【タイヤが縁石に擦れた!】すぐに確認すべき損傷と危険なサイン|対処法・費用
更新日:2026/01/16 | 公開日:2026/01/16
「あっ!」と思った瞬間、タイヤがゴリッと嫌な音を立てて縁石に擦ってしまった…。そんな経験はありませんか? 駐車時や狭い道でのすれ違いなど、誰にでも起こりうるハプニングです。見た目はかすり傷程度でも、実はタイヤの内部に深刻なダメージが及んでいる可能性も。最悪の場合、走行中にバースト(破裂)する危険性も否定できません。
この記事では、タイヤが縁石に擦ってしまった際に、まず確認すべきこと、どのような損傷が危険なのか、そしてどう対処すれば良いのかを、車のプロが分かりやすく解説します。この記事を読めば、あなたの愛車の状態を正しく把握し、安心して運転を続けるための知識が身につきます。
タイヤが縁石に擦れた!どんなダメージがあるの?
「あっ!」と気づいた時にはもう遅く、タイヤが縁石にゴリッと接触してしまうことがあります。この時、タイヤには一体どのようなダメージが加わっているのでしょうか。見た目には軽微な傷に見えても、実は深刻な問題が潜んでいるケースも少なくありません。ここでは、縁石との接触によって生じやすい具体的なダメージの種類と、それぞれの危険性について詳しく見ていきましょう。

タイヤ側面(サイドウォール)の傷
タイヤの側面、いわゆる「サイドウォール」は、地面と直接接するトレッド面とは異なり、比較的薄く柔軟なゴムでできています。そのため、縁石に擦れると傷つきやすいデリケートな部分です。サイドウォールにできる傷には、主に以下のようなものがあります。
- 浅い擦り傷: 表面のゴムがわずかに削れた程度で、内部の構造体(カーカス)にまで達していない傷。見た目は悪いですが、すぐに危険な状態につながることは少ないです。
- 深いえぐれや亀裂: ゴムが深くえぐれていたり、亀裂が入っていたりする傷。内部のカーカスコードが見えている場合は、タイヤの強度が著しく低下しているため非常に危険です。
サイドウォールに傷がつくと、そこから水分が浸入してタイヤ内部のコード層が劣化したり、走行中の衝撃で亀裂が拡大したりするリスクがあります。少しでも深い傷や、内部が見えるような傷がある場合は、専門家による点検が不可欠です。
ピンチカットとは?バーストの危険性
縁石に強く打ち付けた際に最も注意すべき損傷の一つが「ピンチカット」です。これは、タイヤが縁石とホイールの間に挟まれ、内部のコード層が切れてしまう現象を指します。外見上はサイドウォールの一部がコブのように膨らんで見えるのが特徴です。
ピンチカットが発生すると、タイヤの構造を支える重要なコード層が損傷しているため、その部分の強度が極端に低下します。特に高速走行中や段差を乗り越える際など、タイヤに大きな負荷がかかった瞬間に、コブの部分からタイヤが破裂する「バースト」を引き起こす可能性が非常に高く、重大な事故につながる恐れがあります。ピンチカットは、外からは見えにくい場合もあるため、縁石に強く打ち付けた経験がある場合は、念入りにサイドウォールを点検し、少しでも異変を感じたらすぐに専門家に見てもらうことが重要です。
ホイールや車体下部への影響
縁石との接触はタイヤだけでなく、ホイールにもダメージを与えることがあります。多くの場合、ホイールの表面に擦り傷やえぐれが生じますが、強い衝撃が加わるとホイール自体が歪んだり、ひび割れたりする可能性もあります。ホイールの歪みは、走行中の振動やハンドルのブレの原因となり、最悪の場合はタイヤが適切に保持されず、安全性に影響を及ぼします。
さらに、縁石への強い衝撃は、タイヤやホイールだけでなく、車の足回り全体に影響を及ぼすことがあります。特に、タイヤの取り付け角度である「アライメント」がずれてしまうケースです。アライメントが狂うと、タイヤの偏摩耗(特定の箇所だけが異常にすり減る現象)を引き起こし、タイヤの寿命を縮めるだけでなく、直進安定性の低下や燃費の悪化、運転時の違和感につながります。縁石に強く接触した後は、タイヤとホイールの状態だけでなく、車の走行フィーリングにも注意を払い、異変を感じたら専門家による点検を受けるようにしましょう。
自分でできる!縁石に擦った後の確認方法
タイヤが縁石に擦れてしまったら、まずは落ち着いてご自身で状態を確認することが重要です。ここでは、具体的にどのようなポイントをチェックすれば良いのかを解説します。
傷の深さと状態の見極め方
タイヤの傷が表面的なものなのか、それとも内部にまで達する深い損傷なのかを見極めるには、以下のポイントを慎重に確認しましょう。
まず、目視でタイヤの側面(サイドウォール)全体をよく観察してください。浅い擦り傷や汚れであれば、タイヤのゴムが少し削れたり、縁石の色が付着している程度で、深くえぐれている様子はないはずです。次に、傷の部分を指で軽く触れてみましょう。もし、ゴムがめくれていたり、指の腹が引っかかるような深い溝がある場合は、単なる表面的な傷ではない可能性があります。特に、タイヤの縦方向に入った深い亀裂や、コード層(タイヤの骨格を成す繊維)が見えている場合は、非常に危険な状態です。
確認すべき危険なサイン
目視や触診で確認できる、特に注意が必要な危険なサインには以下のようなものがあります。これらのサインが見られた場合は、速やかに専門家(ディーラー、整備工場、タイヤ専門店)に相談してください。
- ピンチカットによるコブや膨らみ: タイヤのサイドウォールに、内側から押し出されたようなコブや膨らみが見られる場合、これは「ピンチカット」と呼ばれる現象です。タイヤ内部のコード層が損傷し、空気圧に耐えきれなくなっているサインであり、走行中にバーストする危険性が極めて高いため、直ちに走行を中止し、専門家に見てもらう必要があります。
- コード層の露出: ゴムが深くえぐれて、タイヤ内部の繊維状のコード(カーカス)が見えている状態です。タイヤの強度が著しく低下しており、いつ破裂してもおかしくない非常に危険な状態です。
- 空気漏れの音や視認できる空気圧の低下: 傷口から「シュー」という空気漏れの音が聞こえたり、短時間でタイヤの空気圧が明らかに低下している場合は、タイヤがパンクしている可能性があります。そのまま走行すると、タイヤの損傷がさらに進行し、ホイールまでダメージが及ぶこともあります。
- 走行中の異常な振動や異音: 縁石に擦った後、走行中にハンドルがぶれたり、車体全体に異常な振動が伝わってきたり、普段とは違う異音(ゴーというロードノイズの増大など)がする場合は、タイヤの変形やホイールの歪み、あるいはアライメントのずれが原因である可能性があります。これも安全な走行を妨げる重大なサインです。
縁石に擦った後の対処法:修理?交換?
タイヤを縁石に擦ってしまった場合、損傷の程度によって対処法が大きく異なります。見た目の軽微な傷でも、走行に影響を及ぼす可能性もあるため、適切な判断と対処が重要です。
軽微な傷の場合
タイヤの表面にごく浅い擦り傷や汚れが付着した程度であれば、ご自身で対処できるケースもあります。例えば、柔らかい布と中性洗剤で汚れを拭き取ったり、市販のタイヤクリーナーを使用したりすることで目立たなくできるでしょう。また、ホイールに浅い擦り傷ができた場合も、市販の傷消し剤やタッチアップペンで目立たなくすることが可能です。
ただし、これらの対処はあくまで見た目の問題であり、タイヤの構造に影響がないことが前提です。少しでも傷が深いと感じたり、不安を感じたりする場合は、自己判断せずに専門家へ相談することをおすすめします。
重大な損傷が見られる場合
以下のような重大な損傷が見られる場合は、安全のため速やかにタイヤ交換が必要です。
- サイドウォールの深い傷やえぐれ: タイヤの側面(サイドウォール)は最も薄く、走行中の負荷がかかりやすい部分です。深い傷やえぐれはタイヤの内部構造にダメージを与え、バーストのリスクを高めます。
- ピンチカット(コブ状の膨らみ): タイヤの内部にあるコード層が切れることで、サイドウォールにコブ状の膨らみができる現象です。非常に危険なサインであり、いつバーストしてもおかしくない状態です。
- コード層の露出: タイヤのゴムが剥がれて内部の繊維(コード層)が見えている状態は、タイヤの強度が著しく低下しているため、交換が必須です。
- 空気漏れ: 縁石との接触でタイヤに穴が開き、空気漏れを起こしている場合は、パンク修理で対応できることもありますが、損傷箇所や程度によっては交換が必要となります。
これらの症状が見られる場合は、無理に走行を続けず、ディーラー、整備工場、またはタイヤ専門店に連絡し、安全な方法で点検・交換を依頼してください。

ホイールの傷やアライメントのずれ
タイヤだけでなく、ホイールも縁石に接触して傷つくことがあります。ホイールの傷は、軽微なものであれば見た目の問題に留まりますが、深くえぐれていたり、変形していたりする場合は、タイヤとの密着性が損なわれたり、走行中のバランスに影響が出たりする可能性があります。特に、アルミホイールは衝撃に弱いため、目に見える変形がなくても内部に亀裂が入っていることもあるため注意が必要です。
また、縁石に強く衝突した衝撃で、車の「アライメント(タイヤの取り付け角度)」がずれてしまうこともあります。アライメントがずれると、以下のような症状が現れることがあります。
- ハンドルがまっすぐな状態で車が左右どちらかに流れる
- 走行中にハンドルが取られる感じがする
- タイヤの片側だけが異常に摩耗する(偏摩耗)
このような症状が見られる場合は、アライメント調整が必要です。放置すると、タイヤの寿命を縮めるだけでなく、燃費の悪化や走行安定性の低下にもつながるため、早めに専門家に見てもらいましょう。
タイヤ交換や修理にかかる費用の目安

タイヤを縁石に擦ってしまい、修理や交換が必要になった場合、どのくらいの費用がかかるのかは気になるポイントでしょう。損傷の状態や修理内容によって費用は大きく異なりますが、ここでは一般的な目安をご紹介します。
| 項目 | 費用の目安 | 備考 |
|---|---|---|
| パンク修理(外面修理) | 1,000円~3,000円程度 | 釘などが刺さった程度の軽度なパンクで、タイヤの外面から修理する場合。 |
| パンク修理(内面修理) | 2,000円~5,000円程度 | タイヤをホイールから外し、内側から補修する場合。外面修理よりも確実性が高い。 |
| タイヤ1本交換 | 5,000円~30,000円程度 | タイヤの種類(メーカー、性能、サイズなど)によって大きく変動します。別途、交換工賃、廃タイヤ処分料がかかります。 |
| タイヤ4本交換 | 20,000円~120,000円程度 | 4本同時に交換する場合。工賃、廃タイヤ処分料込みでセット価格が設定されていることもあります。 |
| ホイール修理 | 5,000円~30,000円程度 | 軽度なガリ傷であれば修理可能ですが、深い傷や変形は交換が必要になります。 |
| ホイール交換 | 10,000円~数十万円 | デザインや素材、ブランドによって価格帯が非常に広いです。 |
| アライメント調整 | 10,000円~20,000円程度 | 縁石に強くぶつかった場合などに、車の走行性能を適正化するために行います。 |
上記はあくまで目安であり、依頼する店舗(ディーラー、カー用品店、タイヤ専門店、整備工場など)や地域によっても費用は変動します。複数の店舗で見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。また、タイヤの保証サービスに加入している場合は、適用されるかどうかも確認しておきましょう。
今後、縁石に擦らないための予防策
「もう二度と縁石に擦りたくない」と誰もが思うはずです。少しの意識と工夫で、タイヤを縁石から守り、安全なカーライフを送ることができます。ここでは、具体的な予防策を2つの側面からご紹介します。
運転時の注意点
縁石との接触は、多くの場合、不注意や確認不足から発生します。以下の点に注意して運転することで、リスクを大幅に減らすことができます。

- 狭い道でのすれ違いや駐車時: 縁石との距離を常に意識し、焦らずゆっくりと操作しましょう。特に、バックでの駐車時は、サイドミラーだけでなく、可能であれば直接目視で確認したり、バックモニターを活用したりするのも効果的です。
- カーブを曲がる際: 交差点や曲がり角では、内輪差に注意が必要です。内輪差とは、前輪と後輪が描くカーブの半径が異なる現象で、後輪が前輪よりも内側を通ります。これを意識せず曲がると、後輪が縁石に乗り上げてしまうことがあります。少し大回りに曲がる意識を持つと良いでしょう。
- 適切な速度調整: スピードを出しすぎると、とっさの判断や修正が間に合わず、縁石に接触するリスクが高まります。特に、見通しの悪い場所や、道幅が狭い場所では、速度を落として慎重に運転することが大切です。
タイヤのメンテナンス
日頃のタイヤメンテナンスも、縁石による損傷リスクを軽減するために非常に重要です。
適正な空気圧を保つことは、タイヤの性能を最大限に引き出すだけでなく、縁石などとの接触時の傷つきやすさにも影響します。空気圧が低いとタイヤのたわみが大きくなり、縁石に擦った際にサイドウォールへの負担が増加し、損傷しやすくなります。月に一度は空気圧をチェックし、車種指定の適正値に調整しましょう。また、定期的にタイヤの溝の深さやひび割れ、異常な膨らみがないかを目視で点検することも大切です。劣化や損傷が見られる場合は、早めに専門家へ相談し、必要に応じて交換を検討してください。
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