつ修理するよりも、パーツを丸ごと交換する方がコストを抑えられる可能性があるでしょう。特にルーフ部分は板金やパテ入れによる修理が難しいケースがあるため、修理ではなく交換するのが一般的です。
ボンネットのように取り外しが可能な部分の場合は、パーツ交換をしても修復歴には含まれません。しかしルーフのように他のパーツに溶接されているものの場合は、交換によって修復歴ありとなるため、売却時の査定価格低下につながってしまう恐れがあります。
デントリペア
デントリペアとは、雹害によってできた軽いへこみを専用工具で裏側から押し戻し、復元する修理方法です。塗装を剥がさず、生かした状態のまま修理可能です。板金塗装とは異なり、パテ入れや再塗装をせずにへこみを直します。
デントリペアの工法は雹害の多いヨーロッパの自動車メーカーによって考案・活用されてきました。
デントリペアでは「デントツール」という特殊な専用の工具を使用します。デントツールを使用して損傷部分を裏側から押し出すように力を加えることで、へこみを目立たなくなるように修復が可能です。
パーツを交換しなくても修理できるため、交換による修復歴を付けずに済む上、メーカーオリジナルの塗装をキープできます。
しかし10cm以上の大きなへこみやひび割れ、剥がれが起きている金属・アルミ部分以外の損傷には対応できません。デントツールが入らずデントリペア修理で対応できない場合は、へこみを引っ張り上げる工法も同時に行って修正を試みます。
雹害(ひょう害)修理にかかる費用相場
雹害を受けた車を修理する費用相場を、修理方法別に解説します。ただし、修理箇所や依頼する業者によっても費用は大きく変わるため、依頼する前に見積もりを取っておくことをおすすめします。
板金塗装
板金塗装の費用相場は、5cm以下の小さなへこみの場合、約4万~6万円になると考えておきましょう。修理にかかる期間は、2日~1週間程度が目安です。
パーツ交換
パーツ交換をする場合、5cm以下の小さなへこみであっても2万~10万円以上かかります。修理期間は2~3週間程度かかることもあるため、長めに考えておくと良いでしょう。
デントリペア
デントリペアで5cm以下の小さなへこみを直す場合の費用相場は約1万~2万円、5~10cm程度のへこみの場合は約2万~4万円になるケースが多いです。修理に要する期間は1~5日程度と、他の修理方法と比べて短い傾向にあります。「一カ所の修理につき~○○円」という金額設定が多く、へこみの数が多いと費用が高額になる可能性があるため、注意が必要です。
雹害(ひょう害)発生後の注意点と予防策
雹害が発生した後に注意すべき点と、予防策を紹介するので参考にしてみてください。
車の状態をよく確認
雹害の確認は正面からだけでなく、さまざまな角度からよく見ることが大切です。ルーフやボンネット以外にも、横風にあおられた雹がドアやボディーなどの側面に当たってへこみができるリスクも頭に入れておきましょう。
なお、雹が降るのは大気の状態が不安定で、嵐が発生しているような悪天候であることが多いです。車の状態を見る際は、確認の際にけがをしないようまずは安全を確保しましょう。安全性を確認し、車の状態をチェックできる状況になってから行ってください。
加入車両保険の確認と対応
雹害を受けた場合、任意保険に加入していれば車両保険が適用されます。費用負担を軽減できるため、任意保険に加入しておくと安心でしょう。
ただし、雹害は「飛来中または落下中の他物との衝突」という扱いになるため、事故有係数適用期間が1年加算されます。翌年の等級が1つダウンするため、保険料が値上がりしてしまうことを留意しておく必要があります。
修理に通常より時間がかかる場合がある
雹が局地的に降った地域では、地域の修理工場に修理依頼が集中しやすいです。その理由は、雹の場合、屋根がない駐車場に停めている車の多くが被害に遭うためです。
雹害による車の修理を依頼する際は、近隣地域から修理依頼が同時期に殺到する可能性がある上、作業内容の煩雑さも相まって作業期間が延び、通常の修理よりも時間がかかることを覚悟しておきましょう。
雹害の予防策
雹は前触れなく局地的に降るため、なかなか予防や防止がしにくいです。
一般的には、大気が不安定な初夏や初冬に起きる可能性が高く、また天気予報で「雷」「積乱雲が発達」「突風」が予測されているときに発生する確率が高まります。雹が降りやすい時期や条件を知っておくだけでも、屋内に車を移動したり、屋外の場合はカバーをかけたりなど工夫ができるでしょう。
また走行中に雹が降ってきた場合は、屋根のある駐車場に入る、できる限り屋内に車を停めるなど対策を講じることが可能です。地下駐車場や立体駐車場を一時的に利用して雹害を避けるのも有効でしょう。
雹害(ひょう害)に板金塗装修理がおすすめな理由

雹害に遭った際に、板金塗装がおすすめな理由をまとめて紹介します。板金塗装を検討する際の参考にしてください。
傷が浅い場合はDIYによる自己修理も可能だが……
雹によるダメージが比較的小さく、へこみや傷が浅く済んだ場合は、コンパウンドやタッチペン、ドライヤーなどを利用して、DIY修理も可能です。ただし、雹害はぱっと見では、へこみに気が付かなくても、じっくり見てみると小さいへこみや傷が多くできているケースも多いです。
塗装の一番上にあるクリア層に傷が入っていたり、下の塗装にも影響していたり場合があります。放置しておくと劣化につながる可能性があるため、へこみや傷を見つけた場合は早めに修理しましょう。
ボディーの金属部分に多くのへこみや傷ができた場合は、素人ではきれいに修理するのが難しい可能性が高いため、専門業者に依頼するのがおすすめです。
損傷が広範囲なら板金塗装
板金塗装は修復できる範囲が広範囲です。対応できる修理の幅も広く、傷からへこみ、ゆがみまで依頼可能なのも特徴だといえます。
前述した通り、雹害を受けた車にデントリペアを施そうとする場合は、板金塗装よりも費用が高額になるケースがほとんどのため、注意が必要です。
またパーツ交換で対応する場合、場所によっては車に修復歴が残ってしまいます。将来的に車の売却を検討している方は、パーツを丸ごと交換しなければいけない場合を除き、むやみにパーツ交換することは避けましょう。
広範囲に雹害を受けた場合は、車全体を一度に修理できる板金塗装がおすすめだといえます。
まとめ
雹害は天気によって左右されてしまうため、なかなか予測しにくく対策を講じにくいです。空から5mm以上の氷の粒が降ってくるため、屋外に車を置いている場合の被害は不可避でしょう。損傷も広範囲に及ぶケースがほとんどなため、広範囲の修理に対応している板金塗装を検討してみてください。
池内自動車ならディーラーや他の競合板金業者よりも、雹害による修理を安く早く仕上げられます。傷の規模や大きさにもよりますが、3,300円から対応しているので、一度無料の見積もりをご検討ください。車の状態を写真に撮ってWebサイトの見積もりフォームから送付していただくだけで、見積もりと申し込みが簡単にできます。ぜひお気軽にお問い合わせください。
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