車の塗装劣化による色褪せや塗装はがれを復活させる方法を解説
愛車に長く乗っていると経年劣化によって、色褪せたり塗装がはがれたりするケースがあります。まだ乗れる状態なら、塗装だけをきれいに復活させたいと考える人もいるでしょう。
この記事では、車の塗装が劣化してしまう原因や、ダメージを復活させる方法を解説しています。塗装の劣化による色褪せや塗装はがれを直したいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
車の塗装が劣化する原因
車の塗装は経年劣化により、はがれてしまうことがあります。また光沢が失われて表面がザラザラしたり、色褪せたりする場合もあります。
年々塗料の品質が向上しているため、以前より塗装は劣化しにくくなっているものの、経年劣化によるダメージは避けられません。ただし車の保管状況やボディカラー、お手入れの仕方で、ある程度は塗装の劣化を予防することが可能です。
次に車の塗装を劣化させるさまざまな外的要因の中から、主な原因を紹介します。適切な対応ができるよう、劣化の原因を抑えておきましょう。
紫外線による劣化
紫外線は車の塗装が色褪せしてしまう大きな原因の一つです。通常車は何層にも塗装されているため、簡単に外からの影響を受けることはありません。
しかし長期間に渡り紫外線を浴び続けることで、チョーキング(白亜化)と呼ばれる現象が起こります。
チョーキング現象とは、紫外線により車の塗装の中で最も表面にあるクリア層が劣化することで、カラー部分にまでダメージが及び、白い粉を吹いて光沢を失うことで色褪せてしまう現象です。
生産から10年以上経過した車で起こり得る現象ですが、中でも黒や濃紺などボディの色が濃い車の場合は目立ちやすいため注意が必要です。
水滴や水垢による劣化
洗車時に使用する水道水や、雨に含まれるミネラルやカルキなどの残留物が車に付着することも、色褪せにつながります。
ミネラルを含んだ水滴を車のボディに付けたまま放置すると、水だけが蒸発し、ミネラル分が残って「イオンデポジット」と呼ばれる白い水玉状のシミになります。
イオンデポジットが悪化すると「ウォータースポット」と呼ばれる、クレーター状のへこみになってしまうケースもあるため、注意が必要です。ウォータースポットが発生してしまうと、車体を研磨しなければきれいに復元できません。
また洗車後に十分に水滴を拭き切れていないと、残った水滴がレンズのようになり、塗装を焼き付けてしまうリスクも生じます。洗車時には、なるべく水滴が残らないように、拭いた後はチェックすることが重要です。
花粉・鉄粉などによる劣化
花粉や鉄粉も車の塗装を劣化させる原因の一つです。他にも付着物によって劣化が進行してしまうケースがあります。
花粉にはペクチンという物質が含まれており、水に濡れることで粘着性を持つという性質を持っています。花粉が積もった車に雨が降り注ぐことで、花粉がしっかり付着するとシミになってしまうため注意しましょう。
鉄粉や泥などによる汚れを放置することも、酸化を起こし、塗装がサビたりはがれたりするきっかけになります。
酸が含まれる木の実や鳥の糞などの放置も、車の劣化を引き起こす原因の一つです。
他にも排気ガスや埃、塵も塗装に対してダメージを与えてしまう場合があります。定期的に洗車し、車の塗装をできるだけ長くきれいな状態に保つとベターです。
しかしセルフ洗車によってスクラッチキズを付けてしまったり、セルフでのワックス加工により付着した汚れが同化して光沢の低下につながったりする場合もあるので、セルフケアは気を付けて行いましょう。
車の塗装劣化を放置しておくリスクと劣化防止対策
車の塗装を劣化させる原因を放置すると、色がかなり褪せてしまう可能性が生じます。状態が悪化することで、最終的には塗装がはがれてしまうケースもあるため注意が必要です。
車の塗装劣化を放置することで生じるリスクを紹介します。劣化を予防する対策も解説するので、車をきれいに長く乗るための参考にしてみてください。
サビの発生のリスク
ドアパンチや障害物への接触などで、車にへこみやキズができると、防サビ加工されている塗装までしっかりはがれてしまうことがあります。この場合、どれだけ塗装のはがれが小さくても、はがれた箇所から水分や汚れが侵入することでサビが発生するので注意が必要です。
サビが発生した箇所から徐々に車の内部に腐食が広がることで、状態が悪化してしまうケースもあります。サビが広がることで、修理費用も高額になってしまうため、へこみやキズによる塗装はがれは放置せず、すぐに修理を行いましょう。
査定評価が下がる
車を査定に出す際、塗装はがれを放置することで評価が下がってしまうリスクがあることに留意してください。評価の低下に伴って査定額も下がってしまうため、売却時に損をする可能性も出てきます。
また色褪せや塗装のはがれを放置していると、周囲の人に車を見られた際にだらしない印象を与えてしまう場合があります。周囲の人からの信頼が下がることにも注意が必要です。
査定や周囲からの評価を下げないためにも、色褪せや塗装はがれを見つけたらすぐに修理をした方が良いでしょう。
塗装の劣化防止対策
車の塗装の劣化を防ぐためには、車の保管方法にこだわることも重要です。ガレージや車のカバーを使用して保管することにより、紫外線や雨、花粉などの外的要因から物理的に車を遠ざけられます。
ボディコーティングを定期的に実施することも有効です。塗装の上にコーティングを重ねることで、ボディを外的要因から守れる上光沢も出せるため、メンテナンスの行き届いた車だという印象を与えることが可能です。
小まめに洗車を行うことも花粉や鉄粉、鳥の糞などによる劣化を防ぐことにつながります。前述の通り、洗車後はきちんと水分を拭き取るよう心がけてください。
車の塗装を復活させる方法
色褪せや塗装はがれなどによる塗装の劣化を復活させ、見た目を改善させる方法を紹介します。塗装の劣化が気になるときは参考にしてみてください。
カラーワックスで復活
車の塗装が色褪せた場合は、カラー顔料が含まれているカラーワックスを使用すれば、一時的ですが見た目をかなり改善できます。
カラーワックスに含まれるカラー顔料が細かいキズであれば埋められるため、目立たなくすることが可能です。また色褪せに対しても、カラーワックスを上から塗ることで鮮やかなボディカラーを復活させられます。
カラーワックスに含まれているカラー顔料は、大きく分けて白・黒といった色系統に分けられます。 実際の車のカラーナンバーと同じではなくても、同じ系統の近い色であれば使用可能です。特に難しい技術は必要ないため、手軽に施工できます。
ただしカラーワックスの効果は永久的ではなく一時的であるため、定期的に塗る必要がある点に注意が必要です。
コーティングで復活
ワックスよりも耐久性のあるコーティングを使用すると、劣化した塗装をかなりしっかり復活させられます。
塗装の一番上をコーティングで覆うことで外的要因から車の塗装を守れる上、光沢も出せるので色褪せや小さなキズが目立ちません。
市販のコーティング剤を使用し、セルフでコーティングを施すことも可能です。ただしきれいに仕上げるためには、入念な下地処理が必要になります。
技術に自信がない場合や、クオリティを求める場合はプロに施工を依頼した方が良いでしょう。しっかり丁寧に下地処理をしてくれるため、コーティングを塗った後は塗装が復活し、車本来の輝きを取り戻せるはずです。
再塗装で復活
塗装が大きくダメージを受けているのであれば、カラーワックスやコーティングを自分で塗るだけではきれいに復活させられない可能性が高いです。再度塗装し直すことでしか、塗装の復活はかないません。
再塗装が必要な状態の目安として、「塗装がはげていて下地が見えている状態」が挙げられます。防サビ加工や研磨などの専門的な対応が必要になるため、素人が直すのは難しいでしょう。
またへこみやキズの度合いによっては、塗装する前に板金修理が必要になるケースもあります。
ダメージ箇所が狭い場合は、部分的に塗装することも可能です。しかし広範囲にダメージが及んでいる場合は、全体的に塗装する必要があるため、プロへの依頼を検討してみてください。
再塗装をプロに依頼するか迷ったら
車の塗装に関して専門的な知識や技術があれば、DIYに挑戦して成功するケースもあります。しかし下地処理をはじめとする、さまざまな工程をしっかり施さないと、すぐにひび割れたり、塗装がはがれたりしやすくなります。余計にダメージが大きくなってしまうケースもあるので、素人に再塗装はかなり難しいでしょう。
また色ムラができてしまうことで、満足のいく仕上がりにならないというリスクも存在します。特にメタリックカラーやパールカラーの車の場合は、塗装に一定の技術が必要です。
修理費用を抑えるためにDIYしたにもかかわらず、かえって余計な費用がかさんでしまう可能性もあります。きれいに塗装できるか不安がある場合は、はじめからプロに依頼した方が良いです。
クリア層以下にキズが入っている場合
クリア層以下にキズやへこみなどのダメージが及んでいる場合は、プロに修理をお願いするのがおすすめです。
一般的に車の塗装は、下地層・カラー層・クリア層の順番で下から塗装されています。一番上のクリア層よりも下のカラー層・下地層にダメージが及んでいる場合は、防サビ加工のような下地処理をしてから塗装する必要があるので、素人では修理が難しい可能性が高いです。
素人による修正はさらにダメージが大きくなる場合もあるので、キズが深い場合の修理と再塗装はプロに依頼をするのが良いでしょう。
塗装はがれ修理や再塗装の相場
塗装はがれの修理や再塗装にかかる費用は、ディーラーやカーショップ、板金業者など、どこに頼むかによって変わります。
ダメージ箇所を部分的に塗装するか、全体的に塗装するかによっても料金が大きく異なるため、塗装する範囲もあらかじめ把握しておきましょう。
ここではバンパーの部分塗装と全塗装に分け、各業者の費用相場を紹介します。再塗装を業者に依頼しようか検討する際は、ぜひ参考にしてください。
バンパー部分塗装 | バンパー全塗装 | |
ディーラー | 30,000円~60,000円 | 50,000円~100,000円 |
カーショップ | 15,000円~40,000円 | 35,000円~70,000円 |
板金業者 | 10,000円~30,000円 | 25,000円~50,000円 |
※自社調べ
まとめ
車の塗装が劣化したときは、さらに悪化するのを防ぐためにも早めに対応することが大切です。色褪せや塗装はがれなど、ダメージの範囲や程度によってはプロへの依頼が必要な場合もあるため、まずは業者に見積もりを取りましょう。
板金業界で業界最安級の池内自動車なら、色褪せや塗装はがれが生じている箇所の写真を送るだけで簡単見積もりができます。土日祝日を含め、夜20時まで営業し、さまざまなお客さまのニーズに応えられる体制を整えているのも特徴の一つです。
小さなキズの再塗装であれば、3,300円から復活できます。セルフで塗装を復活させられるか不安な場合は、ぜひお気軽にお問い合わせください。
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