バンパーをぶつけたら傷なしでも修理は必要?修理代や賢い保険利用について解説
更新日:2024/11/22 | 公開日:2022/03/17
「車のバンパーをぶつけてしまった!」
でも
修理が必要かわからない…
目立つ傷もないし、修理に出そうか迷っている…
バンパーの修理代っていくらかかるの?
そんなお悩みをお持ちではありませんか?
バンパーは、車の中で最も損傷しやすい部品です。
バンパーをぶつけたら、取付部がずれたり外れてしまうのはもちろん。
走行中に跳ね上げた小石がぶつかったり、縁石に乗り上げたりしただけで、傷やへこみがついてしまいます。
最近の車はバンパーと車体が一体成型されていることが多いため、バンパーに傷があったり塗装が剥がれたりしていると、見た目にもよろしくありません。
またバンパーをぶつけて傷なしだったとしても、修理費用がもったいなくて放置していると、後々大変なことになることも…。
そこで、
■バンパーをぶつけた時に修理が必要な理由
■バンパーをぶつけた時の傷やズレの修理代
■バンパーをぶつけた時の修理費用に、賢く保険を使う方法
について解説します。
バンパーをぶつけてお困りの方は、ぜひ参考にしてください。
日守翔吾
大手中古車販売店で7年ほど経験を積んだ後、工場長板金塗装に従事。工場長の経験の経験を経て、2022年に株式会社イケウチに入社。豊富な経験を持ち、板金塗装を中心とした自動車修理業界に精通している。これまでに10,000台以上の車両修理を監修し、お客様からの信頼も厚い。
バンパーをぶつけたら傷なしでも修理が必要な理由
バンパーをぶつけたけれど、どこにも傷やずれがない!と思って修理を怠っていませんか?
バンパーの取付部や周辺には、フォグランプなどの電装部品が装着されています。
一見傷なしでも、バンパーをぶつけると、周辺の電気系統が故障している可能性があります。
そのため、バンパーをぶつけても修理せずに放置していると、思わぬトラブルが発生することがあるのです。
ぶつけたバンパー周辺の電装部品へのダメージ
追突事故などでバンパーをぶつけた場合、目に見える傷や塗装剥がれがなくても、周辺の電装品がダメージを負っていることがあります。
例えば、バンパーの周辺にはフォグランプなどの電装部品が装着されています。
バンパーに傷がなくても、ぶつけた衝撃によって、これらの電装品に損傷が生じることもあるのです。
軽度のダメージであれば車の機能に影響はありませんが、ランプが損傷していると、内部に雨水が溜まってしまうことがあります。
そうなるとランプの内部から車体に水が染み込んで錆が発生するなど様々なトラブルに見舞われることがあります。
そのためバンパーをぶつけた場合は、傷・塗装剥がれ・ずれ等がなくても、まずは専門の修理業者に見積もりを依頼して車の現状を確認・把握するようにしましょう。
ぶつけたバンパー内部のセンサーなどへの影響
最近の車にはバンパーの前後左右に、運転や駐車をアシストするための装備として、レーダーや赤外線センサーが装備されていることがあります。
こうしたレーダーやセンサーは、走行中に前車との適切な車間距離を測定し、自動的に速度を調節してくれます。
また、駐車の際に障害物をモニターに表示したり、障害物との測定して運転者にアラームを発してくれたりするのです。
こうした運転アシストシステムは、安全性向上のために今後も開発・普及が進んでいくでしょう。
ただし、こうしたレーダーやセンサーなどの電子機器はショックに弱いという弱点があります。
バンパーをぶつけた衝撃で電気系統が壊れて、安全システムの機能などに支障が生じることがあります。
バンパーをぶつけると高級車ほど修理の必要性が高い
例えばBMWの最新型では、運転アシストシステムに用いるレーダーや赤外線センサーがフロント&リアバンパーに、合計16 個も搭載されています。
これらの運転アシストシステムに用いるレーダーやセンサーのダメージは、専門業者でなければ確認することはできず、DIYで修理することは不可能です。
BMWやベンツ、レクサスなどの高級車ほど、バンパーをぶつけた時は早急に専門業者やディーラーに修理を依頼する必要があります。
バンパーをぶつけた時の修理代相場
バンパーの修理はディーラー、カー用品店、自動車修理工場などで請け負っています。
最も多い擦り傷とへこみ傷の業者ごとの修理代の相場は以下のとおりです。
バンパーの擦り傷の修理代相場
バンパーの擦り傷(10cm以内) | バンパーの擦り傷(10cm~20cm以内) | バンパーの擦り傷(20cm以上) | |
ディーラー | 15,000円〜25,000円 | 25,000円〜 40,000円 | 40,000円〜50,000円超 |
カー用品店 | 10,000円〜20,000円 | 20,000円〜 30,000円 | 30,000円超 |
自動車修理工場(※) | 3,300円均一 | 3,300円均一 | 30,800円 均一 |
バンパーのへこみ傷の修理代相場
バンパーのへこみ(10cm以内) | バンパーのへこみ(10cm~20cm以内) | バンパーのへこみ(20cm以上) | |
ディーラー | 20,000円〜30,000円 | 30,000円〜 40,000円 | 40,000円〜(傷の大きさによる) |
カー用品店 | 20,000円 前後 | 30,000円前後 | 40,000円〜(傷の大きさによる) |
自動車修理工場(※) | 12,100円 均一 | 16,500円均一 | 23,100円 均一 |
擦り傷・へこみ傷以外の修理代
■バンパーにひび割れがある場合
ぶつけたバンパーの傷が大きかったり、ひび割れがある場合は、ひびの修復と塗装のやり直しが必要です。
その場合は、別途20,000円〜50,000円程度の費用が余分にがかかることがあります。
■エアロパーツが損傷した場合
バンパーをぶつけた際に、スポイラーなどのエアロパーツが損傷した場合は、修理費用が余分にかかります。
通常は3,000円〜5,000円程度高くなりますが、エアロパーツの補修には塗装が必要な場合が多く、その場合は1万円程度高くなります。
ぶつけたバンパーの傷が手のひらサイズで、塗装の必要がなければ、数千円程度の修理代で済むこともあります。
バンパーの交換が必要な場合の修理代
ぶつけたバンパーの損傷が大きくて修復が困難な場合は、バンパーの交換が必要です。
バンパーを交換する場合は、部品代の他にバンパーの脱着作業が必要になるため、5万円〜10万円程度の修理代が必要になります。
バンパー部品は高級車ほど高額になり、例えばBMWの最新モデルであれば、交換には取付工賃を含めて20万〜30万の費用がかかります。
ぶつけたバンパーがずれたり外れた場合
車が縁石に乗り上げたりすると、ぶつけたフロントバンパーが取付部からずれたり外れたりしてしまうことがあります。
バンパーがずれたり外れたりした状態で走行していると、バンパーが脱落して前輪に巻き込まれ、最悪の場合はハンドルやブレーキが利かなくなってしまう危険性があるのです。
ぶつけたバンパーがずれたり外れてしまった場合は、粘着テープなどで車体に固定して応急処置を行ってから早急に修理業者に持ち込む必要があります。
▼修理代の目安や相場について、さらに詳しく知りたい方はこちら
池内自動車のバンパー修理代事例8選
激安修理をモットーにしている池内自動車では、20cm以内のバンパーの擦り傷であれば、修理代は税込3,300円均一です。
そんな池内自動車の、実際のバンパー修理事例と修理代を8選ご紹介します。
事例1:フロントバンパーの擦り傷(修理代3,300円)
事例2:フロントバンパーの擦り傷(修理代3,300円)
事例3:フロントバンパーのえぐれ傷(修理代6,000円)
事例4:フロントバンパーの擦り傷(修理代9,000円)
事例5:リアバンパーのえぐれ傷(修理代11,000円)
事例6:フロントバンパーの擦り傷(修理代15,000円)
事例7:フロントバンパーのへこみ・擦り傷(修理代21,000円)
事例8:リアバンパーの歪み(修理代21,000円)
ぶつけたバンパーはDIYで修理できる?
ぶつけたバンパーのDIY修理は、成功すれば費用を安く抑えることができますが、修理の品質や失敗した時のリスクを考えるとお勧めはできません。
樹脂素材のバンパーはDIY修理が可能
現在は、車のバンパーはポリプロピレンなどの合成樹脂素材で作られています。
こうした樹脂素材で作られたバンパーは、軽い衝撃であれば弾力で元に戻るという特性があります。
そのため、傷やへこみが小さければ、カー用品店などで販売されている修理キットを用いてDIYで修理することは不可能ではありません。
ぶつけたバンパーのDIY修理で失敗するリスク
ぶつけたバンパーを修理するには、専門的な技術や知識が必要だったり、専用の工具や補修剤料を揃える必要があります。経験のない素人が簡単に行えるものではありません。
DIY修理に失敗すると、最悪の場合にはバンパーの交換が必要になることも。
ぶつけたバンパーをDIY修理して失敗すると、余分な修理費用や手間がかかるリスクもあります。
20cm程度の小さな擦り傷であれば、DIYで修理することもできますが、DIYには修理キットなどの購入費用が必要です。
また、慣れない人がDIYで修理に失敗すると、リカバリーのために修理代が高くなってしまうこともあります。
小さな傷であっても、最初から専門の修理業者に依頼する方が確実で安心できます。
ぶつけたバンパーの修理費用は車両保険or自費どちらがお得?
ぶつけたバンパーの修理費用は、車両保険を使用するのか、それとも自費で修理する方がよいのか。
それぞれメリット・デメリットを考える必要があります。
車両保険を利用すると次回以降の保険料がアップ!
自損事故でバンパーをぶつけた時には、車両保険を利用して修理代をまかなうことができます。
ただし、車両保険を使うと自動車保険の等級がダウンして、次年度以降の保険料が大幅にアップしてしまうのです。
例えば、自損事故の修理に車両保険を利用すると、保険等級が3ランクダウンして、保険料の割引率が3年間低下します。
さらに、3年間は「事故有」として高い保険料率が適用されてしまいます。
そのため、1度自損事故で車両保険を利用すると3年間にわたって支払保険料が20%〜30%高くなります。
例えば、支払保険料が年間10万円の人であれば、3年間で10万円近く保険料がアップします。
修理代が5万円なのに、保険料の支払額が10万円増えるのであれば、保険を利用する意味が無くなってしまうでしょう。
保険等級別割引率
修理代が少額の場合は保険を使わない方がお得
修理代が5万円以下の小さな傷であれば、車両保険を使わずに自費で支払った方がトータルの負担が少なくなることが多いのです。
保険を利用する場合には、この点に注意が必要です。
特に、バンパーの修理代は、国産車であれば部品交換がなければ5万円を超えることはめったにありません。そのため、バンパーの修理に車両保険を利用するかどうかは、慎重に検討した方がよいでしょう。
車両保険を利用した場合の保険料のアップ額は、加入している保険会社に問い合わせればわかります。
保険利用の可否は、修理代の見積額と保険料のアップ額を比べた上で決定するようにしましょう。
車両保険の種類と保障内容
車両保険には次の2つの種類があり、それぞれ保険料と保障範囲が異なります。
一般型車両保険
一般型の車両保険は、過失による自損事故、当て逃げ、イタズラ、盗難、災害など車の損害を幅広く補償します。ただし、保険料は高額で条件や車種によって年間10万円を超えることもあります。
免許を取得して間がなく事故を起こしやすい人や、高級車を購入した人は、保険料が高くても保障範囲の広い一般型に加入しておく方がよいでしょう。
エコノミー型車両保険
エコノミー型車両保険は、自損事故や当て逃げは補償の対象になりませんが、一般型車両保険より3割近く保険料が安いのが特長です。
車の運転に慣れていて、自損事故は起こさない自信がある人は、保険料の安いエコノミー型でもよいかもしれません。
また、年式が古く検討市場価値の低い車に乗っている人は、エコノミー型で十分だと言えるでしょう。
エコノミー型の車両保険は、自損事故や当て逃げの補償は不要と割り切って、保険料を安くしたい人に向いています。
まとめ
ここまで、バンパーをぶつけた際の修理の必要性や、修理費用の相場、車両保険の使い方などについてご紹介しました。
ぶつけたバンパーの傷や塗装のはがれが小さい場合は、市販の修理キットを用いてDIYで修復することは不可能ではありません。
ただしぶつけたバンパーをDIYで補修しようとする場合は、修理の出来ばえや失敗した時のリスクを併せて考える必要があります。
またぶつけたバンパーの修理費用に車両保険を使う場合は、等級ダウンによる保険料の増加も考慮する必要があります。
バンパーをぶつけたりして傷が付いたり塗装がはがれたりしていると、単に見栄えが悪いだけでは済まなくなります。
破損の程度や内容によっては、安全性確保が不十分とみなされて車検にパスしないことがあるのです。
バンパーをぶつけたら、傷や塗装剥がれがなくても、早急に専門の修理業者に状態を見てもらいましょう。
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