樹脂製バンパーの傷修理の値段は?カラードバンパーと無塗装バンパーの違い
更新日:2024/11/22 | 公開日:2021/06/25
バンパーは1970年代まで金属を素材として作られていました。
しかし1980年代以降になると、合成樹脂が素材として用いられるように。
樹脂製バンパーが主流になった理由は
〇樹脂は金属に比べて柔らかく加工しやすいため、バンパーとボディを一体化したスタイリッシュなデザインを採用できる
〇車体の軽量化を図ることが可能
〇弾力性が高く変形しても元に戻りやすいため、金属製のバンパーに比べて傷の修理が容易で費用も安くできる
というメリットがあるからです。
しかし樹脂製のバンパーは、金属製と比べて
× 傷が付くと非常に目立ちやすい
というデメリットもあります。
今回は樹脂製バンパーの特性とともに、樹脂製バンパーの傷を修理する際の注意点についてお伝えします。

樹脂製バンパーの役割と傷の修理が必要な理由

バンパーが樹脂で作られているのは、軽量で加工しやすいだけでなく、安全性に優れているからです。
樹脂製バンパーの役割
バンパーには、事故の衝撃を吸収して搭乗者や車の本体を守る緩衝装置の役割があります。
また、歩行者に衝突した時の衝撃を和らげて人体を保護するという安全面で重要な機能を担っています。
柔らかくて衝撃吸収性能が高い樹脂製バンパーは、金属製バンパーより高い安全性を確保することができるのです。
バンパーが樹脂製になった理由
1980年代に入ると柔軟性や弾力性が高く、傷やへこみを修理しやすいウレタン樹脂がバンパーの素材として使われるようになりました。
ただし、ウレタン樹脂のバンパーは重量が大きい上にコストも高いという問題があったため、現在ではポリプロピレンがバンパーの素材として使われるようになっています。
車のパーツには、ポリプロピレン以外にも繊維強化プラスチックやABS樹脂が使われていますが、これらは破損した際に鋭利な断面が生じるため、人を傷つけてしまう危険性があります。
こうした理由から、現在ではポリプロピレン樹脂がバンパーの素材として一般的になっているのです。
ポリプロピレン製バンパーの欠点
ポリプロピレン製のバンパーには、表面の塗装や加工が難しいという欠点があります。
また紫外線や高温に弱く、時間が経つとひび割れが発生したり劣化しやすくなったりします。
こうした弱点を補うため、ポリプロピレン製のバンパーは素材の黒色をそのまま使ったり、表面に細かな凹凸をつけたりして質感を損なわないような工夫が施されているのです。
樹脂製バンパーの傷修理が必要な理由
樹脂製バンパーは追突などの衝撃を吸収して、車体や人を守る役割があります。
またパンパー周辺や内部には、電気系統やセンサーなどがあります。
そのため樹脂製バンパーは傷が小さい場合でも、安全性のためにきちんと修理をしておく必要があります。
樹脂製カラードバンパーと無塗装バンパーとは

樹脂製バンパーには、
・バンパーをボディと同色に塗装したカラードバンパー
・黒の無塗装バンパー
の2種類があります。
樹脂製カラードバンパーとは
バンパーの素材に合成樹脂が用いられ、部品の加工技術が向上してくると、バンパーをボディと同色に塗装したカラードバンパーが普及してきました。
現在では、ボディとバンパーが一体成型され、さらにカラードバンパーを装着した車が大半を占めるようになっています。
こうした車は、見た目ではバンパーとボディの区別がつかないので、スタイリッシュでスッキリしたデザインにすることが可能です。
ただし、樹脂製のカラードバンパーはデザインに優れている反面、傷が付くと目立ちやすいという欠点があります。
また、カラードバンパーは修理の際に塗装作業が必要なため、無塗装のバンパーより修理代が高くなってしまいます。
樹脂製の無塗装バンパーとは
無塗装の黒いバンパーを装着した車は、値段を重視する商用車の廉価グレードや一部のSUV車や4WD車に限られています。
■廉価グレードの商用車
無塗装のバンパーはカラードバンパーに比べて低コストなため、ハイエースなど一部の商用車の廉価グレードに採用されています。
商用車の無塗装バンパーの値段は、カラードバンパーの6割程度なので、車両価格や部品の交換費用を抑えることができます。
例えば、代表的な商用車であるトヨタのハイエースバンの場合、カラードバンパーの部品代は約8万円ですが、無塗装バンパーは約4万5千円となっています。
商用車は、デザインやスタイルより、経済性と実用性が重視されるため、コストの安い無塗装バンパーの装着は合理的だと言えるでしょう。
■SUV車や4WD車
無塗装の樹脂バンパーは黒色で、傷が付いても目立ちにくい上に、見た目が野性的で精悍な印象を与えることができます。
そのため、一部のSUV車や4WD車にも採用されています。
例えばスバルXV、マツダCX-5、CX-30などのクロスオーバーSUV車は、バンパーの他にホイールアーチやフォグランプ部分などに無塗装の樹脂製部品が採用されています。
これらのSUV車や4WD車は、商用車のようにコストを削減するためではなく、無骨でワイルドなイメージを強調するために、あえて無塗装の黒いバンパーを装着しているのです。

樹脂製バンパーの傷の修理方法と値段

樹脂製のバンパーは衝撃の吸収性が高いので、衝突時の安全性確保に優れていますが、その反面、軽い衝突でもひびが入ったり塗装が剥がれたりするという弱点があります。
また樹脂性バンパーでも、
・カラードバンパー
・無塗装パンパー
の種類によって、傷の修理方法や値段が異なります。
樹脂製カラードバンパーの傷修理方法
樹脂製カラードバンパーを装着した車はスタイリッシュでデザイン性に優れていますが、塗装が必要なため製造コストが高く、バンパー修理の値段も高くなります。
また樹脂製カラードバンパーは、ボディとの区別がつかない一体化されたデザインで作られているため、傷があると非常に目立ちやすくなります。
さらに樹脂製カラードバンパーは傷つくと塗装が剥がれて、傷が広がりやすくなるという問題もあるのです。
そのため樹脂製カラードバンパーが損傷した場合は、傷が広がらないうちに早めの修理を心がける必要があります。
樹脂製無塗装バンパーの傷修理の値段
樹脂製の無塗装バンパーは飾り気のない黒色で、カラードバンパーに比べると傷が付いても目立ちにくく、さらに部品の値段も安いという特長があります。
樹脂製の無塗装バンパーがSUV車や4WD車に多く採用されているのは、野性的なイメージの強調だけでなく、オフロード走行でバンパーに傷が付いても目立ちにくくする目的があるのです。
ただし、無塗装バンパーは本体の樹脂部分が塗料で保護されずに剥き出しになっているため、傷を補修することが難しくなっています。
そのため、無塗装バンパーを修理する場合は、バンパーの交換が必要になり、修理代も高くなることが多いのです。
運転アシストシステム搭載車
最近は前車との車間距離を一定に保持したり、車の後部の様子をモニターや警報音でドライバーに知らせてくれる運転アシストシステムを装備した車が増えています。
こうしたシステムを利用することによって、渋滞時の運転を楽にしたり、狭いスペースへの駐車が簡単にできるようになるのです。
運転アシストシステムを装備した車は、車間距離や車の周囲を探知するためのカメラやレーダーなどのセンサーを装備していますが、こうした機器は、バンパー内側の車体に取り付けられています。
バンパーに衝撃が加わると、内部に装着されたセンサー類の破損が懸念されますが、バンパーは柔らかい樹脂素材で作られており、高い衝撃吸収能力があります。
そのため、小さな擦り傷やへこみが生じる程度の衝撃であれば、運転アシスト機能に支障は出ないようです。
ただし、追突事故でバンパーが破損するような衝撃を受けると、センサーが壊れて運転アシストシステムの機能に障害が発生することが多くなります。
運転アシストシステムを搭載したバンパーを交換する場合は、バンパーの部品代の他にセンサーなどの交換費用や取り付け費用も必要になります。
最新の運転アシストシステムは、駐車時の事故のリスクを軽減するなど、安全走行性を高めてくれます。
ただし、実際に追突事故が起きた場合は、バンパー本体以外にシステムの修理やセンサーを交換する費用も必要になることは覚悟しておきましょう。
車の安全性や利便性を向上させ、維持するためには相応の費用や手間がかかるのです。

樹脂製バンパーをDIY修理する方法と注意点

樹脂製のバンパーについた傷が小さくて浅ければ、カー用品店で販売されているDIY修理キットを用いて、傷を隠したり目立たなくすることが可能です。
ここでは、樹脂製のバンパーをDIY修理する方法や注意点についてご紹介します。
樹脂製バンパーをDIY修理する方法
樹脂製のバンパーをDIYで補修する場合の基本は、傷ついた部分をコンパウンドなどで研磨し、削れた部分をパテで埋めて塗装することです。
また、樹脂は弾力性や復元性が高いのでバンパーに小さなへこみがあっても、へこんだ部分をドライヤーなどで熱して反対側から押せば、たいていは元に戻ります。
バンパーにヒビ割れや欠損箇所がある場合は、パテを塗り込んで欠損部分を埋めて元の形に整形し、再塗装を施せば修理は完了です。
無塗装の黒いバンパーをDIY修理する際の注意点
カラードバンパーの傷を補修する際にはコンパウンドなどの研磨剤を使いますが、無塗装の黒いバンパーをコンパウンドで磨くと傷が余計に目立ってしまうことがあります。
そのため、無塗装の黒いバンパーに付いた傷の補修には、ツヤ出し剤を塗布して、バンパーにツヤが出るようにします。
バンパー全体にツヤ出しをすれば、劣化して白く変色していた部分にも黒いツヤが生じて、傷が目立たなくなるでしょう。
無塗装のバンパーは、傷を完璧に修理したい場合は、部品を交換する必要がありますが、DIYで傷を目立たなくすることは十分可能です。
ただし、ツヤ出しは傷の修理ではないので時間が経つとツヤがなくなって、隠れていた傷が見えてくるので注意する必要があります。
樹脂製バンパーをDIY修理するメリット・デメリット
樹脂素材のバンパーは弾力性や復元性が高いので、鋼板で作られているボンネットやフェンダーよりDIYで修理しやすいのが特徴です。
また、DIY修理に必要なキットはカー用品店で2千円〜1万円程度の値段で販売されており、業者に依頼した場合の半額程度で修理が可能です。
ただしDIY修理には知識や技能が必要であり、失敗すると
×見栄えが悪くなる
×失敗後に専門業者に依頼すると余分な費用がかかることがある
×DIYキットの購入費用や労力が無駄になる
といったリスクがあります。
こうしたデメリットを考え併せると、DIY修理は経験のない人にお勧めできる方法ではありません。
費用は高くついても、専門業者に依頼するのが最善の選択だと言えるでしょう。
まとめ
現在は、バンパーの素材には合成樹脂が用いられるのが一般的です。
樹脂製バンパーの傷の修理は、損傷の度合いだけでなく、素材の特性や塗装の有無に応じて値段も変わってきます。
例えば樹脂製カラードバンパーは、デザインがスタイリッシュな反面、傷が付くと目立ちやすく修理費用が高くなるという弱点があります。
一部の商用車やSUV車・4WD車に装着されている樹脂製の無塗装バンパーは傷が付いても目立ちにくいという特長があります。
その一方で、樹脂製無塗装バンパーは補修が難しいためキレイに修理するには部品の交換が必要になりやすく、結果的に修理の値段が高くなることが多いのです。
樹脂製バンパーの傷をキレイに安全に修理するには、専門業者へ依頼するのが安全確実です。
池内自動車では、樹脂製バンパーの傷修理を3,300円均一でおこなっています。(1ヶ所20cm以内)
樹脂製バンパーの傷修理の値段としては、業界最安価格帯。
樹脂バンパーの傷修理でお悩みの方は、ぜひ一度池内自動車にご相談ください。
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