指定工場と認証工場は何が違う? 板金塗装を頼むときに効く場面と効かない場面

更新日:2026/09/24 | 公開日:2026/10/10

板金塗装全般

指定工場と認証工場は何が違う? 板金塗装を頼むときに効く場面と効かない場面

バンパーをこすってしまい、直してくれる工場をスマートフォンで探している。検索結果を眺めていると、「指定工場」「認証工場」という表示が目に入ってきます。どちらも国のお墨付きのように見えて、それでいて何が違うのかは書かれていません。

どちらが上なのか、自分の傷を直すのにどちらを選ぶべきなのか。ここで手が止まる方は多いと思います。名前だけを見ると格の違いのようですが、この2つは車検の制度から生まれた区分で、ボディの傷を直す話とは軸がずれています。

板金塗装を扱っている立場から、2つの区分が何を示しているのか、そして傷やへこみを直してもらうときにこの区分が効く場面と効かない場面を整理します。工場側の要件を覚える必要はありません。依頼する側が判断に使える部分だけを取り出します。

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違いは「車検の検査まで自社でできるか」の一点

はじめに結論を置きます。認証工場と指定工場を分けているのは、車検の検査を自社の設備で完結できるかどうかです。

認証工場は、エンジンやブレーキ、足回りといった、分解をともなう整備を仕事として行うために認証を受けた工場を指します。車の走る・曲がる・止まるに関わる部分に手を入れる作業は、この認証がないと事業として行えません。整備の入口にあたる区分だと考えてください。

指定工場は、その認証を受けたうえで、さらに検査のための設備と有資格の検査員を備えた工場です。車検のときに車を運輸支局へ持ち込まなくても、自社の検査ラインで合否の確認までを行えます。「民間車検場」という呼び方を見かけたら、この指定工場のことだと思って差し支えありません。

認証工場指定工場
分解をともなう整備行える行える
車検の検査検査場へ持ち込む自社の設備で完結できる
別の呼び方認証整備工場民間車検場

認証や指定を受けるための条件は法令で細かく決められていますが、その中身は工場側が満たすべきものです。依頼する側が押さえておくとよいのは、上の表の一行目と二行目だけになります。

近年は、カメラやセンサーを使った運転支援装置の整備も、この認証の枠組みのなかで整理されるようになりました。ここは後の項で改めて触れます。

この区分が答えているのは整備の話で、ボディを直す話ではない

さて、ここからが本題です。指定工場も認証工場も、説明のなかに一度も「板金」「塗装」という言葉が出てきませんでした。これは偶然ではありません。

区分の対象になっているのは、装置を分解して調整したり交換したりする整備の作業です。一方、板金塗装はへこんだ外板の形を戻し、傷んだ塗装を塗り直す作業で、車の装置を分解するものではありません。同じ「車を直す」でも、手をかける対象が違います。

ですから、「認証を受けていない工場は板金塗装をしてはいけない」ということにはなりません。逆に、「指定工場だからボディの仕上がりも確かだ」という結論も出てきません。区分が保証しているのは整備の体制であって、パネルの歪みの取り方や色の合わせ方ではないからです。

ここを混同すると、依頼先選びが空回りします。板金塗装の腕を知りたいのに、車検の設備の有無を調べてしまうことになるためです。実際の仕上がりを知りたいときは、その工場が手がけた修理事例のように、直したあとの写真を見るほうが早く判断できます。

池内自動車はボディの板金塗装に専門を絞り、設備と人をそこに集中させている修理チェーンです。だからこそ、この区分が何を示していて何を示していないのかは、はっきりお伝えしておきたいところです。

区分が効いてくるのは、損傷が装置や車検に関わるとき

とはいえ、この区分がまったく無関係かというと、そうではありません。損傷の内容によっては、整備の資格を持つ工場の出番になります。次の3つの場面が代表的です。

1. 事故で足回りやライトまで及んでいる場合

ぶつけた勢いで足回りが動いていたり、ランプ類が割れていたりする場合は、ボディの修理だけでは終わりません。車の姿勢や灯火に関わる部分は、保安基準に適合しているかを見る必要があります。この確認や調整は整備の領域です。

見た目にはバンパーの割れだけでも、奥の部品まで力が伝わっていることがあります。修理の依頼先を決める前に、どこまで損傷が及んでいるかを見てもらってください。

2. 修理のあとすぐに車検が控えている場合

車検まで残り数週間という時期にぶつけてしまった場合、修理と車検をどう組み合わせるかという段取りの問題が出てきます。指定工場であれば、その場で検査まで進められます。板金塗装の専門店に出すのであれば、車検の予定を先に伝えておくと、日程を組みやすくなるはずです。

3. 異音など、外から見えない部分が関わりそうな場合

こすった直後から音が出ているようなケースでは、原因が外装にあるのか、下回りの部品にあるのかで行き先が変わります。マフラーを擦ったときのカラカラ音の見分け方では、板金で解決できる外装由来の音と、整備側に相談したほうがよい音を切り分けています。音が出ている場合は、そちらもあわせて読んでみてください。

この3つに共通しているのは、判断の分かれ目が「ボディの形と塗装で完結するか」という点にあることです。完結するなら板金塗装の話、はみ出すなら整備の話。区分はそこで初めて意味を持ちます。

区分からは分からないこと ── 板金塗装の依頼先を比べる4つの軸

整備工場でクリップボードを見ながら打ち合わせる作業員

では、ボディの修理を頼むときには何を見ればよいのでしょうか。区分で分かることと分からないことを並べてみます。

見たいこと指定・認証の区分で分かるか
車検の検査まで自社でできるか分かる
分解をともなう整備を受けられるか分かる
傷やへこみの修理費用がいくらか分からない
何日で返ってくるか分からない
直すか交換するかの判断分からない
見積もりの取りやすさ分からない

下の4つは、工場ごとの方針で決まる部分です。順に見ていきます。

料金の決まり方は、工場によってかなり違います。損傷の種類とサイズで金額の目安が決まっている工場もあれば、実車を見るまで何も出せないという工場もあります。前者であれば、依頼する前におおよその金額をつかめます。

納期も方針が出るところです。塗装の乾燥をどう扱うか、代車を用意できるか、同時に何台を扱っているか。こうした条件で日数は変わります。表面の傷であれば、池内自動車では最短当日でお返ししています。柱や骨格そのものが動いている場合は、実車を見たうえで数日いただきます。

直すか交換するかの判断も、工場の考え方が表れます。パネルを板金で戻すのか、部品ごと新しいものに替えるのか。ドアのへこみを板金で直すか交換するかで、費用と車の価値の両面から整理しています。池内自動車では、板金塗装で直しきれない損傷については新品または中古の部品と交換する形で対応しています。

見積もりの取りやすさは、意外と効いてきます。持ち込まないと金額が分からない工場と、写真だけで概算が返ってくる工場とでは、比べるための手間がまるで違うからです。

業態の違い(ディーラー・専門店・カー用品店)は、また別の切り口

ここまで制度上の区分を見てきましたが、依頼先を分ける軸はもう1つあります。ディーラー、板金塗装の専門店、カー用品店といった業態の違いです。

制度の区分と業態は重なりません。ディーラーの工場が指定を受けていることもあれば、街の整備工場が指定工場であることもあります。板金塗装の専門店にも、認証を受けているところとそうでないところの両方があります。つまり、看板の業態から区分を推測することはできません。

費用や仕上がりの傾向を業態ごとに比べたい方は、バンパー塗装を3種類の依頼先で比べた記事が参考になります。板金修理そのものの費用相場や業者選びの比較ポイントは、板金修理とは何かをまとめた記事にあります。本記事では業態の比較には踏み込まず、制度の区分に絞りました。

なお、ある工場が認証や指定を受けているかどうかは、工場に掲示されている標識で確認できます。電話や見積もりのときに尋ねても構いません。車検や整備をあわせて頼みたいときには、聞いておくと段取りが早くなります。

板金塗装の費用は、区分ではなく損傷の種類とサイズで決まる

区分を調べていた方が本当に知りたいのは、「結局いくらかかるのか」だと思います。ここは制度とは無関係で、どこを、どんな壊れ方で、どれくらいの範囲を直すかで決まります。

池内自動車の料金は、部位と損傷とサイズの組み合わせで設定しています。

部位損傷10cm以内20cm以内
バンパー等の樹脂パーツすり傷3,300円〜(税込)6,000円〜(税込)
バンパー等の樹脂パーツへこみ18,000円〜(税込)24,000円〜(税込)
ドア・フェンダー等の鉄板パーツすり傷25,000円〜(税込)37,000円〜(税込)
ドア・フェンダー等の鉄板パーツへこみ37,000円〜(税込)46,000円〜(税込)

バンパーのすり傷3,300円〜(税込)は10cm以内が対象で、クリア塗装までの浅い傷を想定した金額です。塗装が剥がれて下地が見えているえぐれ傷は別料金になります。樹脂バンパーの傷の直し方と金額の考え方は、樹脂製バンパーの傷修理の値段でも扱っています。

車種やボディカラーによる割増はありません。外車でも、パールでも、メタリックでも同じ金額です。鉄板パネルを2枚以上まとめて直す場合は割引の対象になり、割引率は最大10%、樹脂パーツと交換部品を除いた合計額から引きます。

部位ごとの一覧は部位と損傷ごとの修理料金の目安にまとめました。自分の車の傷がどこに当てはまるか分かりにくいときは、写真を送っていただくのが確実です。写真を送るだけの無料見積もりは60秒ほどで送信でき、原則10分以内に金額をお返しします。回答が10分を超えた場合は1,000円割引します。

よくある質問

Q. 認証工場でない工場に、板金塗装を頼んでも問題はありませんか

ボディの外板を直して塗るという作業そのものは、分解をともなう整備とは別の作業です。そのため、板金塗装を頼むうえで認証の有無が前提条件になるわけではありません。損傷が足回りや装置に及んでいる場合だけ、整備を扱える工場の出番になります。

Q. 指定工場に出せば、修理と車検を一度で済ませられますか

車検の検査までを自社で行える工場であれば、段取りはまとめやすいはずです。ただし、板金塗装まで自社で行っているかどうかは工場ごとに異なります。外注に出している場合は日数が読みにくくなるので、修理の部分をどこで行うのかを確認しておくと安心です。

Q. 板金塗装をした車は、車検に通りにくくなりますか

修理をしたこと自体が合否を左右するものではありません。検査で見られるのは、保安基準に適合しているかどうかです。灯火類の見え方や部品の張り出しなど、基準に関わる部分に影響が出ていないかがポイントになります。判断は検査を行う側が行うので、気になる箇所があれば事前に相談してください。

Q. バンパーを交換したら、センサーやカメラの調整も必要になりますか

運転支援の装置が付いている車では、必要になる場合があります。この調整は専用の機器を使う作業なので、対応できるかどうかは依頼先に確認しておくと安心です。車検証や取扱説明書で、自分の車にどの装置が付いているかを先に把握しておくと話が早くなります。

Q. 見積もりのときに、指定か認証かを聞いておいたほうがよいですか

傷やへこみを直すだけなら、優先度は高くありません。それよりも、料金がどう決まるのか、いつ返ってくるのか、直すか交換するかの方針はどうかを聞くほうが、判断の材料になります。車検や整備もあわせて任せたい場合には、区分を確認する意味が出てきます。

池内自動車の板金塗装について

池内自動車は、ボディの板金塗装を専門にしている修理チェーンです。全国35店舗で、年間39,000台以上の修理を扱っています。

料金は損傷の種類とサイズで決めているため、写真をお送りいただければ、実車を見る前におおよその金額をお伝えできます。表面の傷なら最短当日でお返しします。

仕上がりを限界まで追い込むために時間と費用を積み上げることはしていません。新品同様ではありませんが、しっかり直ります。過剰にやらない代わりに、早く、安くお返しするという考え方です。全店が年中無休で、夜20時まで受け付けています。

修理工賃(部品代を除く作業費用)が税込50,000円以上の場合は、無料引き取り・納車か、代車の無料貸し出しのいずれか一方をご利用いただけます。見積もりは写真を送るだけで完了し、ご来店での見積もりも無料です。出張での見積もりは承っておらず、店舗へお持ち込みいただくか写真をお送りいただく形になります。無理な営業はしませんし、見積もりのあとにお断りいただいてもキャンセル料はかかりません。

まとめ:区分は整備の地図、ボディの傷は別の地図で探す

指定工場と認証工場を分けているのは、車検の検査を自社でできるかどうかです。どちらも整備の体制を示す区分で、ボディの傷をどう直すかとは軸が違います。

傷やへこみの修理先を探しているのであれば、区分よりも、料金の決まり方・納期・直すか交換するかの方針・見積もりの取りやすさを比べてください。損傷が足回りや装置に及んでいる場合、あるいは車検が近い場合には、そこで初めて区分が判断材料になります。

迷ったときは、傷の写真を撮ってみるところから始めるのが早道です。傷そのものと、その傷を含む面全体の2枚があれば、金額の見当はすぐに付きます。あ、キズ直そ。60秒でお見積もりします。

読んだ内容で迷ったら、
写真を1枚送ってみてください。

傷の程度は写真を見れば判断できます。入力は60秒、回答は原則10分以内。
修理は最短当日で仕上がります。ご来店での見積もりも無料です。

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※バンパーのすり傷(10cm以内)3,300円〜(税込)/20cm以内 6,000円〜(税込)

監修者情報
株式会社イケウチ 技術部長 日守翔吾
株式会社イケウチ 技術部長
日守翔吾

大手中古車販売店で7年ほど経験を積んだ後、板金塗装に従事。工場長の経験を経て、2022年に株式会社イケウチに入社。豊富な経験を持ち、板金塗装を中心とした自動車修理業界に精通している。これまでに10,000台以上の車両修理を監修し、お客様からの信頼も厚い。

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