雹害車とは?修理費用の相場と保険の注意点、査定を守る直し方をプロが解説
更新日:2025/12/23 | 公開日:2025/01/28
突然の雹で愛車がボコボコに……。修理代はいくら?保険は使うべき?と不安ですよね。
実は、雹害車は直し方ひとつで、将来売却するときの価格(査定額)が数十万円も変わってしまいます。この記事では、板金塗装のプロが、損をしない修理方法の選び方と費用相場を徹底解説します。
雹害(ひょう害)とは? 車への影響と損傷の特徴
雹害とは、雹が降ったときの被害のことです。雹による車への影響と、損傷の特徴を紹介します。
雹害とは?
雹害は降ってきた雹によって、車や作物が被害に遭うことです。
雹かどうかは氷の粒の大きさによって決まり、直径が5mm以上であれば、直径が5mm以下の場合はあられと定義づけられています。
雹は雷と共に積乱雲が発生する際にできます。一般的に発生しやすいのは、5〜6月や、10月頃です。地上が高温多湿な状況で上空に冷たい空気が流れると、空気が冷えて水ができます。水がさらに上空の冷たい空気に冷やされて氷の粒になることで、雹が発生するのです。
雹害は寒い地域で発生しそうなイメージですが、埼玉や群馬、千葉、茨城などの関東地方でも多数発生しています。
雹害による車への影響と損傷の特徴</h3>
雹によって、建物や作物以外に、車も被害に遭います。雹が直径5mmの場合、時速36km以上の勢いで落下し、また雹の大きさが直径50mmにもなれば、時速は115km以上にもなります。大きな氷が時速100km以上のスピードで落下してくるのはかなりの威力があり、被害も大きくなる可能性が高いでしょう。
直径5mmでも時速36km以上の速度になる氷の粒が大量に降ると、屋根のない場所に駐車している車や走行中の車は、ルーフやボンネット、ボディーに傷やへこみが大量にできる可能性があります。
雹害による車への影響として、大量にえくぼのようなへこみや傷ができやすい傾向にあります。損傷範囲も広範囲に及ぶことが特徴で、塗装面への擦り傷や割れ、窓ガラスのひび割れなどが発生するケースも多いです。
雹害車とは?
雹害車とは、降ってきた雹によって、ボンネットやルーフ(屋根)、トランクなどに無数の「えくぼのような凹み」や傷が生じた車を指します。
走行性能に支障がない場合が多いため、中古車市場では「見た目さえ気にしなければ格安で買える車」として流通することもあります。しかし、所有者にとっては「資産価値の維持」が大きな問題となります。
ここで多くの方が誤解しているのが、「雹害車=すべて事故車(修復歴あり)」ではないという点です。
| 修理箇所・方法 | 資産価値への影響 |
| ボンネット・ドア等の交換 | 修復歴にならない(ボルト止めパーツのため) |
| デントリペア・板金塗装 | 修復歴にならない |
| ルーフ(屋根)の切断交換 | 「修復歴あり(事故車)」になる |
雹害車は一度に100箇所近い凹みができることも珍しくありません。すべてを「交換」で対応しようとすると、ルーフの交換によって将来の売却価格が数十万円単位で暴落する恐れがあります。
雹害車を修理する際は、単に直すだけでなく「将来の価値をいかに守るか」という視点が不可欠です。
失敗しないための雹害修理:3つの方法を徹底比較

雹害修理の最大の特徴は、「損傷箇所が数十〜百箇所以上と非常に多い」ことです。そのため、一箇所あたりの単価が安くても、合計金額で大きな差がつきます。
| 修理方法 | メリット | デメリット・注意点 |
| 板金塗装 | 広範囲・深い傷も完治。 色の差異も出にくい。 | 数日〜1週間の入院が必要。 |
| デントリペア | オリジナル塗装を残せる。作業が早い。 | 数が多すぎると板金より高額になる。深い傷は不可。 |
| パーツ交換 | 仕上がりは新品同様。 | ルーフ交換は修復歴(事故車扱い)になる。 |
1. 板金塗装:広範囲の雹害に最もおすすめ
雹害は車全体に及ぶため、実は板金塗装が最もトータルコストを抑えられるケースが多いです。
デントリペアは「1箇所◯◯円」という計算のため、50箇所の凹みを直すと数十万円に跳ね上がることがあります。一方、板金塗装(特に池内自動車)なら、パネルごとの定額に近いプランで、費用を抑えつつ一度にすべての凹みを消し去ることが可能です。
2. デントリペア:数カ所の小さな凹みなら有効
塗装が割れておらず、数箇所程度の軽い凹みであれば有効です。ただし、雹害では「一見凹んでいないように見えても、光を当てると無数の凹みがある」ことが多いため、プロによる慎重な診断が必要です。
3. パーツ交換:最後の手段と考える
ボンネットの交換は問題ありませんが、ルーフ(屋根)の交換は絶対に慎重になってください。ルーフは車の骨格(フレーム)の一部であるため、交換した瞬間にその車は「修復歴あり(事故車)」となります。将来の売却価格が20〜30%ダウンすることもあるため、可能な限り板金修理で対応するのが賢明です。
雹害修理の費用相場:なぜ見積額に「数十万円」の差が出るのか?
雹害修理が一般的な板金修理と決定的に違うのは、「凹みの数」に応じて見積もり計算が変わる点です。
例えば、ボンネットに30箇所の凹みがある場合、それぞれの修理方法で以下のように計算根拠が異なります。
| 修理方法 | 費用の計算根拠 | 費用目安(広範囲の場合) | 期間 |
| デントリペア | 「1箇所ごと」の積み上げ式(例:1.5万円 × 30箇所 = 45万円) | 15万円 〜 40万円以上 | 1日〜5日 |
| パーツ交換 | 「部品代 + 脱着・塗装工賃」(例:新品部品 5万 + 工賃 10万 = 15万円) | 15万円 〜 100万円以上 | 2週間〜 |
| 板金塗装 | 「1パネル(面)ごと」の定額式(例:ボンネット1面 = 3〜5万円) | 5万円 〜 20万円程度 | 3日〜1週間 |
修理方法別の「根拠」と現実的な選び方
1. デントリペアの費用が跳ね上がる理由
デントリペアは非常に高度な特殊技能を要するため、1箇所あたりの単価がどうしても高くなります。凹みが数箇所であれば安く済みますが、雹害のように数十〜百箇所の凹みがある場合、計算式が「掛け算」になるため、総額が板金修理の数倍に膨れ上がるケースが少なくありません。
2. パーツ交換に潜む「隠れた損失」
ボンネット等の交換だけで済めば数十万円ですが、ルーフ(屋根)の交換になると、窓ガラスの脱着や溶接作業が伴うため、工賃だけで20万円を超えることもあります。
さらに、ルーフ交換は売却時に「修復歴あり(事故車)」として査定額が20〜50万円ほど下落するため、実質的な損失は見た目の修理代以上になります。
3. 板金塗装(池内自動車)が最も合理的である根拠
板金塗装は、パネル全体の塗装を一度に剥がし、複数の凹みを一気にパテで埋めて成形します。
「凹みの数」ではなく「作業面積(パネル枚数)」で計算するため、雹害のように凹みの数が多い場合、デントリペアよりも圧倒的にコストを抑えることが可能です。
[プロの視点:見積もり時のチェックポイント]
雹害の見積もりを取る際は、「1箇所ずつのカウント」になっているか、それとも「パネル1枚としての料金」になっているかを確認してください。凹みが10箇所を超えるなら、パネル単位で見積もる板金塗装の方が、圧倒的にコストパフォーマンスが高くなります。
雹害(ひょう害)発生後の注意点と予防策
雹害が発生した後に注意すべき点と、予防策を紹介するので参考にしてみてください。
車の状態をよく確認
雹害の確認は正面からだけでなく、さまざまな角度からよく見ることが大切です。ルーフやボンネット以外にも、横風にあおられた雹がドアやボディーなどの側面に当たってへこみができるリスクも頭に入れておきましょう。
なお、雹が降るのは大気の状態が不安定で、嵐が発生しているような悪天候であることが多いです。車の状態を見る際は、確認の際にけがをしないようまずは安全を確保しましょう。安全性を確認し、車の状態をチェックできる状況になってから行ってください。
雹害で車両保険を使うのは「損」か「得」か?
雹害は、自動車保険の「車両保険(一般型・エコノミー型問わず)」で修理が可能です。しかし、「保険が使える=保険を使うのが正解」とは限りません。
1. 「1等級ダウン」による実質的な負担増を知る
雹害による保険使用は「1等級ダウン事故」として扱われ、翌年の保険料が上がるだけでなく、「事故あり係数」が1年間適用されます。
- 普通車(年間の保険料が10万円程度の場合)の例:
翌年以降、数年間の保険料アップの累計額は、一般的に3万円〜5万円程度と言われています。
つまり、修理代がこの「保険料アップ分 + 免責金額」を下回るなら、自費で直した方がトータルでは安く済むのです。
2. 【損得シミュレーション】保険使用の判断基準
| 修理代(見積額) | 判断の目安 |
| 5万円以下 | 自費修理が圧倒的にお得。 保険を使うと、翌年以降の保険料アップ分で赤字になります。 |
| 5万〜15万円 | 微妙なライン。 免責金額(自己負担金)の設定や、現在の等級によって損得が分かれます。 |
| 15万円以上 | 保険使用を推奨。 ただし、ルーフ交換等で「修復歴」がつく場合は、将来の査定減も考慮すべきです。 |
3. 「保険金だけ受け取る」という選択肢
雹害の被害を受けた際、保険会社から修理の見積額(時価額が上限)を現金で受け取り、実際には修理せずに乗り換え費用に充てる、あるいは格安の板金塗装で修理して差額を生活費に充てることも法的に認められています。
[プロのアドバイス:賢い保険の使い方]
「ディーラーで40万円の見積もりが出たから保険を使うしかない」と諦めないでください。池内自動車のような格安板金で「自費で10万円で直す」ことができれば、保険の等級を下げずに、かつ手出しを最小限に抑えて愛車を復活させることができます。まずは保険を使わずに済む「自費修理の見積もり」を確認することをおすすめします。
修理に通常より時間がかかる場合がある
雹が局地的に降った地域では、地域の修理工場に修理依頼が集中しやすいです。その理由は、雹の場合、屋根がない駐車場に停めている車の多くが被害に遭うためです。
雹害による車の修理を依頼する際は、近隣地域から修理依頼が同時期に殺到する可能性がある上、作業内容の煩雑さも相まって作業期間が延び、通常の修理よりも時間がかかることを覚悟しておきましょう。
雹害の予防策
雹は前触れなく局地的に降るため、なかなか予防や防止がしにくいです。
一般的には、大気が不安定な初夏や初冬に起きる可能性が高く、また天気予報で「雷」「積乱雲が発達」「突風」が予測されているときに発生する確率が高まります。雹が降りやすい時期や条件を知っておくだけでも、屋内に車を移動したり、屋外の場合はカバーをかけたりなど工夫ができるでしょう。
また走行中に雹が降ってきた場合は、屋根のある駐車場に入る、できる限り屋内に車を停めるなど対策を講じることが可能です。地下駐車場や立体駐車場を一時的に利用して雹害を避けるのも有効でしょう。
雹害(ひょう害)に板金塗装修理がおすすめな理由

「走行には問題ないから、このままでもいいか」と放置するのは非常に危険です。雹害は時間の経過とともに、修理代以上の大きな損失を招きます。
雹害を「放置」したときに起こる、3つの深刻な末路
1.目に見えない塗装の「ヒビ」から錆が広がる
雹が当たった箇所は、肉眼では見えなくても塗装の「クリア層」に細かいヒビが入っています。そこから雨水が侵入し、ボディーの金属が酸化して内部から錆(サビ)が発生します。一度錆びてしまうと、通常の板金塗装では対応できず、パーツ交換(数十万円)が必要になることもあります。
2.売却時の査定が「ほぼゼロ」になる
雹害車を未修理のまま査定に出すと、数十箇所の凹みをマイナス査定としてカウントされるため、買取価格がほぼゼロ(廃車同然)になるケースも珍しくありません。「直してから売る」か「直さずに安く売る」かでは、手元に残る金額が数十万円変わります。
3.修復歴のリスク増大
時間が経って錆や腐食が進むと、本来なら「板金」で直せたはずのものが「切断交換」しか選択肢がなくなる場合があります。前述の通り、ルーフ交換は「事故車」扱い。早めの処置が、愛車の価値を守る唯一の方法です。
損傷が広範囲なら板金塗装
板金塗装は修復できる範囲が広範囲です。対応できる修理の幅も広く、傷からへこみ、ゆがみまで依頼可能なのも特徴だといえます。
前述した通り、雹害を受けた車にデントリペアを施そうとする場合は、板金塗装よりも費用が高額になるケースがほとんどのため、注意が必要です。
またパーツ交換で対応する場合、場所によっては車に修復歴が残ってしまいます。将来的に車の売却を検討している方は、パーツを丸ごと交換しなければいけない場合を除き、むやみにパーツ交換することは避けましょう。
広範囲に雹害を受けた場合は、車全体を一度に修理できる板金塗装がおすすめだといえます。
まとめ
雹(ひょう)による被害は、凹みの数や場所、塗装の状態によって最適な修理方法が全く異なります。 「とにかく安く」「価値を下げたくない」「保険を賢く使いたい」など、お客様のご希望に沿った選択をするためには、まずは経験豊富なプロへ相談し、現状を正確に把握することが第一歩です。
池内自動車では、お客様の立場に立って、以下の視点から誠実にアドバイスをさせていただきます。
1. 「修復歴」や「資産価値」について相談する
ルーフ(屋根)の修理には、将来の査定に響く「パーツ交換」と、原則として修復歴に含まれない「板金塗装」という選択肢があります。
※内部骨格への波及がある場合は例外もあります。 「この凹みなら板金で直せるか?」「将来売却するならどの方法がベストか?」など、お車の状態を見極め、価値を維持するための最善策を一緒に検討します。
2. 「自費修理」と「保険使用」の損得を相談する
車両保険を使うと翌年の等級が下がり、保険料が上がります。 「保険を使って完璧に直すべきか」「保険を使わず、自費で安く抑えるべきか」は、見積もり額と保険料の増分を比較しなければ分かりません。池内自動車では、トータルの出費が抑えられる納得のプランをご提案できるよう、親身に相談に乗らせていただきます。
3. 「修理の範囲」を予算に合わせて相談する
「目立つボンネットだけ直したい」「全体を綺麗に直したい」など、ご予算に合わせた柔軟な対応が可能です。池内自動車はパネル単位の価格設定を基本としていますが、「どこまで、どのように直すのが最も効率的か」をプロの目線でアドバイスいたします。
まずは現在の状況をお聞かせください
雹害車は、時間が経つと塗装のヒビからサビが発生するリスクもあります。 「他社で見積もりを取ったけれど判断に迷っている」「まずは概算の費用を知りたい」という方も、お気軽にご相談ください。写真を送っていただくだけで、アドバイスと概算見積もりをご提示いたします。
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