地震・落下物で車が傷ついたときの対応|直後にすることと傷の直し方

更新日:2026/10/16 | 公開日:2026/10/17

板金塗装全般

地震・落下物で車が傷ついたときの対応|直後にすることと傷の直し方

大きな揺れが収まって外に出てみると、駐車場の車に瓦のかけらが載っていた。強い風の翌朝、看板や木の枝が車の上に落ちていた。自分ではどうにもできない出来事で車が傷つくと、驚きと同時に、何から手を付ければよいのか分からなくなります。

地震や災害の直後は、住まいや家族のこと、職場のことなど、車より先に考えることがたくさんあります。車の傷は急いで決めなくてよいことのほうが多い一方で、最初に残しておかないと後から困ることも少しだけあります。

板金塗装を扱っている立場から、落下物で車が傷ついたときに順番にやること(安全の確認・記録・連絡)と、ボディの傷をどう直すか、費用はどう決まるかを整理します。保険の損得の話は別の記事に任せ、ここでは直後の動き方と直し方に絞ります。

その傷、いくらで直るか
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最初にするのは車の確認ではなく、周りの安全を確かめること

落下物で車が傷ついた場面では、車の上にあるものより、頭の上に残っているものに注意が要ります。地震のあとは余震で瓦や外壁が続けて落ちることがあり、強風のあとも折れかけた枝が残っていることがあります。

車に近づく前に、まず上を見てください。屋根のふち、建物の外壁、看板の取り付け部分、電線、街路樹の枝。落ちてきそうなものがあるうちは、車のそばに長くとどまらないほうが安全です。

電線が車に触れている、または車の近くに垂れ下がっている場合は、車にも電線にも触れず、離れた場所から電力会社や消防に連絡します。車の傷はあとから直せますが、感電や落下物によるけがは取り返しがつきません。

避難の指示が出ているときや、建物の被害が大きいときは、車のことは後回しで構いません。落ち着いてから確認しても、傷の状態が大きく変わることはほとんどありません。

動かす前に、走れる状態かどうかを見る

周りの安全が確かめられたら、次は車を動かしてよい状態かを見ます。ボディの傷やへこみそのものは、走行にすぐ影響しないことが多いものです。確認したいのは、運転に関わる部分です。

目で見て確かめたいのは次のような点です。

- フロントガラスやリアガラスにひびや割れがないか。視界がさえぎられていないか

- ドアミラーが割れたり、向きが大きく変わったりしていないか

- ヘッドライトやテールランプが割れていないか

- 落下物がタイヤの下や車の下に入り込んでいないか

- ボンネットが浮いていたり、閉まりきっていなかったりしないか

ガラスが割れている、ボンネットが浮いているといった状態で走ると、走行中に視界を失ったり、破片が飛んだりするおそれがあります。この場合は無理に動かさず、ロードサービスなどを使って運ぶ方法を検討してください。

ガラスの修理は、ガラスを専門に扱う業者の領域です。池内自動車はボディの板金塗装に専門を絞っているため、ガラスの交換が必要な場合は、ガラス専門店や販売店に相談しておくと進めやすくなります。ボディ側の傷は、そのあとで落ち着いて直せば間に合います。

落ちてきた物は、引きずらずに持ち上げてどける

車の上に瓦や枝が載ったままだと、つい手で払い落としたくなります。ただ、ここで引きずると、落ちてきたときの傷よりも大きな傷を自分で広げてしまうことがあります。

瓦のかけらやブロック片は角がとがっていて、塗装の上を滑らせるだけで線状の傷が入ります。木の枝も同じで、枝先を引っ張ると細い傷が何本も走ります。落下物は、できるだけ真上に持ち上げてから下ろしてください。

どける前に、落ちてきた状態のまま写真を1枚撮っておくと、後の連絡がずっと楽になります。何がどこに当たったのかが一目で伝わるからです。撮り方は次の節でまとめます。

どけたあと、ボディの上に砂やガラスの細かい破片が残っていることがあります。乾いた布やタオルでこすり落とすと、それが研磨剤のように働いて傷が増えます。水をかけて流すか、そのままにしておくほうが無難です。

大きな看板や倒れた木など、一人で持ち上げられないものは無理をしないでください。けがの原因になるほか、傾いた拍子に車のほかの部分へ当たることもあります。所有者や管理者に連絡し、どけてもらう段取りを取るのが確実です。

写真は「全体・当たった所・落ちてきた物・周りの状況」の4種類で残す

落下物による傷は、あとから「いつ、何が原因でついた傷か」を説明する場面が出てきます。保険会社への連絡でも、看板や木の持ち主とのやり取りでも、修理の見積もりでも、写真があれば話が早く進みます。

撮っておきたいのは次の4種類です。

撮るもの撮り方の目安
車の全体前後左右から1枚ずつ。ナンバーが写る角度を1枚入れる
当たった所少し離れた位置と、近づいた位置の2段階で撮る
落ちてきた物車に載った状態、どけたあとの状態の両方
周りの状況瓦が落ちた屋根、折れた枝、外れた看板など、出どころが分かるもの

へこみは、正面から撮ると写真では平らに見えがちです。斜めから光が当たる角度で撮ると、影が出て形が分かりやすくなります。傷の大きさが伝わるように、定規やカードなど大きさの分かるものを横に置いて撮るのも効果があります。

撮った写真は日付が残るようにしておきます。スマートフォンで撮れば、撮影日時は写真の情報として自動で残ります。加えて、いつ・どこで・何が起きたかを短くメモしておくと、あとで思い出す手間が省けます。

この写真はそのまま修理の見積もりにも使えます。当社の場合は写真を送るだけで見積もりを依頼できるため、撮り直す手間がかかりません。

連絡先は3つ。保険会社・落下物の持ち主・車の管理者

写真を残したら、関係する相手に連絡します。どこへ連絡するかは、何が落ちてきたか、車がどこに停まっていたかで変わります。

1. 自分の保険会社(または代理店)

車両保険に入っている場合は、補償の対象になるかどうかを含めて、まず保険会社に状況を伝えておきます。落下物や飛来物による損害をどう扱うかは、契約の種類や特約によって異なります。

とくに地震が原因の損害は、台風や強風による損害とは扱いが分かれていることがあります。特約の有無で変わる場合もあるため、ご自身の契約でどうなるかは、保険会社に直接確認してください。こちらで「使える」「使えない」を判断することはできません。

保険を使うか自費で直すかの考え方は、保険を使うべきか自費修理かを等級ダウンと修理代で比べた記事で整理しています。車両保険そのものの仕組みは車両保険が必要な人と注意点の解説が参考になります。

2. 落ちてきた物の持ち主・管理者

隣の家の瓦、店舗の看板、公園や道路の街路樹など、落ちてきた物に持ち主がいる場合は、その持ち主や管理者に知らせます。道路の街路樹なら道路を管理する自治体、店舗の看板ならそのお店が相手になります。

責任の考え方は、原因や状況によって変わります。地震のような自然の力によるものか、もともと傷んでいた物が落ちたのかで、話し合いの前提も違ってきます。その場で結論を出そうとせず、写真と状況を共有し、双方の保険会社を通して進めるのが落ち着いた進め方です。

3. 駐車場の管理会社・勤務先

マンションや月極の駐車場、会社の駐車場に停めていた場合は、管理会社や勤務先にも連絡しておきます。同じ駐車場の他の車も被害を受けていることがあり、管理側がまとめて状況を把握している場合があります。社用車なら、社内の報告ルールに沿って担当者へ伝えてください。

落ちてきた物によって、傷のつき方が違う

落下物の傷と一口にいっても、何が落ちてきたかで傷の形が変わります。どんな傷かが分かると、直し方と費用の見当がつけやすくなります。

瓦・ブロック片:へこみと、角が当たった点状の傷

瓦やブロック片は重さがあり、屋根(ルーフ)やボンネットに当たるとへこみができやすい落下物です。角が当たった所は塗装が欠け、下地が見えていることもあります。割れた瓦が跳ねて、ドアやフェンダーに傷が広がることもあります。

看板・トタン:線状の長い傷とへこみ

看板やトタン板は面が広く、縁が薄いものが多いので、当たった所に長い線状の傷が残りやすくなります。風で飛ばされてきた場合は、車の側面に沿って擦れた跡が付くこともあります。

木の枝:細かい擦り傷が広い範囲に

枝は一本一本は軽くても、枝先が塗装の上を広い範囲で擦ります。細かい擦り傷が多数できる一方、へこみは小さいことが多い落下物です。太い枝が落ちた場合は、瓦と同じようにへこみができます。

小さなものが多数:雹(ひょう)に近い傷

小石や砕けた瓦の細かいかけらが大量に降った場合は、小さなへこみが面全体に散らばることがあります。見た目は雹の被害に近く、1か所ずつ直すのとは進め方が変わります。面全体に小さなへこみが広がっているときの考え方は、雹害車の修理費用と直し方の記事が参考になります。

傷の直し方は、素材と「塗装が切れているか」で決まる

車のドアとサイドにパテを付けた板金塗装の途中

落下物の傷を直すときは、まず当たった所の素材を見ます。屋根・ボンネット・ドア・フェンダーは鉄板、バンパーは樹脂(プラスチック)が一般的です。素材が違うと、作業の中身も費用の出発点も変わります。

塗装の表面だけの擦り傷

枝で擦れた細かい傷など、塗装の表面にとどまっている傷は、傷んだ層を整えて塗り直すことで目立たなくなります。塗装が剥がれて下地が見えている「えぐれ傷」は、下地から作り直す工程が加わるため別料金です。

鉄板のへこみ

屋根やボンネットのへこみは、鉄板を裏から押し出したり、表から引き出したりして形を戻します。形が戻ったら表面を整え、塗装して仕上げます。色が周りと合いにくいときは、ぼかし塗装で周囲となじませます。

屋根のへこみは、内張りの裏から作業できる範囲かどうかで手間が変わります。屋根ならではの事情は車の屋根(ルーフ)のへこみの原因と直し方で、ボンネットの場合はボンネットの凹み修理と相場の解説で詳しく扱っています。

バンパーの割れ・へこみ

落下物がバンパーに当たって割れた場合は、割れた所を補修して塗装するか、部品ごと交換するかを選びます。樹脂は鉄板より柔らかく、へこみが自然に戻りきらずに跡が残ることもあります。

直すより替えたほうがよい場合

へこみが深い、面全体にへこみが広がっている、骨格に近い部分まで変形しているといった場合は、部品ごと交換したほうが結果として早く、費用も抑えられることがあります。当社では新品の部品のほか、中古の部品と交換する選択肢も用意しています。

ただし、中古部品が見つかるかどうかは車種と年式しだいです。部品が出るかどうか、どのくらいで届くかは、見積もりの段階でお伝えします。直すか替えるかは、実車の状態と費用の両方を見て一緒に決めます。

費用の目安は部位と大きさで決まる

フロントフェンダーの塗膜が剥がれた白い車

当社の料金は、部位の素材、損傷の種類、大きさで区切っています。車種やボディカラーによる割増はなく、外車やパール・メタリックの塗装でも同じ料金です。

ドア・フェンダー・ボンネット・屋根などの鉄板パーツ(税込)

損傷10cm以内20cm以内20cm以上
すり傷25,000円〜37,000円〜46,000円〜
へこみ37,000円〜46,000円〜58,000円〜

バンパーなど樹脂パーツの場合、すり傷(10cm以内)は3,300円〜(税込)、へこみ(10cm以内)は18,000円〜(税込)、割れは37,000円〜(税込)が目安です。どの金額も、クリア塗装までの浅い傷を対象にしています。

落下物の被害は、屋根とボンネット、ボンネットとフェンダーのように、複数の鉄板パネルにまたがることがよくあります。鉄板パネルを2枚以上同時に直す場合はセット割引が使え、樹脂部品と交換部品を除いた合計額から最大10%を引きます。バンパーなど樹脂パーツはセット割引の対象外です。

実際の金額は、傷の数、深さ、交換する部品の有無で動きます。落下物の傷は1か所ずつ大きさが違うことが多いので、写真で全体を見てから、どこをどう直すかと合わせて金額をお出しします。部位ごとの料金は料金表のページにまとめています。

急がなくてよい傷と、早めに見てもらいたい傷

災害のあとは、生活の立て直しが先になります。車の傷は、ほとんどの場合、すぐに直さなくても困りません。ただ、放っておくと直す範囲が広がる傷もあります。

早めに見てもらいたいのは、鉄板の塗装が欠けて下地の金属が見えている傷です。むき出しになった鉄板は、雨や湿気で錆が出ます。錆は塗装の下へ広がるため、時間がたつほど直す範囲が大きくなります。錆が出始めた傷の扱いは車の傷を放置したときの錆の話でも触れています。

すぐに直せないときは、下地が見えている所に水が溜まらないようにしておくだけでも違います。屋根のへこみは雨水が溜まりやすいので、車を少し傾いた場所に停める、カバーをかけるといった工夫が役に立ちます。

反対に、塗装の表面だけの細かい擦り傷や、塗装が割れていない浅いへこみは、落ち着いてからの修理で間に合います。まずは写真を残し、生活が落ち着いた段階で見積もりを取れば十分です。

よくある質問

Q. 余震が続いている間に、修理の相談をしてもよいですか

相談は、車を動かさなくても始められます。写真を送る方法なら、自宅にいながら見積もりを受け取れます。店舗まで運転するのは、道路や周りの状況が落ち着き、車が走れる状態だと確かめられてからで十分です。

Q. 隣の家の瓦が落ちてきました。修理代はどうなりますか

原因や状況によって考え方が変わるため、その場で決めないほうが安心です。写真で状況を残し、相手の方と情報を共有したうえで、双方の保険会社に相談して進めてください。修理の見積書は、話し合いの材料として使えます。

Q. 見積もりだけでも頼めますか

頼めます。見積もりはオンラインで写真を送る方法と、店舗にお越しいただく方法があり、どちらも無料です。見積もりのあとに修理をお断りいただいても、キャンセル料はかかりません。保険会社や相手方との相談に使うために、見積もりだけ取っておく方もいます。

Q. 修理にはどのくらいかかりますか

表面の傷や小さなへこみであれば、最短当日でお返しできます。骨格の修正が必要なほど変形している場合は数日かかります。部品を交換する場合は、部品が届くまでの日数も加わります。

Q. 車を預けている間の足はどうなりますか

修理工賃(部品代を除く作業費用)が税込50,000円以上の場合、無料の引き取り・納車か、代車の無料貸し出しのどちらか一方をご利用いただけます。災害のあとで店舗まで運転しにくいときは、見積もりの段階でご相談ください。

池内自動車の板金塗装について

池内自動車は、全国35店舗で年間39,000台以上の修理を扱う板金塗装の専門チェーンです。全店年中無休で、夜20時まで受け付けています。

落下物の傷は、1台に何か所もあることが少なくありません。当社は仕上がりを限界まで追い込むために工程を重ねるのではなく、しっかり直った状態に必要な作業に絞って仕上げます。過剰な工程を積み上げない分、早く、安く車をお返しできます。

見積もりは写真を送るだけで、60秒ほどで依頼できます。回答は原則10分以内で、超えた場合は1,000円割引します。前の節で撮った写真をそのまま送っていただければ、傷の場所ごとに直し方と金額をお伝えします。

写真だけでは判断しきれない損傷の場合は、店舗で実車を確認させてください。どのような傷がどう直ったかは修理事例のページでご覧いただけます。当日中に直せる傷の目安は即日修理ができる傷・凹みの判断基準にまとめています。

まとめ:安全を確かめ、写真を残してから、落ち着いて直す

落下物で車が傷ついたら、まず頭上と周りの安全を確かめ、車を動かせる状態かを見てください。ガラスやボンネットに異常があれば、無理に走らせないことが先です。

次に、落ちてきた物をどける前と後の写真を残し、保険会社、落下物の持ち主、駐車場の管理者へ連絡します。地震による損害の扱いは契約によって違うので、ご自身の契約を保険会社に確認してください。

ボディの傷は、下地が見えている傷だけ早めに手当てをすれば、あとは生活が落ち着いてからの修理で間に合います。直すときは、撮っておいた写真を無料見積もりのフォームから送ってください。どこをどう直すか、いくらかかるかを、傷の場所ごとにお伝えします。

読んだ内容で迷ったら、
写真を1枚送ってみてください。

傷の程度は写真を見れば判断できます。入力は60秒、回答は原則10分以内。
修理は最短当日で仕上がります。ご来店での見積もりも無料です。

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※バンパーのすり傷(10cm以内)3,300円〜(税込)/20cm以内 6,000円〜(税込)

監修者情報
株式会社イケウチ 技術部長 日守翔吾
株式会社イケウチ 技術部長
日守翔吾

大手中古車販売店で7年ほど経験を積んだ後、板金塗装に従事。工場長の経験を経て、2022年に株式会社イケウチに入社。豊富な経験を持ち、板金塗装を中心とした自動車修理業界に精通している。これまでに10,000台以上の車両修理を監修し、お客様からの信頼も厚い。

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