車に傷が付いた! 自分でできる傷消しの方法と注意点

板金塗装全般

どれほど大事にしている車でも、うっかり何かとこすったりぶつけてしまったりして傷が付くことがあります。傷消しを業者に依頼するとなると費用がどれくらいかかるか気になりますが、傷の種類や状態によっては自力で消せる方法があるのをご存じでしょうか。

この記事では、車に付く傷の種類や自分でできる傷消しの方法、作業をする上で押さえておくべき注意点などを解説します。ぜひ参考にしてください。

車にできる傷の種類

傷の対処法を知る前に、車にできる傷にもいろいろな種類があるのを知っておく必要があります。それぞれの傷の種類ごとに、どのような状態なのか、どういった原因で傷ができるかを解説します。

引っかき傷

車体に固いもので引っかいてできた、細かい線のような傷が付く場合がありますが、それらは「引っかき傷」や「線傷」などと呼ばれるものです。見た目にはさほど目立ちません。

これらの傷は走行中に草や木の枝が当たったり、飛び石が当たったりして付く場合もあれば、洗車中に車体に付いていた砂やホコリがこすれてできてしまう場合もあります。また、ドアを開閉する際に、鍵が車体に当たって付く場合もあります。

こすり傷

車体が何かに接触してこすれたような傷が付くことがありますが、これらは「こすり傷」「すり傷」などと呼ばれる状態の傷です。

走行中に車体が道路脇の塀やガードレール、電柱、縁石などの固い物体に接触してこすれてしまったことが主な原因です。引っかき傷に比べて傷が広範囲に及ぶ場合が多く、目で容易に確認できるほど目立ちます。

へこみ傷

へこみ傷は、車体の一部が何かにぶつかった衝撃でへこんだ状態の傷です。多くの場合、電柱や塀、他の車、自転車などに接触・衝突した際の衝撃が原因です。

冬季に積雪量の多い地域では、雪の重みでへこみ傷が付く場合もあれば、藪や森から飛び出してきた野生動物がぶつかってできる場合もあります。

へこみ傷の多くは大きくくぼんだ状態で見た目を大きく損ない、変形した部分を平らに戻すためには修理の手間がかかります。

自分でできる車の傷消し方法

自分でできる車の傷消し方法

車にできる傷はそれぞれ状態や原因が異なり、傷の種類によって適切な消し方も変わります。誤った方法で作業をすると、逆に傷が悪化しないとも限りません。自分でできる傷の消し方を、傷の種類ごとに確認していきましょう。

【薄い傷】コンパウンド・ワックス・スプレーで磨く

水でぬらすと目立たなくなる、爪で触っても引っ掛かりを感じない程度の薄い傷には、コンパウンドやワックス、スプレーを使用して損傷箇所を磨き、目立たなくするのがおすすめです。

一例として、コンパウンドの使い方は以下のとおりです。

【コンパウンドを使った傷消しの手順】

  1. 1. 車体表面に付いた小石や砂、ホコリなどの汚れを水で洗い流す(車体に汚れが付いたままでコンパウンドを使用すると、さらなる傷が付く原因になるため)
  2. 2. 車体に水分が残らないよう、よく拭き取っておく
  3. 3. 傷の状態に適した粗さのコンパウンドをスポンジや清潔な布に付けて、傷ができた箇所をなぞるように直線的な動きで磨く
  4. 4. 清潔かつ柔らかい布を使用してコンパウンドを拭き取る

【引っかき傷】タッチペンで隠す

水で濡らしても目立つ程度に深い引っかき傷は、タッチペンで隠すのがおすすめです。タッチペンは、塗装が剥がれた箇所にピンポイントで色を塗って、傷跡を目立たたなくするアイテムです。

タッチペンを使用する際は色選びが重要となります。塗装した部分だけが目立たないよう、必ずボディカラーと同じ色を選びましょう。

【タッチペンを使った傷消しの手順】

  1. 1. 傷とその周辺に付いた汚れを落とす
  2. 2. シリコンオフスプレー(脱脂材の一種)を吹き付けてきれいな布で拭き取り、余計な油分を落とす
  3. 3. 傷の周辺にマスキングテープを貼る
  4. 4. 点を打つようにタッチペンを動かし、傷を塗料で埋めていく
  5. 5. 塗料が乾いたらマスキングテープをはがす
  6. 6. 1週間ほど自然乾燥させる

【引っかき傷】シールで隠す

水で濡らしても目立つ程度で、狭い範囲の引っかき傷には、シールを貼って損傷を隠す方法もあります。

シールはボディカラーと同じ色のものを選びますが、タッチペンほどカラー展開が豊富ではありません。タッチペンは失敗しそうで怖い人、とりあえず応急処置として傷を隠したい人などに向いている方法です。

【シールを使った傷消しの手順】

  1. 1. 引っかき傷とその周辺の汚れを落とし、水分をよく拭き取る
  2. 2. シリコンオフスプレーを吹き付けて、清潔で柔らかい布で拭き取って油分を落とす
  3. 3. 塗料のささくれがある場合は、サンドペーパーやカッターナイフなどでそぎ落とす
  4. 4. シールを傷のサイズに合わせてカットし、傷の上から貼り付ける

【引っかき傷】スプレーで隠す

引っかき傷をスプレーで隠す方法もあります。スプレーの場合、塗料を均一に吹き付けられるためムラにならず、遠目では目立たないレベルの自然な仕上がりになるのがメリットです。ただし、タッチペンやシールよりも手間が掛かります。

またスプレーを使用する場合は、タッチペンやシール同様、修復箇所が目立たないようにボディカラーとの色合わせが重要です。

【スプレーを使った傷消しの手順】

  1. 1. 車体に付いた砂やホコリなどの汚れを落とす
  2. 2. 傷にシリコンオフスプレーを吹き付け、清潔な布で拭き取って油分を落とす
  3. 3. 傷の周囲にマスキングテープを貼る
  4. 4. 傷がある箇所に数回に分けてスプレーを吹き付ける(必要であれば仕上げ用のスプレーも吹き付ける)
  5. 5. マスキングテープを外して乾燥させる

【へこみがある深い傷】パテで埋める

何かにぶつかった衝撃でへこんでしまった傷や、塗料だけでなく金属までえぐれているような傷の場合は、ここまで紹介した方法では隠し切れません。こうしたへこみのある深い傷は、パテを使用して埋めるのが有効です。

1.下地処理をする

まずは下地処理をしていきます。下処理をしっかりしておくと後で作業がしやすくなり、へこんだ傷を埋めるパテの定着効果も高まります。

【下処理の手順】

  1. 1. 傷とその周辺に付いた砂やホコリなどの汚れを水で洗い流す
  2. 2. パテ埋めする箇所をマーキングする(パテを埋める範囲を明確にして作業しやすくするため)
  3. 3. パテ埋めする箇所をやすりでこすり、塗装をきれいにはがして表面をなめらかにする
  4. 4. シリコンオフスプレーなどを使用して余計な油分を落とし、パテの定着を促す

2.パテを塗って磨く

下処理が終わったら、パテを使ってへこみ箇所を埋めていきます。

【パテを塗布して磨く手順】

  1. 1. へこみを平らにならすようにヘラを動かしながら、へこみをパテで埋める(へこみが大きい部分は、パテを厚めに押し付けるようにして埋める)
  2. 2. 20分ほど自然乾燥させる
  3. 3. パテ埋めした部分の外側から内側にかけて、耐水ペーパーで表面をなめらかにする(削り過ぎないよう注意する)
  4. 4. 水洗いで削りかすを落とし、清潔な布で水分を拭き取る
  5. 5. シリコンスプレーなどで油分を除去する

3.塗装する

パテを塗ってへこみ部分を埋めたら、塗料を塗り、最終的な仕上げをしていきます。

【塗装の手順】

  1. 1. ボディカラーにマッチした塗料を選ぶ
  2. 2. パテ埋めした部分に、塗料を塗って下地を作る
  3. 3. 塗料を3~5回ほどに分けて塗り重ねる
  4. 4. 1週間程度乾燥させる
  5. 5. コンパウンドで塗装箇所を磨き、表面がなめらかに、かつ光沢が出るように仕上げる

自分で車の傷消しをする際の注意点

自分で車の傷消しをする際の注意点

ここまで、傷の種類や、傷の状態ごとに異なる傷消しの方法をご紹介してきましたが、傷消しを自分で行う際はいくつかの注意が必要です。ここでは3つのポイントに分けて注意点を解説していきます。

傷の深さに合った傷消し剤を選ぶ

まずは、車の傷の深さに合った傷消し材を選びましょう。

引っかき傷やこすり傷、へこみ傷など、それぞれに傷の深さが異なります。深さに適した傷消しの方法と、それに合った傷消し剤を使うのが重要です。たとえ線傷であっても、深さがある場合はただコンパウンドで表面を磨いただけではごまかせない可能性があります。

傷の状態を確認し、対応可能な傷消し材をそろえましょう。

カラーナンバーを確認して傷消し材を選ぶ

タッチペンやスプレー、シールなどの傷消し材を選ぶ際は、車のボディカラーのカラーナンバーを確認して購入するのも重要です。

カラーナンバーは車のエンジンルームや運転席付近に記載されているため、確認して自分の車にマッチするカラーナンバーの傷消し材を購入しましょう。製品によっては、店舗で取り扱いがない場合でも、オーダーして取り寄せられるものもあります。

かえって傷が目立つ可能性がある

自己判断で、傷の種類や状態に合わない方法で傷消しをしたばかりに、傷消し前よりも傷が目立つ仕上がりになる可能性もあります。

特に初めて自分で傷消しをする場合、必ずしもうまくいくとは限りません。自力で傷消しをすれば、もちろんプロに依頼するよりもコストは抑えられるものの、期待したほどの仕上がりにならない場合もあります。

自分で傷消し作業をしない方がよいケース

自分で行う傷消しには、かえって状態が悪化したり、修復箇所が目立ってしまったりするリスクがあります。自分で傷消しをしない方がよいケースにはどのようなものが該当するか、ポイント別に解説していきます。

深い傷・複雑な形の傷

例えば表面の塗装が完全にはがれて、下の金属部分がむき出しになっているなど、傷が深くにまで及んでいる場合は、自力での傷消しは難しいとみてよいでしょう。

傷が複雑な形状をしている場合や、傷周辺の塗装にまで影響している場合なども、素人の手で完全にキレイに直すのは至難の業です。そのようなときは、専門の業者に任せるのがおすすめです。

複数の傷消し材が必要な傷

自分で傷消しをする場合、必要な傷消し材や道具をそろえるところから始まります。しかし、複雑な状態の傷や広範囲に及ぶ傷など、場合によっては複数の傷消し材が必要になる場合があります。たくさんの傷消し材や道具が必要になるほどコストがかかり、工程も手間も増えていくため、思い切ってプロに任せた方がよいでしょう。

フレームに付いた傷

車の骨格であるフレームに関わる傷は、自力で消そうとせず、専門の業者に任せるのがおすすめです。フレームは運転者や乗車する人の命を預ける車の重要な部分であり、安全性の面からも、傷の処置はプロの手に任せることをおすすめします。

なお、フレームを修理した車は事故車扱いになり、後で売却するにも価値はほぼゼロになることからも、素人が手を加えない方がよいでしょう。

まとめ

車に付いた傷を自力で消すには、引っかき傷やへこみ傷など、傷の種類を把握することが重要です。傷の種類によって、適する傷消しの方法や傷消し材が異なります。傷消し材は傷の深さや車のボディのカラーナンバーなどを考慮して選ぶ必要があります。

また、自分で傷消し作業した結果、かえって修復箇所が目立ってしまうリスクがある点も注意しましょう。

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