ピラーの傷・凹みは板金で直せる?骨格に当たる部位ならではの注意点
更新日:2026/09/14 | 公開日:2026/09/14
立体駐車場の柱にドアの後ろを当ててしまった。狭い駐車枠で隣に気を取られ、車体の横を擦った。乗り降りのときに足で蹴ってしまった。ピラーの傷は、こういう場面でできます。
困るのは、調べても答えが出てこないことです。バンパーやドアの修理代はいくらでも見つかりますが、ピラーの話になると「骨格だから高い」「修復歴がつく」といった断片ばかりが出てきます。自分の車がどちらなのか、そこが分かりません。
板金塗装を扱っている立場から、ピラーの傷がどこまで塗装の範囲で、どこから柱そのものの話になるのかを切り分けて説明します。実車を見ないと決まらない部分は、そう書きます。
その傷、いくらで直るか
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バンパーのすり傷(10cm以内)なら3,300円〜(税込)です。
※回答が10分を超えた場合は、修理代金から1,000円を差し引きます。
ピラーは車体を支える柱。ボンネットやドアとは修理の前提が変わる
ピラーは、屋根と車体をつないでいる柱です。フロントガラスの脇にあるのがフロントピラー(Aピラー)、前後のドアの間に立っているのがセンターピラー(Bピラー)、後ろの窓の脇にあるのがリアピラー(Cピラー)です。
ボンネット、ドア、バンパーは、ボルトや留め具で車体に取り付けられている部品です。外して持ってくることも、部品ごと替えることもできます。ピラーはそうではありません。車体の骨組みと溶接でつながっていて、屋根とフロア(床)を結ぶ形で車の骨格の一部になっています。
この違いが修理の前提を変えます。外板であれば「直すか、替えるか」を選べますが、ピラーは取り外して交換する部品ではないため、基本はその場で直す方向になります。
もう1つ、乗員を守る役割もあります。横から力を受けたとき、車内の空間を残すのがこの柱です。だからピラーの相談は、見た目をどう戻すかだけでは終わりません。傷の下で何が起きているかを先に確かめる必要があります。
ピラーの傷は「塗装面まで」か「柱そのもの」かで分かれる
最初に決めるのはこの一点です。同じ「ピラーの傷」でも、この2つで費用も日数も別の話になります。
| 状態 | 見え方 | 修理の方向 |
|---|---|---|
| クリア層でとどまっている擦り傷 | 白っぽい線。角度を変えると見えにくくなる | 塗装の範囲 |
| 塗装が剥がれて下地が出ている | 傷の底が黒っぽい、または金属色。茶色い点が出ていることもある | 塗装の範囲(えぐれ傷として扱う) |
| 面が押されているが折れ目はない | なだらかに沈んでいる。光を当てると歪んで映る | 板金と塗装で対応できる場合がある |
| 折れ目や角の潰れがある | 金属に筋が入っている。周りの隙間が変わっている | 骨格の修正を含む判断になる |
上の2つは、外板の傷と考え方が同じです。表面を整えて塗り直せば戻ります。
下の2つになると、柱の形そのものが変わっている可能性が出てきます。特に折れ目が入っている場合、そこは力を受けて曲がった跡です。表面をきれいにしても、力が抜けた方向に車体がゆがんだままなら直ったことになりません。
判断は実車を見ないと決まりません。ただ、自分で当たりを付ける手がかりはあります。次の項で整理します。
見分けるための手がかりは、ドアの閉まり方と隙間にある

柱が動いているかどうかは、ピラーそのものより周りに出ます。ピラーはドアが当たる相手なので、変化がドアの側に表れるためです。
ドアの閉まり方
以前より強く押さないと閉まらない、または閉めたときの音が変わったなら、当たり方が変わっています。逆に、すかっと軽く閉まるようになった場合も、隙間が開いている可能性があります。
隙間の通り方
ドアとピラーのあいだの隙間は、現場では「チリ」と呼ばれます。上と下で幅が違って見える、片側だけ広いといった状態は、どちらかが動いている合図です。反対側の同じ場所と見比べると差が分かります。
ゴムの当たり跡
ドアの縁にはウェザーストリップというゴムが回っています。閉めたときにゴムが均等につぶれることで、水と風の侵入を防ぎます。ゴムの当たり跡が片側だけ強い、あるいは跡がついていない箇所があれば、当たりが変わっています。
継ぎ目の状態
ピラーの付け根には、パネルの合わせ目を埋めるシーリングが入っています。ここに割れやしわが出ていれば、力がかかった跡です。この見方は板金塗装した跡を自分でチェックする方法でも扱っているので、あわせて見てください。
走っているときの変化
窓を閉めているのに風の音が入る、雨のあとに天井の内張りや足元が湿っている、といった変化も手がかりになります。
内張りを自分で外して中を確認するのは避けてください。留め具が割れるほか、ピラーの内側には後の項で触れる部品が通っています。
塗装面までの傷なら、外板と同じ流れで直せる

塗装の範囲で収まる傷であれば、作業はドアやフェンダーと変わりません。傷の深さを確かめ、下地を整え、色を作って塗り、乾燥設備(ヒーター等)で焼き付けます。
色は、カラーコードどおりに作っても周りと差が出ることがあります。日焼けの進み方が場所ごとに違うためです。当社ではテスト板に試し塗りをして乾かし、実車と見比べてから本塗りに入ります。それでも差が残る場合は、隣の面まで塗料を薄く広げるぼかし塗装でなじませます。
費用の考え方は、鉄板のパネルと同じ体系です。当社の場合は次のように区切っています。
| 損傷 | 10cm以内 | 20cm以内 | 20cm以上 |
|---|---|---|---|
| すり傷 | 25,000円〜(税込) | 37,000円〜(税込) | 46,000円〜(税込) |
| へこみ | 37,000円〜(税込) | 46,000円〜(税込) | 58,000円〜(税込) |
この金額はクリア塗装までの浅い傷を対象にしたものです。塗装が剥がれて下地が見えているえぐれ傷は別料金になります。車種やボディカラーによる割増はありません。外車でも、パールでも、メタリックでも同じ表です。
参考として、バンパーなど樹脂パーツのすり傷(10cm以内)は3,300円〜(税込)です。素材が違えば作業が違うので、出発点の金額も変わります。鉄板パネルの料金の考え方はドアの傷修理の費用でも同じ体系で説明しています。部位ごとの一覧は損傷と部位別の修理料金の目安にまとめました。
ただし、ピラーは骨格に当たる部位です。柱が動いている場合はこの表の枠に収まらないため、実車を見てからの見積もりになります。だから、表面の傷なのか柱の変形なのかを先に切り分けます。
黒い部分は別の部品になっている車種がある
センターピラーの外側が、黒い樹脂のパネル(ピラーガーニッシュ)で覆われている車種があります。ガラスと同じ面に見えるよう、光沢のある黒で仕上げた車種も見かけます。ここは塗装された鉄板ではなく別部品なので、扱いが変わります。光沢のある黒い部分の傷についてはピアノブラックのピラーの傷の扱いにまとめています。
費用を抑えられる場合がある2つの条件
鉄板パネルを2枚以上まとめて直す場合は、セット割引の対象になります。ピラーとドアの両方に傷が及んでいるようなケースが当てはまります。バンパーなどの樹脂パーツは対象外です。
もう1つは相見積もり割引で、他社の正式な見積書をお持ちいただいた場合に適用します。ただし自動車保険を使う修理は対象外です。
柱そのものが変形しているときは、骨格の修正になる
折れ目が入っている、隙間が明らかにずれている、といった状態では、表面を整えるだけでは戻りません。骨格のゆがみを戻す作業が必要になります。
この作業は、車体を専用の台に固定し、寸法を測りながら力をかけて元の位置へ戻していく形で進めます。仕上がりの判定も見た目ではなく、寸法が設計どおりに戻っているかで行います。当社では骨格の修正まで対応しています。ただし、どこまで戻せるかは損傷の入り方によって変わるため、まずご相談ください。
損傷が大きい場合には、パネルを切り取って新しいものを溶接する方法が取られることもあります。板金で直しきれない部分について新品または中古の部品と交換する対応もしていますが、ピラーは取り外して交換する部品ではないため、どの方法になるかは実車を見てからの判断になります。
日数は、表面の傷と骨格の修正で大きく変わります。塗装の範囲で収まる表面の傷なら最短当日で承っていますが、柱そのものが動いていて骨格の修正が入る場合は数日かかります。どちらになるかは状態を見てからお伝えします。骨格のゆがみそのものの一般的な話は車のフレームが歪んだときの修理で扱っています。
「たぶん大丈夫」で済ませないほうがよい理由
ピラーは、次に衝突したときに力を受け止める部分です。曲がったまま乗り続けても普段の運転で困らないことはありますが、設計どおりの強度が残っているかは外から見て分かりません。
まっすぐ走らない、タイヤの片側だけ早く減る、といった症状が出ることもあります。ただしこれらはサスペンションの状態でも起きるため、症状だけで柱のせいだと決めるのは無理があります。切り分けは、実車を見て判断します。
ピラーを直すと修復歴になるのかは、どこに手を入れたかで決まる
ピラーの相談で多いのが、この不安です。骨格の部位に手を入れると中古車としての評価が下がると聞いて、修理そのものをためらってしまう方がいます。
分けて考えてください。判定の基準になるのは「骨格に手を入れたかどうか」です。柱の形を直したり、パネルを交換したりすればその範囲に入りますが、表面の塗装を直しただけであれば話が変わります。傷の相談で持ち込まれるものの多くは、塗装面でとどまっている擦り傷です。
どの部位が該当してどの部位が該当しないのかは査定の基準側で決まっているので、修復歴になる部位とならない部位の一覧で確認してください。フロントピラーとセンターピラーで扱いが変わるのかといった線引きも、そちらにまとめています。
売却や下取りを考えている場合は、見積もりの内容を見せてもらい、どの部位にどの作業が入っているかを聞いておくと後で説明できます。当社でも、骨格に触れる作業が含まれるかどうかは見積もりの段階でお伝えします。
内張りの中に何が通っているかで、作業の段取りが変わる
ピラーの内側には、思ったより多くのものが収まっています。塗装や板金でこの部分に触る場合、内張りを外してから作業し、戻すまでが一続きになります。
| 場所 | 通っているもの | 修理で関わってくるところ |
|---|---|---|
| フロントピラー・屋根の縁 | カーテンエアバッグ(横からの衝撃で膨らむもの) | 装備されている車種では、内張りの脱着に手順がある |
| センターピラー | シートベルトの巻き取り装置、高さの調整機構 | 取り外しと取り付けが必要になる |
| 各ピラー | 配線、スピーカー、アンテナの線 | 脱着の手間が加わる |
| ピラーの内部 | 補強材、水の通り道 | 裏側から工具を入れられない構造になっている |
| ドアの合わせ面 | ウェザーストリップ、水切り | 当たり方が変わると水と風が入る |
裏側から手が入らないという点が、ピラーの板金を難しくしています。ドアやフェンダーなら裏から起こす手が使えますが、柱の中は補強で仕切られているため、表からの作業が中心になります。
フロントガラスの上部にカメラやセンサーが付いている車種では、フロントピラーの近くが作業範囲に入ることがあります。こうした機器の調整は専用の機器が必要な作業です。作業範囲に入るかどうかと、調整の対応可否は、依頼先に先に確認しておくと二度手間になりません。
放置すると、錆と雨漏りが先に出る
ピラーの傷を急がなくてよいかどうかは、塗装が切れているかで決まります。
傷の底が白っぽく、水で濡らすと見えなくなるなら、クリア層でとどまっています。この状態なら錆の心配はありません。爪が引っかかる、濡らしても線が残る、茶色い点が出ている、という場合は下地が出ています。鉄板は水と空気に触れれば錆びるので、放っておいた分だけ直す範囲が広がります。錆の進み方は車の傷を放置するとどうなるかで解説しています。
ピラーで特に気をつけたいのは、水の伝い方です。屋根に降った雨は、窓枠やピラーの縁を通って下へ流れます。傷が縁や継ぎ目にかかっていると、水がその場所を毎回通ることになります。
もう1つは雨漏りです。柱が動いてゴムの当たりが変わると、そこから水が入ります。天井の内張りの端が湿る、足元のカーペットが濡れる、といった形で後から気づくことが多いところです。金属の内側に水が回れば、見えない場所から錆が出ます。
車検との関係も気にされますが、ピラーの傷が問題になるのは、鋭く尖った部分が出ている場合や、装備の働きに影響が出ている場合です。傷や凹みが検査でどう扱われるかは車検に通らない傷・凹みの基準で部位別に整理しています。
見積もりのときに伝えておくとよいこと

ピラーは、写真だけで判断しきれないことがある部位です。それでも、次の情報があれば見当がつけやすくなります。
写真の撮り方
1. 傷の正面から1枚。大きさが分かるように、指や名刺を近くに置くと伝わります
2. 斜めから1枚。凹みの有無は真正面より斜めのほうが分かります
3. ドアを閉めた状態で、隙間が写るように1枚
4. ドアを開けた状態で、当たる面が見えるように1枚
5. 車全体を1枚。車種と、傷の位置関係が分かります
言葉で伝えておくとよいこと
何にぶつけたか(柱、壁、他の車)、どの方向から当たったか、ぶつけたあとに変わったことはあるか。この3つです。特に「閉まりが重くなった」「音が出るようになった」「雨のあとに湿っていた」は、外から見えない部分を疑う材料になります。
写真と状況をお送りいただければ、写真を送るだけの無料見積もりで費用の目安をお返しします。入力は60秒ほどで済みます。柱の変形が疑われる場合は、実車の確認をご案内します。無理にお勧めすることはありませんし、見積もりのあとにお断りいただいても費用はかかりません。
実際にどのくらいまで戻るのかは、修理事例の写真と費用で確かめられます。似た部位の事例を探してみてください。
よくある質問
Q. ピラーの擦り傷は磨けば消えますか
クリア層でとどまっている浅いものなら、目立たなくなることがあります。爪が引っかかる深さや、下地が見えている状態では戻りません。磨いて足りるのか塗り直しが必要なのかの見きわめが先で、判断を誤ると塗装を薄くしてしまいます。深さの確認は実物を見る作業になります。
Q. ピラーだけ交換できますか
ピラーは車体と溶接でつながっているので、ボルトを外して替える部品ではありません。損傷が大きい場合にパネルを切って新しいものを溶接する方法はありますが、どの方法を採るかは実車を見てからの判断です。
Q. ドアを開けたときに見える内側の面も直せますか
塗装された面であれば、外側と同じ考え方で対応します。ただし、その付近はゴムや内張りに隠れる部分があるため、脱着の段取りが入ります。作業の範囲が変わるので、写真は開けた状態でも撮っておいてください。
Q. 立体駐車場の柱に擦りました。相手がいない場合はどうなりますか
自分の車だけの損傷であれば、修理費は自費か、ご自身の契約で対応する形になります。使えるかどうか、使ったときにどうなるかは契約内容と保険会社によって異なるので、加入先に確認してください。当社では自費の場合の金額を先にお出しできるので、比べる材料としてお使いいただけます。
Q. センターピラーが凹んでいます。乗っていても大丈夫ですか
凹みの深さと、柱の形が変わっているかによります。ドアの閉まりが変わった、走っていて違和感がある、といった変化があるなら早めに見てもらってください。安全に関わる部分なので、写真だけで問題ないと申し上げることはできません。
Q. 修理のあいだ、車がないと困ります
修理工賃(部品代を除く作業費用)が税込50,000円以上になる場合は、無料の引き取り・納車か、代車の無料貸し出しのどちらか一方をご利用いただけます。併用はできないので、どちらが助かるかをお申し付けください。
池内自動車の板金塗装について

池内自動車は板金塗装を専門にしている修理チェーンです。全国35店舗で、年間39,000台以上の修理を扱っています。
修理内容ごとに料金をあらかじめ決めており、ドアやフェンダーなどの鉄板パーツは10cm以内のすり傷で25,000円〜(税込)から承っています。バンパーなど樹脂パーツのすり傷(10cm以内)は3,300円〜(税込)で、素材によって体系が分かれます。塗装が剥がれて下地が見えているえぐれ傷は別料金です。ピラーは骨格に当たる部位なので、柱の変形が疑われる場合は実車の確認をご案内します。
骨格の修正まで含めて対応しています。損傷の入り方によって進め方が変わるため、まずはご相談ください。
パテと塗装はいずれも乾燥設備(ヒーター等)で焼き付けています。仕上がりを限界まで追い込むために時間と費用を積み上げるのではなく、しっかり直った状態に必要な工程だけを踏みます。過剰にやらない代わりに、費用を抑えてお返しできます。全店年中無休で、夜20時まで受け付けています。
見積もりは写真を送るだけで、60秒程度で完了します。原則10分以内に回答し、超えた場合は1,000円割引します。
池内自動車は、ボディの板金塗装に専門を絞り、設備と人をそこに集中させています。ボディのキズ・ヘコミ・塗装のことでしたら、まずご相談ください。
まとめ:塗装面か柱そのものかを切り分けてから、費用の話に進む
ピラーの傷で最初に決めるのは、塗装面でとどまっているのか、柱の形が変わっているのかです。前者なら鉄板パネルの料金体系で見当がつきます。後者なら骨格の修正を含む判断になり、実車を見ての見積もりになります。
自分で当たりを付けるなら、ドアの閉まり方、隙間の通り方、ゴムの当たり跡を見てください。ここに変化が出ていれば、表面だけの話ではない可能性があります。雨のあとに天井の縁や足元が湿るようになった場合も同じです。
修復歴を心配して修理を後回しにするのは、順番が逆になります。塗装が切れていれば、待っているあいだに錆で範囲が広がります。判定の線引きは基準を確認したうえで、まずは今の状態を見てもらってください。
あ、キズ直そ。写真を送るだけ、60秒でお見積もりします。
読んだ内容で迷ったら、
写真を1枚送ってみてください。
傷の程度は写真を見れば判断できます。入力は60秒、回答は原則10分以内。
修理は最短当日で仕上がります。ご来店での見積もりも無料です。
※バンパーのすり傷(10cm以内)3,300円〜(税込)/20cm以内 6,000円〜(税込)
日守翔吾
大手中古車販売店で7年ほど経験を積んだ後、板金塗装に従事。工場長の経験を経て、2022年に株式会社イケウチに入社。豊富な経験を持ち、板金塗装を中心とした自動車修理業界に精通している。これまでに10,000台以上の車両修理を監修し、お客様からの信頼も厚い。
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