中古車を買う前に見ておきたいボディのチェックリスト|板金屋が「あとで費用が出る場所」として見る7か所

更新日:2026/10/06 | 公開日:2026/10/07

車修理の豆知識

中古車を買う前に見ておきたいボディのチェックリスト|板金屋が「あとで費用が出る場所」として見る7か所

気になっていた中古車の現車を見に行く日。写真で見ていたときよりきれいに見えて、一周まわって、ドアを開けて、シートに座ってみる。そのまま話が前に進んでいきます。

このときボディのどこを見ればよいのかは、案外決めづらいところです。傷を探そうとすると、どうしても目線の高さの面ばかりを見てしまいます。ところが買ったあとに費用がかかるのは、目線から外れた低い場所や、塗装の表面に出ている変化であることが多いのです。

板金塗装を扱っている立場から、中古車のボディを見るときに私たちが見ている場所を、チェックリストの形でまとめました。修復歴があるかどうかを当てにいく話ではありません。これから直すことになりそうな箇所を、買う前に把握しておくための見方です。

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板金屋が中古車を見るとき、探しているのは「これから費用が出る場所」

中古車のボディを見るというと、まず思い浮かぶのは「事故を起こしていないか」「直した跡がないか」という関心だと思います。もちろんそれも大事な視点です。

ただ、修理を請け負う側として車を眺めていると、意識はもう少し別のところに向きます。この車はこの先どこから傷むのか、いま出ている症状は放っておくと進むのか、直すとしたらどこまで手が入るのか。見ているのは、車の来歴よりもこれから先の話です。

過去の修理跡を見抜く手がかりについては、色とツヤの差やパネルの隙間の見方を板金塗装した跡を自分で見分ける7つの方法で詳しく扱っています。この記事ではそちらに立ち入らず、購入後の出費につながる箇所に絞ります。

2つは似ているようで、見る場所が違います。修復歴は過去の痕跡なので、塗装の境目やボルトといった「作業の跡」に出ます。これから出る費用は、サビ・塗膜の劣化・樹脂やゴムの傷みのように、時間の経過そのものに出ます。

見る条件と順番を決めておくと、10分ほどで一周できる

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現車を見る時間はそう長く取れません。だからこそ、見る順番をあらかじめ決めておくと取りこぼしが減ります。

条件で結果が変わるのはボディの見方も同じです。屋根のある展示場の照明の下では、つやの落ちや細かい傷がほとんど分かりません。可能であれば屋外の明るい場所で、車が乾いた状態のときに見せてもらってください。雨上がりやコーティング直後は、表面が濡れて症状が隠れます。

順番は下から上へ進めると効率がよくなります。

順番見る場所主に探すもの
1下回り・サイドシルサビ、塗膜のふくらみ
2タイヤハウスの内側とホイールアーチの縁サビ、めくれ
3屋根・ボンネット・トランクの上面つやの落ち、クリアのめくれ
4黒い樹脂パーツ・ゴム部品白化、ひび、硬化
5メッキのモール白い点、ふくらみ
6ドア・ボンネット・トランクの開閉収まり、引っかかり
7直してある箇所の縁浮き、膨れ

スマートフォンのライトと、写真を撮る許可があれば十分です。しゃがんで下から覗く場面があるので、汚れてもよい服装だと気が楽になります。

チェック1:下回りとサイドシルのサビは、見えている範囲で止まっていないことが多い

最初に見るのは、車の側面の下端にあたるサイドシルと、その奥の下回りです。ここは走行中に水と泥と小石を浴び続けている場所で、車のなかでもサビが出やすい部類に入ります。

しゃがんで、下から車体の縁を見上げてください。探すのは茶色い点そのものよりも、塗膜が細かくふくらんでいる箇所です。表面に出ている点サビは面積のとおりですが、塗膜がぷつぷつと浮いているなら、その下でサビが横に広がっています。

雪が降る地域で使われていた車や、海沿いで使われていた車では、この傾向がはっきり出ます。融雪剤や潮風の影響を受けた車は、下回りの状態が年式のわりに進んでいることがあります。産地はナンバープレートと車検証の履歴から推測できます。

点検の手順と、どこまで進んでいるかの見方は下回り・フロアパネルのサビはどこを見るかにまとめています。

修理という観点では、サビた塗膜を落として下地を作り直し、塗り直すところまでは板金塗装の作業のなかで扱います。一方、下回り全体に防サビの被膜を吹き付けるような施工は、それを専門に扱っている業者が得意とする領域です。実際の仕上がりは修理事例のページで確認できます。

チェック2:タイヤハウスの内側とホイールアーチの縁は、指でなぞって確かめる

錆で穴が開いたタイヤハウス

サイドシルの次は、タイヤの上を覆っているホイールアーチの縁と、その内側です。前より後ろのほうが泥をため込みやすく、症状も出やすくなります。

ハンドルをいっぱいに切ってもらうと、前輪の内側が見えるようになります。縁の折り返し部分を指で軽くなぞって、ざらついた手応えや塗装のめくれがないかを確かめてください。乾いた泥が固まって張り付いているなら、その下は長く湿っていたことになります。

この場所を挙げるのには理由があります。アーチの縁は板が二重に折り返されている構造で、内側から進んだサビは外から見えません。表に穴が出て初めて気づくころには、切って作り直す範囲が広がっています。費用が読みにくい代表格です。

ここで見つかったものは、値段の話に直結します。表面の点で止まっていれば通常の板金塗装の範囲ですが、縁に穴が空いていると手間が変わります。判断は実車を見てからになるので、気になったら写真を撮らせてもらってください。

チェック3:塗装は「つやの落ち」と「クリアのめくれ」を分けて見る

続いて上面です。屋根、ボンネット、トランクのふたは、日射しを一日じゅう受けている面で、車のなかでもっとも塗装が傷みます。真上からではなく、斜め横から低い角度で見ると変化が分かります。

見分けたいのは次の2つです。

- 全体が白っぽく曇って、つやが落ちている

- 一部が地図のような形でめくれ、境目に段差がある

前者はつやが失われている状態で、塗装の層そのものは残っています。後者は表面のクリア層が面で剥がれているので、塗り直しの対象になります。手元に水があれば濡らしてみてください。濡らしてつやが戻るなら前者、白い部分が変わらないなら層のほうに原因があります。

クリアの層がなぜ面でめくれるのかはクリア塗装の3つの役割とめくれる仕組みで扱っています。買う前に押さえておきたいのは、この2つで費用の桁が変わるという点です。磨いて足りるのか、塗り直しが必要なのかという見きわめが先に来ます。

屋根とボンネットは面積が大きいぶん、塗り直すとなると金額が上がります。上面の状態は、その車の保管環境がそのまま出ている場所でもあります。

チェック4:黒い樹脂とゴムの部品は、戻す手間が価格に出やすい

塗装されていない黒い樹脂パーツは、紫外線を浴び続けると白っぽく粉を吹いたようになります。バンパーの下部、ドアミラーの土台、ホイールアーチのふち飾り、車種によってはドアの下側まで樹脂が回っています。

見るときは、正面からではなく斜めから光を当ててください。黒が灰色に近づいていれば進んでいます。あわせて、ドアの窓枠にはまっているゴムと、開口部を囲っているゴムも押してみてください。硬く縮んでいたり、細かいひびが入っていたりすると、風切り音や水の侵入につながります。

白化した樹脂パーツについては、塗装して仕上げる方向で直すのが確実です。市販の艶出し剤で一時的に黒く戻す方法もありますが、戻り方には差があります。このあたりの考え方はバンパーの白化を長持ちさせる直し方で整理しました。

白化そのものは車の安全性を左右するものではありません。ただ、車全体の印象を決める面積を占めているので、気になるなら購入時点で費用を見込んでおくと後の判断が楽になります。

チェック5:メッキモールの白い点は、進み方によって選べる方法が変わる

窓枠を囲っている銀色のモールや、フロントグリルのメッキ部分も見ておきます。ここに白い点や粉のようなものが浮いていたら、表面の層で腐食が始まっています。

厄介なのは、初期の段階と進んだ段階で見た目があまり変わらないことです。うっすら曇って見える状態と、層が浮いて指で触ると引っかかる状態では、対処が別になります。指の腹でなぞったときに段差を感じるかどうかが、分かりやすい手がかりです。

進み方の段階と、それぞれで選べる方法はメッキモールの白い腐食の見分け方にまとめてあります。ここで注意したいのは、研磨剤で削って落とそうとすると悪化する場合があるという点です。買ってすぐ自分で磨くのは避けたほうが無難です。

チェック6:ドア・ボンネット・トランクは、閉めたときの収まりを見る

ここまでは表面の話でした。6つ目は動く部分です。運転席だけでなく、後ろのドア、ボンネット、トランクやバックドアまで、ひととおり開けて閉めてみてください。

見るのは3点です。閉めるときに引っかかりや異音が出ないか。押し込まないと閉まらない場所はないか。閉めたあとに片側だけ浮いていれば、収まりが崩れています。ゴムが均等につぶれているかどうかも参考になります。

ふた物の収まりは、過去の損傷が残っている場合にも、単にヒンジまわりがくたびれている場合にも崩れます。原因の切り分けは実車を見ないと決まりません。ここで修復歴の有無を突き止めようとすると時間を使うので、「開け閉めに支障があるかどうか」だけを持ち帰るのが現実的です。

なぜ収まりが崩れると開閉に影響するのかは板金塗装した跡を見分けるチェックのしかたでも隙間の見方として触れています。買う前の段階では、症状として出ているかどうかで足ります。

チェック7:直してある箇所は「面」ではなく「縁」を見る

最後は、すでに修理されている箇所です。中古車である以上、どこかに手が入っていることは珍しくありません。直してあること自体が問題なのではなく、その直しが今後どうなるかが関心事になります。

見るのは修理された面の中央ではなく、周囲の縁です。境目にわずかなふくらみがある、ふちに沿って細かい泡が並んでいる、塗装の下に点が透けている。こうした症状は、塗膜の下で何かが起きているサインです。

修理後に塗装が浮いたり膨れたりする原因と、経年劣化との切り分け方は修理後に塗装が浮く・膨れる原因で解説しています。買う前に見つけた場合は、販売店に状態を伝えて記録を残しておくと、あとの話が進めやすくなります。

見つけた症状は「進むもの」と「進みにくいもの」で分けて考える

車体の擦り傷を指でたどって確認している様子

7か所を見終えたら、出てきた症状を2つに仕分けます。判断の軸は、放っておくと広がるかどうかです。

分類該当する症状考え方
進むものサビ、クリアのめくれ、ゴムの切れ、開閉の不具合早めに手を入れたほうが結果的に安い
進みにくいもの浅い擦り傷、つやの落ち、樹脂の白化予算と相談しながら後から直せる

進むものは、待っている間に修理の範囲が広がります。サビが分かりやすい例で、点のうちなら部分的な処置で済んだものが、面になると板を作り直す話に変わります。

一方、浅い擦り傷や白化はそれ自体が別の場所へ広がるものではありません。購入直後にまとめて直すか、時間をおいて気になったときに直すかを選べます。購入後に気づいた傷をどう扱うかは中古車購入後の傷は直してもらえるかで扱っています。

なお、傷が査定額にどう響くかという観点は、売るときの話として車の傷は中古車査定額にどれくらい影響するかにまとめてあります。買う前の判断とは軸が違うので、分けて考えると整理しやすくなります。

気になる箇所が出たら、買う前に修理費の見当をつけておく

チェックリストで拾った症状は、金額に置き換えて初めて判断材料になります。池内自動車では損傷の種類とサイズで料金を決めているので、目安は事前に確認できます。

部位損傷10cm以内
バンパー等の樹脂パーツすり傷3,300円〜(税込)
バンパー等の樹脂パーツへこみ18,000円〜(税込)
ドア・フェンダー等の鉄板パーツすり傷25,000円〜(税込)
ドア・フェンダー等の鉄板パーツへこみ37,000円〜(税込)

バンパーのすり傷3,300円〜(税込)は10cm以内が対象で、クリア塗装までの浅い傷を想定した金額です。塗装が剥がれて下地が見えているえぐれ傷は別料金になります。車種やボディカラーによる割増はありません。外車でもパールでもメタリックでも同じです。

部位ごとの一覧は部位と損傷ごとの修理料金の目安にまとめてあります。複数箇所を直す場合、鉄板パネルを2枚以上まとめて修理すると割引の対象になります。割引率は最大10%で、樹脂パーツと交換部品を除いた合計額から引きます。

写真があれば金額の見当はその場で分かります。写真を送るだけの無料見積もりは60秒ほどで送信でき、原則10分以内に回答します。回答が10分を超えた場合は1,000円割引します。現車を見に行ったその日に、傷の写真から金額を確かめておくという使い方ができます。

写真を撮るときは、販売店に一声かけてからにしてください。傷そのものと、その傷を含む面全体の2枚があると判断しやすくなります。

よくある質問

Q. 販売店の点検記録や車両状態表があれば、自分で見なくても大丈夫ですか

記録は出発点として役に立ちます。ただ、状態表は主に傷やへこみの位置を示すもので、サビの進み具合や樹脂の白化まで細かく書かれているとは限りません。7か所のうち下回りと縁の2つだけでも自分の目で見ておくと、あとの見通しが変わります。

Q. ホイールのガリ傷も見ておいたほうがよいですか

見ておくと予算の見当が付きます。ホイールの補修は板金塗装とは別の専門が扱う領域なので、対応できるかどうかは依頼先に確認しておくと安心です。池内自動車はボディの板金塗装に専門を絞り、設備と人をそこに集中させています。ホイールを縁石に当てた車は、同じ側のフェンダーやドアの下側にも傷が付いていることがあるので、そちらもあわせて見てみてください。

Q. サビが見つかったら、その車は買わないほうがよいですか

出ている場所と進み方によります。表面の点サビが下回りに散っている程度なら、年数を重ねた車としては珍しくありません。塗膜が面でふくらんでいる場合や、縁に穴が空いている場合は、直す範囲が読みにくくなります。気になる状態を写真に撮って、先に金額を確かめてから判断するのが確実です。

Q. 購入前に車を触って確認してもよいものでしょうか

販売店に断ってから触るのが原則です。ドアの開け閉めや、しゃがんで下回りを覗くことを断る店はほとんどありません。指でなぞる確認をしたい場合も、ひとこと伝えてからにしてください。

Q. 買ってすぐに直すのと、しばらく乗ってから直すのとでは、どちらがよいですか

進む症状は早いほうが安く済みます。サビと塗膜の剥がれがこれに当たります。逆に浅い擦り傷は放置しても広がりにくいので、後回しにしても金額は大きく変わりません。1台のなかに両方ある場合は、進むものを先に処置して、残りをまとめて直すという分け方もできます。

池内自動車の板金塗装について

池内自動車はボディの板金塗装を専門にしている修理チェーンです。全国35店舗で、年間39,000台以上の修理を扱っています。

料金は損傷の種類とサイズで決まります。中古車を買ったあとの修理は複数の箇所がまとまって出てくることが多いので、最初に全体の金額が分かる形にしました。表面の傷であれば最短当日でお返しできます。

仕上がりを限界まで追い込むために時間と費用を積み上げることはしていません。新品同様ではありませんが、しっかり直ります。過剰にやらない代わりに、早く、安くお返しするという考え方です。全店年中無休で、夜20時まで受け付けています。

板金塗装で直しきれない大きな損傷は、新品または中古の部品と交換する形で対応しています。修理工賃(部品代を除く作業費用)が税込50,000円以上の場合は、無料引き取り・納車か代車の無料貸し出しのいずれか一方をご利用いただけます。

見積もりは写真を送るだけで完了します。来店での見積もりも無料です。出張見積もりは承っていないので、店舗までお持ち込みいただくか、写真をお送りください。無理な営業はしませんし、見積もりのあとにお断りいただいてもキャンセル料はかかりません。

まとめ

中古車のボディを見るときは、傷を探すのではなく、これから費用が出る場所を先に押さえておくと判断がぶれません。下回り、タイヤハウスの縁、上面の塗装、樹脂とゴム、メッキ、開閉、直した跡の縁。この7か所を下から上へ順にたどれば、10分ほどで一周できます。

見つかった症状は、進むものと進みにくいものに分けてください。サビと塗膜の剥がれは待つほど範囲が広がり、浅い傷や白化は急ぎません。全部を買う前に直す必要はなく、順番を決めておけば十分です。

気になる箇所があったら、現車を見たその場で写真を撮っておいてください。傷そのものと面全体の2枚があれば、金額の見当はすぐに付きます。あ、キズ直そ。60秒でお見積もりします。

読んだ内容で迷ったら、
写真を1枚送ってみてください。

傷の程度は写真を見れば判断できます。入力は60秒、回答は原則10分以内。
修理は最短当日で仕上がります。ご来店での見積もりも無料です。

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※バンパーのすり傷(10cm以内)3,300円〜(税込)/20cm以内 6,000円〜(税込)

監修者情報
株式会社イケウチ 技術部長 日守翔吾
株式会社イケウチ 技術部長
日守翔吾

大手中古車販売店で7年ほど経験を積んだ後、板金塗装に従事。工場長の経験を経て、2022年に株式会社イケウチに入社。豊富な経験を持ち、板金塗装を中心とした自動車修理業界に精通している。これまでに10,000台以上の車両修理を監修し、お客様からの信頼も厚い。

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