アルミのボディパネルは板金修理できる?鉄板との違いと費用の決まり方

更新日:2026/10/14 | 公開日:2026/10/14

板金塗装全般

アルミのボディパネルは板金修理できる?鉄板との違いと費用の決まり方

駐車場で柱に当ててボンネットがへこんだ。あとから車のことを調べていたら、この車のボンネットはアルミだと書いてある。鉄板ではない部品をぶつけてしまったと分かった時点で、直せるのか、高くつくのかが急に気になります。

調べ始めると情報が集まりません。出てくるのはホイールのガリ傷の話が中心で、ボディのパネルの話はなかなか見つからないはずです。この記事で扱うのは、ボンネットやドアなど、ボディのパネルに使われているアルミのほうです。

板金塗装を扱っている立場から、アルミのパネルが鉄板と何が違うのか、その違いが工程と費用にどう効いてくるのかを整理します。実車を見ないと決まらない部分は、決まらないと書きます。

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アルミのボディパネルは板金修理できる。ただし鉄板と同じ手順ではない

先に結論をお伝えします。アルミのパネルは板金修理の対象になります。池内自動車でもアルミのパネルのキズ・ヘコミを承っています。

ただし、鉄板と同じ道具で同じ順番に作業して終わり、とはいきません。金属としての性質が違うため、形を戻す手順も、下地をつくる材料の選び方も変えることになります。

費用の面でも、素材によって基本の金額に加算が生じる場合があります。加算されるかどうかは、どのパネルにアルミが使われているかによって変わるところなので、実車を確認したうえでお見積もりに反映します。

つまり「アルミだから直せない」ではなく、「アルミだから手順が変わり、その分が費用と時間に出る」というのが実際のところです。ここから先で、何がどう変わるのかを具体的に見ていきます。

どのパネルがアルミかは、車種と年式で違う

まず確かめたいのは、ぶつけたその部品が本当にアルミなのかどうかです。ここを思い込みで進めると、修理の話が最初からずれます。

アルミは軽さを目当てに使われます。車体の中でも高い位置や前後の端にある部品を軽くすると走りや燃費に効くため、ボンネット・トランクのふた・ドア・フェンダーといった外板に採用されることがあります。

やっかいなのは、車1台がまるごとアルミでできているわけではない点です。同じ車種でも、グレードや年式によってボンネットだけがアルミだったり、途中の改良で素材が切り替わっていたりします。輸入車では特にばらつきがあります。

手がかりになるのは磁石と、メーカーの資料

手元で確かめる方法として昔から使われているのが磁石です。鉄板には磁石が付き、アルミには付きません。数百円のもので試せます。

ただし、この方法だけで決めきらないでください。外板の裏側に鉄の補強が入っている部分では磁石が反応しますし、塗装の下が樹脂という部品もあります。バンパーはそもそも樹脂が主流です。

確実なのは、車種の資料に当たることです。カタログやメーカーの車種ページで、軽量化の説明としてアルミの採用部位が書かれていることがあります。分からなければ、修理を頼む工場に車種・年式・型式を伝えて調べてもらう形でかまいません。

叩いて戻す作業は、鉄板より勝手が違う

車のドアとサイドにパテを付けた板金塗装の途中

板金という作業は、へこんだ金属を裏から起こしたり表から引いたりして、元の面に戻していくものです。この「戻す」という作業の感触が、鉄板とアルミではかなり違います。

鉄板には粘りがあり、力をかけた分だけ動いて、狙った方向へ追い込めます。多少行き過ぎても、戻す方向に持っていけます。職人の側から見ると、修正の余地が残る素材です。

一方でアルミは、いちど伸びた形でそこに落ち着こうとします。力のかけ方を誤ると、へこみは消えても面が波打ったまま残ったり、縁に近い部分が切れてしまったりします。戻しきれなかった分を削って埋める処理でごまかすと、後から形が浮いて見えます。

熱の扱いも変わります。板金では熱を利用して金属を動かしやすくする場面がありますが、鉄板は色の変化で状態の見当が付くのに対し、アルミは見た目の変化が乏しく、加減が分かりにくい素材です。ここは経験で判断する部分になります。

作業そのものが違うということは、かかる手間が違うということです。同じ大きさのへこみでも、アルミのパネルでは工程が増えます。費用と納期の差は、ここから生まれます。

なお、へこみ修理そのものの考え方は素材によらず共通する部分もあります。ボディの凹み修理で見落とされやすい点もあわせて読んでおくと、工場での話が通じやすくなります。

鉄と接すると腐食が起きる。だから道具も材料も分ける

アルミのパネルを扱ううえで、性質と並んで重要なのが腐食です。アルミは錆びないと言われることがありますが、正確ではありません。条件がそろえば傷みます。

性質の異なる金属どうしが接した状態で水分が入ると、片方が先に傷んでいきます。アルミと鉄の組み合わせは、この現象が起きやすい代表格です。修理の現場でこれが問題になるのは、鉄の粉がアルミの面に残る場面です。

鉄板を削った粉が飛んでアルミの面に付いたまま塗装してしまうと、その点を起点にして腐食が進みます。表面に小さな膨らみが出てきて、塗装が押し上げられる形です。そのため作業する場所や工具を分け、下地に使う材料も素材に合わせて選びます。

日常のなかでも、鉄粉は付きます。線路の近くに駐めている車や、前を走るトラックのブレーキの粉を浴びた車では、塗装の上に細かい粒が刺さることがあります。塗装が生きているうちは中まで届きませんが、塗膜が切れている場所では話が別です。

ですから、アルミのパネルで塗装が剥がれて地肌が見えている状態は、放置しないほうが安全です。鉄板の赤い錆とは違って白い粉のような腐食が広がるため、見た目で気づきにくいところもあります。塗装が切れる深さの傷については、えぐれた傷を放置したときに起きることでも触れています。

費用は鉄板パネルの体系が出発点。そこに素材の分が乗る

ここからは費用の話です。池内自動車では、修理内容ごとにあらかじめ料金を決めています。ドア・フェンダーなどの外板パネルは、次の体系が基準になります。

損傷10cm以内20cm以内20cm以上
すり傷25,000円〜(税込)37,000円〜(税込)46,000円〜(税込)
へこみ37,000円〜(税込)46,000円〜(税込)58,000円〜(税込)

この金額は、クリア塗装までの浅い傷を対象にしたものです。塗装が剥がれて下地が見えているえぐれ傷は別料金になります。

アルミのパネルの場合は、この基準の金額に素材の分が加算される場合があります。加算の有無と金額はお見積もりでお伝えします。ここは実車とパネルの状態を見てからの判断になるため、記事の中で断定はしません。

素材で体系が分かれること自体は、アルミに限った話ではありません。たとえばバンパーなど樹脂パーツのすり傷(10cm以内)は3,300円〜(税込)で、同じ大きさの傷でも外板パネルとは出発点が違います。バンパーの費用の考え方はバンパー擦り傷の修理代が業者で変わる理由にまとめました。

反対に、車種やボディカラーによる割増はありません。輸入車でも、パールでもメタリックでも同じ料金で承ります。上乗せが生じうるのは素材の分だけ、と考えてください。料金の一覧は部位ごとの修理料金表で確認できます。

金額が上がったとき、保険を使うかは契約しだい

素材の分が乗って見積もりが想定を超えたとき、保険を使うかどうかで迷う方がいます。仕組みだけ整理しておきます。

車両保険には免責金額が設定されていることがあり、その分は自己負担になります。金額は契約によって違います。また、保険を使うと翌年以降の等級が変わる仕組みがあり、その影響の大きさも契約内容や保険会社によって変わります。

使ったほうが得かどうかは、こちらでは判断できません。ご契約内容を確認したうえで、保険会社の担当者にご相談ください。見積書があれば、その金額をもとに話ができます。

相手方がいる事故では、修理費の負担は保険会社同士のやり取りで決まります。どの工場で修理するかは、原則としてご自身で選べます。

なお池内自動車では、他社の正式なお見積書をお持ちいただいた場合の割引をご用意しています。ただし自動車保険を適用する修理は対象外です。

直して使うか、パネルごと替えるか

アルミのパネルが大きく変形している場合、板金で戻すより部品を替えたほうが結果として早く、安く収まることがあります。池内自動車では、板金塗装で直しきれない損傷について、新品または中古の部品と交換する対応も行っています。

判断の分かれ目になるのは、変形の深さと位置です。面の中央が浅くへこんでいるなら戻せる範囲に入りますが、折れ目が付いている、縁が切れている、といった状態では交換が現実的な選択になります。

中古部品を使えば費用は下がります。ただし、同じ車種・同じ色の部品がそのとき出回っているかは流通しだいで、色が合わなければ塗装の費用が加わります。在庫と入荷の見込みは、お見積もりの段階でその都度お伝えする形です。

なお、ぶつけた勢いが強く、外板の奥にある骨格まで動いている場合は、パネルの交換だけでは収まりません。骨格の修正にも対応していますが、対応できる設備のある店舗にご案内する形になります。まずは状態を見せていただくところからご相談ください。

見積もりを頼むときに伝えると話が早い3つのこと

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アルミかどうかで工程が変わる以上、最初に渡す情報の質で、見積もりの精度と速さが変わります。次の3つをそろえてください。

1. 車種・年式・グレード

型式まで分かれば確実です。車検証に載っています。同じ車名でも年式で素材が違うことがあるため、「◯◯の何年式」までお伝えいただけると調べがつきます。

2. どこに、どう当たったか

柱にこすった、ぶつけられた、上から物が落ちた。当たり方によって、表面だけの傷なのか、面の裏まで力が入っているのかの見当が変わります。ぶつけたときの状況をそのままお話しください。

3. 写真

全体が分かる1枚と、傷に寄った1枚。加えて、光の当たる角度を変えて撮った1枚があると、面の歪みが読み取れます。アルミのパネルは面の変化が写りにくいので、この角度を変えた写真が効きます。

池内自動車の見積もりは、写真を送るだけで60秒程度です。原則10分以内に回答し、超えた場合は1,000円割引します。まずは写真を送って修理費用を確かめるところから始めてください。ご来店での見積もりも無料で承っています。

納期の目安もお伝えしておきます。塗装の範囲で収まる表面の傷であれば最短当日で対応しています。骨格まで修正が必要な場合は数日いただきます。

よくある質問

Q. アルミは錆びないと聞きました。傷を放っておいても大丈夫ですか

赤い錆は出ませんが、白い粉のような腐食が出ます。塗装が切れて地肌が見えている場所は、鉄板と同じく早めに手を入れたほうが安全です。見た目が地味なぶん、気づいたときには広がっていることもあります。

Q. 修理したところは、後から見て分かりますか

近づいて光を当てながら探せば、修理の跡が読み取れる場合はあります。新品同様ではありませんが、しっかり直ります。色は車ごとの色番号をもとに調合し、テスト板で確認してから塗ります。周囲と差が出そうなときは、ぼかし塗装でなじませます。

Q. アルミのパネルだと、修理の日数は長くなりますか

工程が増えるぶん、同じ大きさの傷でも鉄板より時間がかかることがあります。ただし表面の傷であれば、最短当日で仕上がる範囲に収まります。日数は実車を見て、作業に入る前にお伝えします。

Q. 自分でパテを買って埋めても大丈夫ですか

おすすめしません。素材に合わない材料を使うと、埋めた部分の境目から腐食が始まることがあります。特に鉄用の工具で削ると鉄粉が残ります。あとから工場で直す際、削り直しの手間が増えて費用が上がる場合もあります。

Q. ディーラーと板金の専門店で、費用は変わりますか

変わります。ディーラーは窓口になって提携工場へ出す形が多く、その分が価格に乗ります。板金塗装の専門店に直接持ち込むほうが安くなるのが一般的です。業者ごとの違いは修理代が業者によって変わる理由にまとめました。

Q. 見積もりだけ取って、修理をやめても構いませんか

構いません。見積もり後にお断りいただいても費用はかかりませんし、キャンセル料も発生しません。無理な営業もしないので、金額を知る目的だけでお使いください。

池内自動車の板金塗装について

池内自動車は板金塗装を専門にしている修理チェーンです。全国35店舗で、年間39,000台以上の修理を扱っています。

修理内容ごとに料金をあらかじめ決めており、外板パネルは10cm以内のすり傷で25,000円〜(税込)から承ります。アルミのパネルについては、素材の分が加算される場合があるため、実車を確認したうえで金額をお出しします。

パテと塗装はいずれも乾燥設備(ヒーター等)で焼き付けています。仕上がりを限界まで追い込むために時間と費用を積み上げるのではなく、しっかり直った状態にするために必要な工程だけを踏みます。過剰にやらない代わりに、早く、安く、最短当日でお返しできる体制です。

修理工賃が税込50,000円以上になる場合は、無料の引き取り・納車か、代車の無料貸し出しのいずれか一方をご利用いただけます。全店年中無休で、夜20時まで受け付けています。

池内自動車は、ボディの板金塗装に専門を絞り、設備と人をそこに集中させています。実際にどんな状態の車をどう直しているのかは、これまでの修理事例をご覧ください。

まとめ

アルミのパネルは板金修理できます。直せるかどうかを心配するより、どのパネルがアルミなのかを先に確かめるほうが、話が前に進みます。車種・年式・グレードを手元に用意してください。

費用は外板パネルの料金体系が出発点で、そこに素材の分が加わる場合があります。色や車種による上乗せはありません。金額の幅を知りたいときは、表の区分に自分の傷を当てはめてみると見当が付きます。ボディの傷全般の費用感はボディの傷にかかる修理代も参考になります。

工場に頼むときは、アルミかもしれないことを最初に伝えてください。素材が分かっていれば、工具と材料の段取りが変わります。伝わっていないまま作業が進むほうが、結果としてやり直しにつながります。

あ、キズ直そ。写真から修理費用と日数を確認するところから、気軽に始めてください。

読んだ内容で迷ったら、
写真を1枚送ってみてください。

傷の程度は写真を見れば判断できます。入力は60秒、回答は原則10分以内。
修理は最短当日で仕上がります。ご来店での見積もりも無料です。

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※バンパーのすり傷(10cm以内)3,300円〜(税込)/20cm以内 6,000円〜(税込)

監修者情報
株式会社イケウチ 技術部長 日守翔吾
株式会社イケウチ 技術部長
日守翔吾

大手中古車販売店で7年ほど経験を積んだ後、板金塗装に従事。工場長の経験を経て、2022年に株式会社イケウチに入社。豊富な経験を持ち、板金塗装を中心とした自動車修理業界に精通している。これまでに10,000台以上の車両修理を監修し、お客様からの信頼も厚い。

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